「にょろにょろ」をご存知ですか? 「氷筍」という言葉のほうがわかる方も多いでしょう。冬の洞窟内にたけのこ状に無数にできあがる氷の柱のことで、あのにょろにょろに姿形が似ていることから「にょろにょろ」と呼ばれ親しまれています。
この「にょろにょろ」、厳冬期に氷点下を迎える地域でしか生じない現象であることから、北海道は観察に適した環境が整っていると言えます。では、どこにいけば「にょろにょろ」に会えるのでしょうか。
北海道内では下記のスポットで大規模に確認されていて、一般の人がツアーなどを利用して気軽に行くことができるのは2箇所、プロ装備を要するのが1箇所、場所を公開できない場所が1箇所あります。一般的には、最後の1箇所を除く3箇所を、北海道三大にょろにょろ(氷筍)スポットと呼びます。
北海道三大にょろにょろスポット
- ツアー参加など
- 伊達市 大滝百畳敷洞窟
- 中頓別町 中頓別鍾乳洞
- プロ装備必須
- 登別市 登別カルルス鉱山跡
- 場所非公開
- 道南の巨大洞窟
それでは一つ一つご紹介しましょう。なお、詳細は各記事へのリンクを開いてご覧いただけますと幸いです。
伊達市 大滝百畳敷洞窟
道内で最もメジャーで知られているのがこちら、伊達市大滝区にある百畳敷洞窟です。大滝アウトドアアドベンチャーズによる一般向けのガイドツアーも実施されているため、初心者でも気軽に安心して行くことができるというのが魅力でしょう。
村では100年以上前から存在が知られており、村の宝とされてきました。出発地点から約40分、雪の中を進んで目的地を目指します。洞窟内に約5000本の氷筍(にょろにょろ)が発生し、圧倒されます。
この洞窟のにょろにょろは国内最大規模ではないかとされてきました。一般の人が行ける場所としては正しい表現ですが、後述するように、この規模を超える場所が発見されています。
中頓別町 中頓別鍾乳洞
道北の宗谷管内中頓別町にある中頓別鍾乳洞のある自然ふれあい公園は、夏季に一般開放されていて誰でも行くことができますが、冬季は閉鎖されます。そのため、そうや自然学校が実施する冬の鍾乳洞体験ツアーに申し込んで行くことになります。
スノーシューを履いて雪道を進んで鍾乳洞を目指すコースは、全行程約3時間。冬季は雪が入らないよう、鍾乳洞入口にはブルーシートをかけて保護しているといいます。夏も冬も訪れてその違いを体感するのも良いでしょう。
登別市 登別カルルス鉱山跡
登別市カルルス町にある旧カルルス鉱山坑道跡へは、一般に向けてツアーは実施されておらず、ベテランの登山家のガイドに頼って、冬山の本格的な装備をして向かうことになります。カルルス温泉サンライバスキー場から片道1時間半~2時間程度、雪を漕いで目的地を目指します。
坑道跡は大変危険であるため、立入禁止の看板が建てられています。厳冬期の坑道内には、50cmから3mに至るものまで、大小様々な氷筍(にょろにょろ)が見られます。
道南の巨大洞窟
一方、こちら道南にある巨大洞窟では、国内最大規模という知る人ぞ知るにょろにょろ(氷筍)が見られます。場所は公開されておらず、その道中や洞窟内は危険箇所もあるため、プロ装備をした上で、その場所を知る専門家と一緒に訪れることになります。
雪の中を進むこと約3時間。その巨大洞窟がポッカリと口を開けている場所に到着します。高さ約15m、幅約30mある洞窟内は先が見通せないほど広く、奥の奥まで人の背丈を有に超えるにょろにょろがびっしりと生えています。崩落危険がありますし、数年後は見られなくなるかもしれない場所ですが、北海道内にはこのような場所もあるということを知っておくのも良いでしょう。
北海道の冬ならではの自然景観を楽しもう!
以上、北海道内のにょろにょろ(氷筍)スポットをご紹介しました。ツアーが組まれていて誰でも気軽に参加できるものから、その場所が秘しておかれるところまであり、規模も様々です。厳しい冬の環境が作り出す自然の美を観察してみませんか?