桜、ライラック、ラベンダー、ハマナス、サンゴソウ、紅葉など北海道の花カレンダーは、本州とは異なります。例えば、桜と梅は北海道ではゴールデンウィークに一緒に咲きます。北海道では、いつどんな花が咲くのでしょうか。北海道の代表的な花暦をまとめました。北海道の花を見に行く際の参考にしてくださいね。
春になると一気に咲き誇る
北海道は冬季は雪に覆われており、花が咲くことはありません。場所にもよりますが、積雪の期間は5~6か月間(約半年)にも及びます。しかし、日照時間が長くなり、気温が上がっていったん雪解けが始まれば、待ってましたと言わんばかりに、一気に花が咲き始めます。
春の訪れを告げる花の代表と言えば、フクジュソウ。雪解けが進んだ3月中旬、北海道南部(道南)の函館などでフクジュソウ開花のニュースが流れます。フキノトウも道端で芽を出し、4月1日頃には、同じく函館でクロッカスが見ごろを迎えたというニュースも。
フクジュソウ(3月中旬~)
- 西岡公園(札幌市豊平区)
- 野幌森林公園(江別市)
- 男山自然公園(旭川市)
- 帯広市野草園(帯広市)
- 春国岱(根室市)
クロッカス(3月末~)
- 函館遺愛学院構内(函館市)
- 中島公園(札幌市中央区)
桜の開花がいつになるのかと気をもむ4月中旬、道央圏ではミズバショウが見頃を迎えます。
ミズバショウ(4月~)
- 東大沼水芭蕉大群生地(渡島管内七飯町)
- マクンベツ湿原(石狩市)
- 久種湖(宗谷管内礼文町)
- メグマ原生花園(稚内市)
- 湧別町水芭蕉群生地(オホーツク管内湧別町)
そうこうしているうちに、松前町の松前公園では早咲きの桜が開花を迎え、4月末には函館五稜郭公園のソメイヨシノが開花。桜前線はあっという間に北海道を北上し、札幌市でもゴールデンウィークあたりにちょうどエゾヤマザクラが開花・満開を迎えます。
さらに、梅の花が桜と同時に開花し見頃を迎えるのも、北海道ならでは。桜と梅の花見をGWに、同時期に楽しめるのです。ついでにいえば、ミズバショウ、桜、梅が同時期に見られるのも北海道ならではです。
都市 | 梅開花 | 桜開花 |
---|---|---|
那覇 | 1月6日 | 1月6日 |
福岡 | 1月20日 | 3月21日 |
大阪 | 2月2日 | 3月23日 |
仙台 | 3月1日 | 3月28日 |
札幌 | 4月25日 | 4月30日 |
桜(GW前後)
- 松前公園(渡島管内松前町)
- 元町公園(函館市)
- 五稜郭公園(函館市)
- 手宮公園(小樽市)
- 円山公園(札幌市中央区)
- 東明公園(美唄市)
- 静内二十間道路桜並木(日高管内新ひだか町)
梅(GW前後)
- 平岡公園(札幌市清田区)
- 三笠あすか梅の杜=旧みかさ邦梅園(三笠市)
- 壮瞥公園(胆振管内壮瞥町)
また、ゴールデンウィークの時期の北海道は何種類もの花々が同時に一斉に咲くので追いつかないくらい。エゾエンゴサクやカタクリ、スイセンといった花々もシーズンを迎えます。エゾエンゴサクとカタクリは同じ場所で咲くことが多く、この共演を待ち望む人たちも少なくありません。
エゾエンゴサクとカタクリ(4月下旬~)
- 浦臼神社(空知管内浦臼町)
- 男山自然公園(旭川市)
- 嵐山公園(上川管内鷹栖町)
- 観音山公園(日高管内様似町)
スイセン(5月)
- 玉川公園(檜山管内せたな町)
- ゆにガーデン(空知管内由仁町)
- 国営滝野すずらん丘陵公園(札幌市南区)
- イコロの森ガーデン(苫小牧市)
ゴールデンウィークを過ぎても、桜を追いかけるように次々と咲き続けます。コブシ、ハクモクレン、チューリップ、菜の花が咲く時期になります。5月下旬以降になれば芝桜、ツツジ、ライラック、スズランなどが一斉に花の見ごろを迎えます。ライラックが咲くころに気温が冷え込むことを「リラ冷え」と呼びます。目まぐるしく花が入れ代わり立ち代わり咲くので、見逃せません。
ツツジ(5月~)
- 恵山つつじ公園(函館市)
- オニウシ公園・青葉ヶ丘公園(渡島管内森町)
- おんねゆ温泉つつじ公園(北見市)
- 大丸山森林公園(十勝管内広尾町)
- 真鍋庭園(帯広市)
チューリップ(5月)
芝桜(5月下旬)
菜の花[栽培](5月)
ライラック(5月中旬~)
- 大通公園(札幌市中央区)
- 川下公園(札幌市白石区)
- 前田森林公園(札幌市手稲区)
- オホーツク・リラ街道(オホーツク管内湧別町)
スズラン(5月下旬~)
- 芽生すずらん群生地(日高管内平取町)
- 国営滝野すずらん丘陵公園(札幌市南区)
- 中札内美術村・六花の森(十勝管内中札内村)
初夏から夏にかけての花々
6月になると初夏の雰囲気が漂います。北の花の浮島「礼文島」ではレブンアツモリソウが見頃を迎えます。原生花園ではエゾカンゾウが見頃を迎え、海岸でははまなすが赤い花を咲かせ、バラ園ではバラのシーズンを迎えます。6月になると、初夏の風物詩「ポプラの綿毛」も見られるようになります。
レブンアツモリソウ(6月)
エゾカンゾウ(6月~)
- サロベツ原生花園(宗谷管内豊富町・幌延町)
- 歌才湿原(後志管内黒松内町)
- 長万部野草花園(渡島管内長万部町)
- 野付半島原生花園(根室管内別海町)
ルピナス(6月~)
- 彩りの丘(深川市)
- フラワーランドかみふらの(上川管内上富良野町)
- 四季彩の丘(上川管内美瑛町)
ポピー(6月~)
ハマナス(6月~)
- はまなすの丘公園(石狩市)
- 真鍋庭園(帯広市)
- いわみざわ公園バラ園(岩見沢市)
バラ(6月~)
7月になれば、花菖蒲が咲き誇り、ジャガイモ畑では白い花が咲き始め、亜麻畑の青い花、蕎麦の白い花も咲き始めます。7月中旬から下旬にかけては、富良野エリアではラベンダー観光が最盛期を迎え混雑します。
アヤメ・ハナショウブ(花菖蒲)(7月)
- 八紘学園花菖蒲園(札幌市豊平区)
- しのつ公園(石狩管内新篠津村)
- ノハナショウブ群生地(江別市)
- 芽室公園花菖蒲園(十勝管内芽室町)
- 朝日公園花しょうぶ園(留萌管内羽幌町)
- あやめ公園(岩見沢市)
- 原生花園あやめケ原(釧路管内厚岸町)
アジサイ(7月)
- 松前公園(渡島管内松前町)
- 市民の森(函館市)
- 中島公園(札幌市中央区)
- 豊平公園(札幌市豊平区)
- 立象山公園あじさい広場(檜山管内せたな町)
- 発寒春日緑地(札幌市西区)
- ゆにガーデン(空知管内由仁町)
亜麻(7月)
ジャガイモ畑の花(6月中旬~7月)
- 羊蹄山山麓
- じゃがいも街道(オホーツク管内小清水町)
- 十勝平野
そば畑の花(7月~)
ラベンダー(7月中旬~下旬)
- ファーム富田(上川管内中富良野町)
- ラベンダーイースト(上川管内上富良野町)
- 日の出公園(上川管内上富良野町)
- 中富良野町営ラベンダー園(上川管内中富良野町)
- 深山峠(上川管内上富良野町)
- ハイランドふらの(富良野市)
- かなやま湖畔鹿越園地ラベンダー園(上川管内南富良野町)
- 真駒内滝野霊園(札幌市南区)
- オホーツクラベンダー園(紋別市)
- 幌見峠(札幌市中央区)
7月下旬から8月にかけては真夏の花がシーズンを迎えます。その代表はひまわり。そのほか、ユリの花も見頃を迎えます。
ユリ(7月下旬~)
- 百合が原公園(札幌市北区)
- ゆにガーデン(空知管内由仁町)
- ゆりの郷こしみずリリーパーク(オホーツク管内小清水町)
- 道の駅真狩フラワーセンター・真狩温泉・真狩フラワーロード(後志管内真狩村)
ひまわり(8月)
- 北竜ひまわりの里(空知管内北竜町)
- 道立サンピラーパーク、なよろひまわり畑(名寄市)
- 大曲湖畔園地(網走市)
- パレットの丘(千歳市)
秋は、サンゴソウにコスモスに紅葉に
9月になると、秋らしい花々が見頃を迎えます。秋桜と呼ばれるコスモス、そして標高の高いところ(旭岳)では9月中旬には紅葉の見頃を迎え、平地では10月中旬~11月上旬に紅葉の見頃を迎えます。イチョウ並木は10月下旬から11月上旬です。道東の海岸線ではアッケシソウ(サンゴソウ)が赤い絨毯を作り出します。
コスモス(9月)
- 太陽の丘えんがる公園(オホーツク管内遠軽町)
- 丸加高原(滝川市)
- コスモスガーデン(十勝管内大樹町)
サンゴソウ(9月)
- 能取湖卯原内サンゴソウ群生地(網走市)
- キムアネップ岬(オホーツク管内佐呂間町)
- コムケ湖小向原生花園(紋別市)
- 野付半島原生花園(根室管内別海町)
紅葉(9月~)
北海道の平野部で紅葉が見頃を迎える頃、北海道では初雪の訪れを知らせるユキムシ(雪虫)を目撃することが多くなります。こうして冬支度をはじめ、初雪、根雪となって、来年の春まで花が咲かない期間を過ごすことになります。
ただし、室内庭園だけは例外です。道内には冬でも花木を見ることのできる室内庭園がいくつか点在しています。冬季間はそちらで緑をお楽しみください。
以上、北海道の花暦をご紹介してきました。カレンダーで見てみると明らかなとおり、雪解けを迎えた4月から秋の10月までの約半年間に一気に、そして次々と目まぐるしく花々は咲いていき、短い夏はあっという間に終わりを迎えます。また、桜と梅が一緒に咲くなど、北海道ならではの魅力もあります。ぜひ北海道でその花々を楽しんでみてくださいね。