数年前に北海道へと移住してきた筆者。移住前から、何やら北海道には「ちくわパン」なるものが存在するということは、47都道府県民の真実に迫る某テレビ番組で知っていました。しかし、そのおいしさは知る由もなく、ちくわパンという違和感のあるネーミングだけが記憶に残っていたのです。移住した後、ちくわパンとそれを売る店に、こんなにも虜になってしまうとは知らずに……。
札幌市民が愛してやまないパン
ちくわパンとは一体どんなものか、北海道に住む人以外は見当がつかないかもしれません。まずは見ていただきましょう。
▼これが噂のちくわパンだ!
パンの中にちくわが入っています。まさかと思ったでしょうが、その名の通りなのです。きっとこの写真を見た人は、ちくわとパンというトリッキーな組み合わせに驚くことでしょう。しかし、ちくわの穴をよく見てください。
▼断面はこんな感じ
穴の中に、何やら詰め込まれています。これ、実はツナサラダなのです。ツナサラダがたっぷり詰まったちくわとパンの相性は、想像以上にベストマッチ。ひと口食べると、パンに対する既成概念が覆されるはずです、いや、大げさではなく。そしてこのちくわパンを生み出したのが、札幌市民が愛してやまないパン屋さん「どんぐり」なのです。
▼札幌市白石区にあるどんぐり本店
どんぐりがオープンしたのは、1983年のこと。ちくわパンが誕生したのも、ほぼ同じ頃だったといいます。そのきっかけとなったのが、お客さんのアイデアでした。最初はちくわにチーズを入れたりきゅうりを入れたり、試行錯誤を重ねました。そうして最終的に行き着いたのが、自家製ツナサラダを詰めるという今のスタイルだったのです。
▼従業員のアイデアがどんどん商品に
ちくわパンを生んだ大胆な発想は、札幌市内に8店舗にまで広がった現在のどんぐりでも引き継がれています。正社員やアルバイトを問わず、従業員が考えた新しいパンのアイデアは、どんどん商品化されます。1年間で生まれる新商品は、全店舗併せて600個にも及ぶというから驚きです。
数ある商品のうち、ベスト5は?
▼種類が多くて迷わずにはいられない
どんぐりの店内に入ると、その種類の多さにまずは圧倒されます。
▼サンドイッチ系も捨てがたい
しかもどれもこれもおいしそうで、迷い箸ならぬ迷いトングになってしまうこと必至です。
▼それぞれの店舗で手作りしている
しかも、既にトレーに乗せていてもそれと同じパンが焼き上がれば、新しいものと交換してくれます。実はどんぐりはセントラル工場を持たず、すべての商品を各店舗で手作りしています。だからこそ店舗毎の新商品が次々と開発されるし、お客さんはその時いちばんおいしい状態のパンを買うことができるのです。
▼毎日でも通いたくなる、食べたくなる
それでは、そんな数あるどんぐりのパンの中から、人気商品ベスト5をご紹介しましょう。まずは第5位。
▼サクサクカレーパン(税込151円)
濃厚なカレーがたっぷり詰まった、サクサクカレーパンです。お腹が空いた時に、カロリーなんて気にせずがっつり食べたいところです。では、第4位は。
▼ミニクロワッサン(100g税込140円)
お得感のあるミニクロワッサンは、おやつにも最適。優しい甘さについつい2個3個と手が伸びてしまいそうです。それでは第3位。
▼ベーコンエッグ(税込189円)
とろりと溶けそうな半熟玉子には、もう誰も抗えません。そこにベーコンが加わって、これはもう最強タッグと呼んで間違いないでしょう。いよいよ、第2位は。
▼串ザンギ(税込275円)
なんとここでランクインしてきたのは、パンではなく串に刺さったザンギ。お客さんに喜んでもらうのが信条のどんぐりでは、パンにこだわらず、こうしたお惣菜も売っています。しかも人気があるというから、恐るべしどんぐり。それではお待ちかねの、第1位です。
▼ちくわパン(税込151円)
やはり強かった、ちくわパン。堂々の人気第1位は、やはりどんぐりの代名詞とも言うべきちくわパンでした。
どんぐりのパンは、食べておいしいのはもちろん、見た目にも食欲をそそります。ベスト5の写真を順番に見ていると、今すぐお店に駆け込みたくなった札幌市民もいるのではないでしょうか。これまでちくわパンを知らなかったという人も、札幌に旅行に来た際は、ぜひどんぐりを訪れてください。その後、もう一度この記事を読み返してもらえば、言わんとするところをより理解していただけるはずです。