人気ジェラート屋なのにブルーベリー狩りも可能!千歳「ミルティーロ」

千歳市の農地が広がる一角に、オレンジ色の屋根のかわいらしいお店がポツンと建っています。いかにも知る人ぞ知るといった立地条件ですが、駐車場には次から次へと車が入ってきて、訪れるお客さんは後を絶ちません。

店の名前は「ジェラテリア ミルティーロ」。ジェラート屋さんでありながら、敷地内には広いブルーベリー畑もあります。どうしてこの場所にこんな人気店があるのか、気になるところを聞いてみました。

思いつきと情熱が超人気店を誕生させた!

▼農地にポツンと建つミルティーロ

はじまりは、ひとりの若者の思いつきでした。大学で建築を学び、金融業に携わった後、農業に興味が湧いた若者は、実家の庭にブルーベリーの木があったことを思い出します。

「ブルーベリーなら他にやってる人も少なそうだし、小さな庭でも育つのだから、簡単だろう」

そんな軽い気持ちで、ノウハウも機械もないまま、1200株もの苗を植えました。後にミルティーロのオーナーとなる加藤寛志さん、25歳の時でした。

▼オーナーの加藤寛志さん(39歳)

水やりも肥料やりも、すべてひとりで手作業で行う毎日。それでも苦労の甲斐なく木は枯れ風で倒れ、相談する相手もいないまま、試行錯誤は続きます。ようやくそれなりの量の実を収穫できるようになるまで、5年もの年月を費やしました。

▼上から見たミルティーロのブルーベリー畑

2008年からブルーベリー狩りを始めたものの、お客さんが収穫してもまだブルーベリーが大量に残ります。そこで2009年には業者に出荷するようになり、2010年にはこのブルーベリーを使って何かがしたいと考えるようになります。そこで思いついたのが、ジェラートでした。

アイデアさえ浮かべば行動が早いのが、加藤さん。2011年にはジェラートの本場イタリアへと飛び、1からジェラートづくりを学ぶことに。目指したのは、ブルーベリーをはじめ、旬のフレッシュフルーツを使ったジェラートでした。

▼収穫時期は7月中旬もしくは下旬から8月下旬まで

帰国してからは土地計画や申請に思わぬ時間を要しつつ、ようやくミルティーロはオープンにこぎつけます。2013年4月20日のことでした。

オープン直後から地元北海道のテレビ番組で取り上げられ、6月に出演した番組でついに大ブレイクを果たします。放送翌日、朝から店の前に大行列ができていたのです。

これには加藤さんもビックリ! スタッフは加藤さん含め2人のみだったので、寝る暇もない日々が続きました。その人気は衰えることなく、今も地元や遠方からお客さんたちがひっきりなしに訪れています。

▼シーズン中はブルーベリー狩りも実施

取材当日は、ブルーベリー狩りのシーズンが終了する直前。ミルティーロのブルーベリーは有機JAS認定のオーガニックブルーベリー。化学肥料や農薬を使わず、有機肥料のみで作られています。そのため、新鮮なブルーベリーを採ってそのまま食べることができるのです。

▼農薬未使用なので、採ったその場で食べられる

ゆくゆくは、ここをブルーベリーのエンターテイメント施設にしたいという夢を持っているという加藤さん。ブルーベリー狩りから、どんなふうに展開していくのか楽しみです。

季節によって異なる16種類のジェラート

▼大きなものは500円玉くらいにも!

ミルティーロのジェラートは、オープン当初から変わらず16種類。そのうち定番のフレーバーは8~9種類ほどで、後は季節によって異なります。

▼入口すぐの券売機にある「本日のジェラート」を参照

レギュラーは3種類選べて税込450円。では、おすすめのフレーバーをチェックしていきましょう。

▼上から時計回りに、ブルーベリーソルベ、ブルーベリーチーズケーキ、ブルーベリーとヨーグルト

やはり外せないのはブルーベリーを使ったジェラートです。シャリッとした食感が楽しめるソルベや、濃厚なチーズケーキ、爽やかな口当たりのヨーグルトなど、どれもブルーベリーの味わいを存分に生かしています。

▼ミルティーロセット(税込680円)

焼き立てワッフルとコーヒーが付いてくる「ミルティーロセット」にするのも、おすすめです。温かいワッフルに冷たいジェラートを乗せて、その相性の良さを楽しんでください。

▼左から時計回りに、カカオ、アールグレイ、プラム

ミルティーロのジェラートは、どれも素材の味わいが色濃く出ているのが特徴的です。特に旬のフレッシュフルーツを使ったものは、果物そのものを味わっているかのような瑞々しさで、驚かされます。

▼左から時計回りに、ピスタチオ、ストロベリー、北海道ミルク

果物そのものを食べているように感じるのは、素材をふんだんに、贅沢に使用しているから。香料や着色料を入れないのはもちろん、砂糖も極力減らして、素材の味を全面に押し出しているのです。

ちなみに筆者がいちばん驚いたのが、ピスタチオ。本当にピスタチオをそのまま食べているような、新鮮な体験でした。

▼色とりどりのショーケースにうっとり

他にも、以前北海道ファンマガジンで紹介した千歳バーガーの「ジェラートバーガー」(税込500円)や「ワッフルパフェ」(税込800円)などもあり、何度も訪れれば訪れるほど、いろいろ食べてみたくて迷ってしまいそうです。

▼開放感のある明るい店内

持ち帰ってもいいですが、店内で食べるのもおすすめです。カウンター席の前にある窓の外には、ブルーベリー畑が広がっています。元気に育つ木々を眺めながらブルーベリーのジェラートを食べるなんて、ちょっとリッチな楽しみ方ではないでしょうか。

千歳市を訪れる機会があれば、ぜひミルティーロにまで足を伸ばしてみてください。おいしいジェラートとのどかな風景、そしてオーナーの素敵な笑顔に、きっと癒やされるはずですよ。

ジェラテリア ミルティーロ
所在地:北海道千歳市長都2
電話:0123-23-5323
営業時間:11時~18時
定休日:水曜日(6~9月は定休日なし)
公式サイト
Facebookページ
ブルーベリー摘み取り体験
開催期間:7月下旬~8月下旬(※天候や果実の状態により変更あり)
営業時間:11時~16時
入園料金:一般800円、小学生600円、3~6歳400円、幼児無料
摘み取りお持ち帰り料金:250円/100グラム

モデル:竹村美穂