10年前の2004年12月1日、函館市ほか4町村が合併して新・函館市が誕生、これを皮切りに、北海道内でも市町村合併ラッシュが始まった。平成の市町村大合併前は212市町村だったものが、2009年までに179市町村に減少した。皆さんは、この10年間で合併し、自治体名として消えたまちを覚えているだろうか。振り返ってみよう。(市町村合併について詳細はこちらも参照)
- 1 22件の合併が行われた
- 2 1.最初の合併、最大の合併市町村数、新「函館市」
- 3 2.砂原の名 消える、新「茅部郡 森町」
- 4 3.ひらがな名称が誕生、「久遠郡 せたな町」
- 5 4.上川管内で最初の合併、新「士別市」
- 6 5.支庁を越えた合併、新郡誕生、新「二海郡 八雲町」
- 7 6.厚田郡と浜益郡が消滅、細長くなった、新「石狩市」
- 8 7.オホーツク管内で最初の合併、新「紋別郡 遠軽町」
- 9 8.最初の飛び地合併に、新「釧路市」
- 10 9.約10年ぶりに市が誕生、新幹線駅をもつ「北斗市」
- 11 10.十勝管内唯一の合併、新「中川郡 幕別町」
- 12 11.旧大滝村と2例目の飛び地合併、新「伊達市」
- 13 12.門別町と3例目の飛び地合併、新「沙流郡 日高町」
- 14 13.足寄町を抜いて道内一位の面積に、新「北見市」
- 15 14.宗谷管内で唯一、日本最北の合併、新「枝幸郡 枝幸町」
- 16 15.空知管内で唯一の合併、新「岩見沢市」
- 17 16.名寄市と士別市が隣接することに、新「名寄市」
- 18 17.洞爺湖をそのまま名称に、「虻田郡 洞爺湖町」
- 19 18.かつての両町の村名に回帰、「勇払郡 安平町」
- 20 19.ししゃものマチでひらがな名称が誕生、「勇払郡 むかわ町」
- 21 20.女満別空港にちなんで命名、「網走郡 大空町」
- 22 21.静内郡と三石郡が消滅、市政施行目指した「日高郡 新ひだか町」
- 23 22.分村から100年の合流、新「紋別郡 湧別町」
22件の合併が行われた
212市町村という数字は、1973年12月1日に亀田市が函館市に編入された時以来31年間保たれていた。そして2004年12月1日、亀田半島の4町村、つまり、戸井町、恵山町、椴法華村、南茅部町が函館市に編入合併されたのを皮切りに、道内でも続々と合併が行われた。
2004年の合併は函館市だけだったが、2005年に7件、2006年に13件、少し遅れて2009年に湧別町の1件で合併があり、合計22件の合併があったことになる。これにより支庁(現・振興局)境界線変更、新郡新設、飛び地自治体も誕生した。合併がなかった支庁(振興局)は、後志管内、留萌管内、根室管内のみだった。
1.最初の合併、最大の合併市町村数、新「函館市」
渡島管内東部、函館市と亀田半島の4町村(亀田郡戸井町、亀田郡恵山町、亀田郡椴法華村、茅部郡南茅部町)の5市町村による合併。函館市への編入合併。名称は函館市を使用、市役所はそのまま。平成の市町村合併では最も多い市町村数の合併で、3町村が一気に亀田郡から離脱したため、亀田郡が5町村から2町に激減した。
2004/12/01 函館市(函館市・戸井町・恵山町・南茅部町・椴法華村)
2.砂原の名 消える、新「茅部郡 森町」
渡島管内東部、茅部郡森町と茅部郡砂原町の2町による合併。新設合併。名称は森町を使用、役場は旧森町役場。茅部郡は3町から2町に減少した。
2005/04/01 茅部郡森町(森町・砂原町)
3.ひらがな名称が誕生、「久遠郡 せたな町」
檜山管内北部、久遠郡大成町と瀬棚郡瀬棚町と瀬棚郡北檜山町の3町による合併。新設合併。名称は瀬棚町をひらがなにして使用、郡は大成町から久遠郡を使用、新役場は旧北檜山町役場。それぞれ旧区域を瀬棚区、北檜山区、大成区と呼ぶことにした。これにより、瀬棚郡は今金町のみになった。
2005/09/01 久遠郡せたな町(瀬棚町・北檜山町・大成町)
4.上川管内で最初の合併、新「士別市」
上川管内北部、士別市と上川郡朝日町の2市町による合併。新設合併。名称は士別市を使用、市役所はそのまま。上川管内で最初の合併となった。
2005/09/01 士別市(士別市・朝日町)
5.支庁を越えた合併、新郡誕生、新「二海郡 八雲町」
渡島管内山越郡八雲町と檜山管内爾志郡熊石町の2町による合併。新設合併。名称は八雲町を使用、役場は旧八雲町役場。唯一、支庁(当時)をまたいでの合併となっただけでなく、新郡を設置した合併。これにより檜山管内は支庁(当時)で唯一分断、飛び地となった。太平洋と日本海、両方に面する全国初の自治体ということで二海郡を新設した。山越郡は1町に減少した。
2005/10/01 二海郡八雲町(八雲町・熊石町)(郡新設)
6.厚田郡と浜益郡が消滅、細長くなった、新「石狩市」
石狩管内、石狩市と厚田郡厚田村と浜益郡浜益村の3市村による合併。石狩市への編入合併。名称と市役所は石狩市のまま。石狩管内で最初の合併で、南北に細長い自治体となり、旧厚田村を厚田区、旧浜益村を浜益区と呼ぶことにした。それぞれ唯一だった厚田郡と浜益郡が消滅することになった。
2005/10/01 石狩市(石狩市・厚田村・浜益村)
7.オホーツク管内で最初の合併、新「紋別郡 遠軽町」
オホーツク管内、紋別郡遠軽町と紋別郡生田原町と紋別郡丸瀬布町と紋別郡白滝村の4町村による合併。新設合併。名称と役場は旧遠軽町を使用。オホーツク管内で最初の合併となった。
2005/10/01 紋別郡遠軽町(遠軽町・生田原町・丸瀬布町・白滝村)
8.最初の飛び地合併に、新「釧路市」
釧路管内、釧路市と阿寒郡阿寒町と白糠郡音別町の3市町による合併。新設合併。名称と市役所は旧釧路市を使用。釧路管内唯一の合併となった。釧路と音別間にある白糠町が合併協議会を離脱したことで、音別地区が飛び地となった。これにより阿寒郡は1村、白糠郡は1町のみになった。
2005/10/11 釧路市(釧路市・阿寒町・音別町)
9.約10年ぶりに市が誕生、新幹線駅をもつ「北斗市」
渡島管内東部、上磯郡上磯町と亀田郡大野町の2町による合併。新設合併で市制施行した唯一の合併。名称は最終3候補から決定、市役所は旧上磯町役場。市の誕生は1996年9月1日に市政施行した北広島市と石狩市以来約10年ぶりで、道内は35市となった。これにより、亀田郡は1町に、上磯郡は2町に減少した。
2006/02/01 北斗市(上磯町・大野町)
10.十勝管内唯一の合併、新「中川郡 幕別町」
十勝管内中部、中川郡幕別町と広尾郡忠類村の2町村による合併。幕別町への編入合併。名称と役場は幕別町のまま。十勝管内で最初で唯一の合併となった。
2006/02/06 中川郡幕別町(幕別町・忠類村)
11.旧大滝村と2例目の飛び地合併、新「伊達市」
胆振管内西部、伊達市と有珠郡大滝村の2市村による合併。伊達市への編入合併。名称と市役所はそのまま。胆振管内で最初の合併で、間にある壮瞥町が合併協議から離脱したため飛び地合併になった。旧大滝は大滝区と呼ぶ。これにより有珠郡は1町に減少した。
2006/03/01 伊達市(伊達市・大滝村)
12.門別町と3例目の飛び地合併、新「沙流郡 日高町」
日高管内西部、沙流郡日高町と沙流郡門別町の2町による合併。新設合併。名称は旧日高町を使用、役場は旧門別町を使用。日高管内で最初の合併で、間にある平取町が合併協議から離脱したため飛び地合併になった。
2006/03/01 沙流郡日高町(日高町・門別町)
13.足寄町を抜いて道内一位の面積に、新「北見市」
オホーツク管内、北見市と常呂郡常呂町と常呂郡端野町と常呂郡留辺蘂町の4市町による合併。新設合併。名称と市役所は旧北見市を使用。オホーツク海から石北峠まで長大距離の区域となり、それまで北海道最大面積だった足寄町を抜いて道内一位の面積に躍り出た。これにより、網走市と隣接し、常呂郡は3町に半減した。
2006/03/05 北見市(北見市・端野町・留辺蘂町・常呂町)
14.宗谷管内で唯一、日本最北の合併、新「枝幸郡 枝幸町」
宗谷管内南部、枝幸郡枝幸町と枝幸郡歌登町の2町による合併。新設合併。名称と役場は旧枝幸町を使用。宗谷管内で最初で唯一の合併となっただけでなく、日本最北の合併となった。これにより枝幸郡は3町になった。
2006/03/20 枝幸郡枝幸町(枝幸町・歌登町)
15.空知管内で唯一の合併、新「岩見沢市」
空知管内南部、岩見沢市と空知郡栗沢町と空知郡北村の3市町村による合併。岩見沢市への編入合併。名称と市役所は岩見沢市のまま。空知管内で最初で唯一の合併となった。これにより空知郡は8町から6町に減少した。
2006/03/27 岩見沢市(岩見沢市・栗沢町・北村)
16.名寄市と士別市が隣接することに、新「名寄市」
上川管内北部、名寄市と上川郡風連町の2市町による合併。新設合併。名称と市役所は名寄市を使用。これにより名寄市と士別市が隣接することに。
2006/03/27 名寄市(名寄市・風連町)
17.洞爺湖をそのまま名称に、「虻田郡 洞爺湖町」
胆振管内西部、虻田郡虻田町と虻田郡洞爺村の2町村による合併。新設合併。名称は最終3候補から決定、役場は旧虻田町を使用。これにより胆振管内の虻田郡は2町に。
2006/03/27 虻田郡洞爺湖町(虻田町・洞爺村)
18.かつての両町の村名に回帰、「勇払郡 安平町」
胆振管内東部、勇払郡早来町と勇払郡追分町の2町による合併。新設合併。名称はかつて両町の村名だったものを使用、役場は旧早来町役場を使用。同日に合併したむかわ町とともに、これにより、勇払郡は4町村に減少した。
2006/03/27 勇払郡安平町(早来町・追分町)
19.ししゃものマチでひらがな名称が誕生、「勇払郡 むかわ町」
胆振管内東部、勇払郡鵡川町と勇払郡穂別町の2町による合併。新設合併。名称は鵡川町をひらがなにし、役場は旧鵡川町役場を使用。同日に合併した安平町とともに、これにより、勇払郡は4町村に減少した。
2006/03/27 勇払郡むかわ町(鵡川町・穂別町)
20.女満別空港にちなんで命名、「網走郡 大空町」
オホーツク管内、網走郡女満別町と網走郡東藻琴村の2町村による合併。新設合併。名称は女満別空港のイメージから和名を起用し、役場は旧女満別町役場を使用。これにより、網走郡は3町となった。
2006/03/31 網走郡大空町(女満別町・東藻琴村)
21.静内郡と三石郡が消滅、市政施行目指した「日高郡 新ひだか町」
日高管内中部、静内郡静内町と三石郡三石町の2町による合併。新設合併。名称は最終3候補から決定、役場は旧静内町役場を使用。当初は新冠町含め市政施行を目指していたが離脱により新町とした。静内郡と三石郡が消滅、ありそうでなかった日高郡を新設した。
2006/03/31 日高郡新ひだか町(静内町・三石町)(郡新設)
22.分村から100年の合流、新「紋別郡 湧別町」
オホーツク管内、紋別郡湧別町と紋別郡上湧別町の2町による合併。新設合併。名称は湧別町を、役場は旧上湧別町役場を使用。もともと一つだったまちを元に戻した格好。2006年3月に合併ラッシュがひと段落してから3年半後に合併が行われた。これが現時点で最後の合併となっている。
2009/10/05 紋別郡湧別町(湧別町・上湧別町)
戸井町、恵山町、椴法華村、南茅部町、砂原町、大成町、瀬棚町、北檜山町、朝日町、厚田村、浜益村、熊石町、生田原町、丸瀬布町、白滝村、阿寒町、音別町、上磯町、大野町、忠類村、門別町、大滝村、端野町、常呂町、留辺蘂町、歌登町、北村、栗沢町、虻田町、洞爺村、風連町、鵡川町、穂別町、早来町、追分町、東藻琴村、女満別町、静内町、三石町、上湧別町。これらの名称があったことを覚えているだろうか。また、厚田郡、浜益郡、静内郡、三石郡が消滅し、二海郡、日高郡が誕生、北斗市という市が誕生した。現在は、35市129町15村、合計179市町村となっている。