北海道を優雅に周遊!豪華観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」

東急株式会社とJR北海道(北海道旅客鉄道株式会社)が連携して運行する豪華観光列車「THE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」(以下、ザ・ロイヤルエクスプレス)が2020年8月28日(金)午前、札幌駅を出発。3泊4日で北海道を周遊する第一便のツアーがスタートしました。出発に先立ち、JR札幌駅では出発セレモニーが開催されました。(トップ写真提供:東急株式会社)

東急・JR北海道が連携した観光列車走行プロジェクト

東急によると、北海道における観光列車走行プロジェクトは、JR北海道と東急が「北海道胆振東部地震の影響を受けた北海道を応援するため、観光振興と地域活性化を目的として」立ち上げたもの。両社に加え、JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)とJR貨物(日本貨物鉄道株式会社)が協力し、計4社がタッグを組んで実現しました。

▼千歳市内の石勝線を走る「ザ・ロイヤルエクスプレス」

「ザ・ロイヤルエクスプレス」の客車5両には、非電化区間を走行する関係でJR北海道所有のディーゼル機関車2両、今回の運行に合わせて改装した東急所有の電源車1両を連結します。JR東日本は電源車を東急に譲渡、JR貨物は北海道内で運行する車両を北海道まで回送運搬することで連携しました。

機関車は「北海道の力強く明るく元気な太陽の色・収穫の色」としてオレンジ色(橙色)に塗装し、電源車と客車を牽引します。列車内サービス用電力を供給する電源車は、客車のロイヤルブルーとオレンジを粋につなぐ色として白色をメインカラーとしています。装飾は「ザ・ロイヤルエクスプレス」を手掛けた水戸岡鋭治氏がデザインしました。

JR北海道は「道内各地6か所の乗務員区の乗務員・運転士、2か所の車掌所の車掌が運行のお手伝い」(JR北海道島田社長)をすることになりました。島田社長は、「運行の協力をさせていただく中で、クルーの方々のおもてなしの心を学ばせていただき、私ども(JR北海道)が走らせる観光列車にも活かせたら」と話しました。

北海道知事・東急社長・JR北海道社長らがテープカット(2020年)

【映像】動画で見る出発セレモニー

第一便の出発地となるJR札幌駅5番線ホームでは、2020年8月28日午前の出発に合わせてセレモニーが開催されました。「ザ・ロイヤルエクスプレス」は10時43分に入線しました。

10時43分に札幌駅5番線ホームに入線。先頭は黄色いディーゼル機関車2両(2020年)

東急株式会社の高橋和夫代表取締役社長は主催者代表挨拶で、「行く先々で手旗を振るなど、地域の方々がすでに盛り上がってくれていて、笑顔が私の目に浮かぶ。それが大成功の要因になるのかなと感じている。北海道観光振興の一助となればとの思いでしっかり運行させていただく」と話しました。

JR北海道の島田修代表取締役社長は、「本日の運行開始により北海道の素晴らしい魅力ある観光資源の情報発信につながること、加えてクルージングトレインの旅の魅力がお客さまに、また、全国に伝わるきっかけになることを期待したい」とコメント。

鈴木直道北海道知事は、「このプロジェクトはまもなく2年を迎える。北海道胆振東部地震で影響を受けた北海道を応援しようじゃないかということで構想がスタートした。北海道の素晴らしい景色を車窓から感じ、北海道の素晴らしい食・特産品、停車する駅でのお出迎えで鉄道の旅、北海道を存分に楽しんで素晴らしい思い出を作っていただきたい」と挨拶しました。

鈴木直道北海道知事、東急高橋和夫社長、JR北海道島田修社長、国土交通省の藤井直樹国土交通審議官らがテープカットを行い、11時2分、札幌駅長の合図で最初の目的地、十勝へ向けて出発しました。

札幌駅5番線ホームでセレモニーとテープカットが行われた
札幌駅長の合図で出発(提供:東急株式会社)

道東を中心に周遊

2020年は当初5回の運行予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で8月の2回分が運行中止になりました。そのため第一便は8月28日~31日、第二便が9月4日~7日、第三便が9月15日~18日になっています。いずれも3泊4日。

2020年のプランは、旅行代金68万円(2名1室利用の基本料金で税込み)で150名募集のところ、大幅に上回る1,232名が応募。抽選で当選者を決定したため、約8.2倍の当選確率となりました。

2021年は7回運行(8月13日~9月27日)。各回30名、計210名の枠に、昨年参加者の30%を含む426名が応募。当選確率が2倍となりました。

【映像】動画で見る「THE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」(提供:東急株式会社)

発着地を札幌に設定し、反時計回りに千歳線・石勝線・根室本線・釧網本線・石北本線・函館本線を走行。帯広・十勝、釧路・知床、オホーツク・北見、旭川・美瑛・富良野の4エリアを周遊します。

1日目は池田駅まで乗車し十勝川温泉で宿泊。2日目は釧路駅から知床斜里駅まで乗車し知床ウトロで一泊。3日目は知床斜里駅から北見駅、遠軽駅から旭川駅までを乗車。富良野までザ・ロイヤルバスで移動し宿泊。4日目は旭川駅から札幌駅まで乗車し旅が終わります。

1日目の宿泊先「十勝川温泉第一ホテル豊洲亭」(写真提供:東急株式会社)
2日目の宿泊先「北こぶし知床ホテル&リゾート」(写真提供:東急株式会社)
3日目の宿泊先「富良野リゾートオリカ」(写真提供:東急株式会社)

車内で提供する昼食には、地元4店舗の料理人が、北海道ならではの地元の食材を中心に、今回のために新たに創作したメニューを提供予定です。

また、車内演奏も用意されています。ヴァイオリニスト大迫淳英氏が新たに制作したテーマ曲『THE ROYAL EXPRESS~北海道の旅~』を演奏することになっています。

豪華観光列車「THE ROYAL EXPRESS」はこんなにすごい!

THE ROYAL EXPRESS 1号車の車内の様子(写真提供:東急株式会社)
THE ROYAL EXPRESS 1号車の車内の様子(写真提供:東急株式会社)
THE ROYAL EXPRESS 5号車の車内の様子(写真提供:東急株式会社)
THE ROYAL EXPRESS 6号車の車内の様子(写真提供:東急株式会社)
THE ROYAL EXPRESS 8号車の車内の様子(写真提供:東急株式会社)
THE ROYAL EXPRESS 8号車の車内の様子(写真提供:東急株式会社)
塗装前の電源車(写真提供:東急株式会社)
塗装後の電源車
2020年7月21日にJR伊東駅からJR札幌駅への出発の様子(写真提供:東急株式会社)