2020年からの新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響で、北海道最大の歓楽街、札幌すすきのでも飲食店は苦戦を強いられています。次々と閉店・休業する中、業態変更に活路を見出す店舗も出てきています。炭火居酒屋炎はその一つ。2021年2月23日(火・祝)に南4条店を業態変更してオープンしました。
コロナ禍で団体のお客さまが限りなくゼロに
炭火居酒屋炎 南4条店を運営するのは、道内を中心に炭火居酒屋炎、牛乃家、函館五島軒など約100店舗を展開する株式会社伸和ホールディングス(本社:札幌市西区)。
同店は従来、122席を有し、最大70名まで宴会可能な居酒屋でした。しかし、2020年からのコロナ禍で世の中の生活様式が一変。
「団体のお客さまが限りなくゼロになったうえ、一番多かった4~5名様のお客さまもかなり減って、多くても2~3名様のご来店という状況。このような事態がいつまで続くかわからないし、なかなかない新しい業態を立ち上げてみたかった」と、取締役本部長の中山洋輔さんは話します。
今後の飲食店の在り方も考えていく必要があるとの思いから、国が推奨する3密回避を徹底したうえで、一人飲み専門店に業態変更することを決意しました。
大胆に改装し、完全個室一人飲み専用居酒屋に
このたび同店は大胆に改装。122席あった店内は、改装して完全個室で30席になりました。仕切りを設けた完全個室タイプとなり、2名以上で来店した場合は原則として個別に席を案内するスタイルに。このほか、VIPルームなども備えます。
Wi-Fiを完備し、全席に通常コンセント、USBコンセントを設置し、スマートフォンやパソコンを自由に使える環境を整えました。2名以上で来店した場合も、「別れていただいて、リモートでの飲み会ができるよう、iPadの貸し出しサービスも行っている」と中山さん。
業態変更に合わせて、メニューも一新。一人飲み専用居酒屋なので、一人でも食べきれるメニューを取り揃えます。刺身、サラダ、ザンギ、お鍋などはすべて一人前にして、値段も下げています。
例えば、炭火居酒屋炎 名物の塩ザンギは、これまで5個で290円でしたが、一枚ものにして190円に。お鍋は2人前からでしたが、1人前の小さい鍋を用意して390円から注文できるようにしました。
また、お刺身盛り合わせも、3種で690円。焼きそばも小さいサイズにして390円。一人で頼んでも高くなりすぎないように工夫されています。1時間飲み放題500円(税別)の新サービスも誕生。居酒屋に一人で行くことはあまり考えられなかった人も、気軽に行けるようになりました。
中山さんは、「今まで一人で気軽にはなかなか居酒屋に行きにくかったと思うが、ここであれば一人の空間なので周りの目は一切気にせず、自分の世界に入っていただける。スマホでテレビ見ながらとか、ユーチューブ見ながらとかも可能。または、ネットでオンライン飲み会をする新しいスタイルも提案しているので、様々な方法で楽しんでいただけたら」と話しています。
取材協力
炭火居酒屋炎 南4条店(札幌市中央区南4条西5丁目5番地 備広札幌すすきのビル2階、電話011-219-4129、営業時間15時~22時(自粛要請解除後変更あり))