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あの豪華列車との競演も! 近年人気急上昇中の木古内町 花スポット3選

北海道新幹線の駅がある道南の木古内町がこの時期、穴場的な「花の名所」として人気を博しているのをご存じでしょうか。道南の「花の名所」といえば、桜で有名な松前町や函館市を思い浮かべる人も多いと思いますが、木古内町で見られるのはチューリップと芝桜。タイミングが合えば、ここでしか見ることができない超レアな光景に出会える可能性もあります。そんな木古内の花スポット3カ所をご紹介します。

約60種5万級のチューリップがずらり。サラキ岬

あの豪華列車との競演も! 近年人気急上昇中の木古内町 花スポット3選

国道228号線沿いにある小さな岬に、毎年ゴールデンウィーク頃から5月中旬頃にかけて、約60種5万球のチューリップが花を咲かせます。チューリップの球根は毎年オランダから直接輸入しており、色合いや形状が珍しい花も少なくありません。

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木古内とオランダは一見かかわりがなさそうに見えますが、実はサラキ岬の沖には、徳川幕府がオランダに発注して建造した軍艦「咸臨丸」が沈んでいます。

沈没したのは、1871(明治4)年のこと。戊辰戦争終結後、明治政府の輸送船となった咸臨丸は、北海道へ移住する仙台藩の元家臣1400人あまりを乗せて仙台から函館経由で小樽へ向かおうとしましたが、サラキ岬沖で岩礁に乗り上げて座礁。乗船者は救助されましたが、その数日後に咸臨丸は海中へと姿を消しました。

▼咸臨丸の歴史を伝える看板
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▼咸臨丸を模したモニュメント
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サラキ岬のチューリップは、こうした歴史を知ったオランダ北海道人会の会長(当時)から「咸臨丸終焉の地にオランダの国花を植えてほしい」とチューリップの球根を寄贈されたのをきっかけに、2002年から始まりました。以来、町民有志と地元企業が中心となって毎年ボランティアで手入れを続けています。

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目の前にある国道のすぐ隣には線路があり、タイミングが合えば色とりどりのチューリップ畑の向こうを列車が通過する光景を見ることができます。普段通るのは道南いさりび鉄道の列車と貨物列車ですが、日によってはJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」が通ることもあるため、鉄道ファンの定番撮影スポットにもなっています。

札苅村上芝桜園(さっかりむらかみしばざくらえん)

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国道228号線と道南いさりび鉄道線にはさまれた敷地に、ピンク・白・薄紫など色とりどりの芝桜30種類以上が4月下旬から5月中旬頃にかけて鮮やかに咲きます。

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もともとは9年前、村上さんという個人が、作付けしなくなった畑に雑草対策として芝桜を植え始めたのがきっかけ。それ以降は毎年少しずつ植栽面積を増やし、今は約0.3ヘクタールほどの広さにまで広がっています。今も村上さんが一人ですべて管理する私有庭園ですが、芝桜の見頃の時期には見学者に開放しており、近年は観光バスが立ち寄るほどの名所になっています。

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見どころは何と言っても、色合いの異なる芝桜が織りなすグラデーション。一色の芝桜が辺り一面を埋め尽くす光景は他の芝桜名所でもよく見られますが、色ごとに一列に植えられた芝桜が美しい縞模様を描く光景は、この芝桜園ならでは。

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また、村上さんが交配した「ミニ芝桜」もここでしか見られない品種です。通常の芝桜は花の直径が2cmほどですが、このミニ芝桜はわずか直径0.5cm程度しかありません。まだ数は少ないですが、可憐な花を咲かせています。

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サラキ岬同様、札苅村上芝桜園も道南いさりび鉄道沿線にあるため、タイミングが合えば満開の芝桜の後ろを列車が通る光景を見ることができます。反対に、車内から芝桜を見ることもできます。道南いさりび鉄道の列車に乗って車窓からこの景色を眺めてみるのも良いかもしれません。

道南で最も低い山の斜面一面に芝桜! 薬師山

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標高約72mの「道南で最も低い山」の中腹から山頂近くにかけて、一面に芝桜が咲き誇ります。残念ながら今年はほとんど開花しませんでしたが、本来なら約2000平方メートルの広さにわたって山の斜面が鮮やかなピンク色に覆われます。

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ここの芝桜は、木古内町が1980年代に周辺を公園として整備したのに合わせて植えたもの。山には散策路や展望台も整備されており、歩いて15分ほどで上ることができます。

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散策路沿いには、点々と観音像が奉られています。昔この山が霊場だった時の名残で、「三十三観音像」と呼ばれています。実際に山の中にあるのは32体で、残りのひとつは近くにある願応寺というお寺に安置されています。

▼2018年の様子
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今年ほとんど開花しなかった明確な理由はわかっていませんが、事情に詳しい人によると、冬季におけるエゾシカの食害と、雪解け後に続いた低温の影響との2つの要因が考えられるとのこと。来年こそは素晴らしい花が咲くように願わずにはいられません。

取材協力と一部写真提供
道の駅みそぎの郷きこない、木古内町産業経済課、木古内町観光協会

筆者について

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佐々木康弘

札幌市北区新琴似出身。30歳で函館に移住してからふとしたきっかけでライターの道へ進み、旅行情報誌やネット媒体などを中心に年間70万字以上を執筆。道南地域で毎年100本以上のイベントに足を運ぶイベントウオッチャーとしても活動。【Sクラス認定ライター】