周遊バス「セタプクサ号」運行開始!空港・ウポポイ・二風谷を直通で結ぶ

札幌観光バス株式会社(本社:札幌市清田区)は2020年10月以来、札幌・新千歳空港発着で平取・白老エリアを周遊するアイヌ文化拠点交流促進バス「セタプクサ号」を期間限定で運行しています。アイヌ文化を学べる2拠点を直通で結ぶ周遊バスとして、話題となっています。

アイヌ文化を学べる2拠点を繋ぐ周遊バス

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「セタプクサ号」は、同社が日高管内平取町からの委託を受け、アイヌ政策推進交付金事業「アイヌ文化拠点交流促進バス運行事業」として運行を開始するもの。

近年、北海道ではアイヌ文化への関心が高まっており、理解・交流を深める環境が整いつつあります。2020年7月には、胆振管内白老町に民族共生象徴空間「ウポポイ」がオープン。アイヌ文化を見て学ぶことができるのが白老町の特長であるとすれば、平取町二風谷コタンでは生活に根付き生業となっているアイヌ文化を体験して学ぶことができます。

白老町のウポポイ(民族共生象徴空間)
平取町二風谷コタン

運行開始した2020年時点で、アイヌを学べる両エリアを結ぶ直通の交通手段がまだなかったことから、同社は北海道の空の玄関口である新千歳空港と平取町・白老町を結ぶ周遊バスの運行を検討。期間限定での運行を開始しました。

「セタプクサ号」には添乗員の資格を持つバスガイドが同乗し、各地の見どころやポイントを案内します。案内の内容は、平取町民向けに観光ガイド育成講座を実施した実績のある社員が監修しています。

白老町、平取町はそれぞれ2時間滞在。白老町ではウポポイがメイン。平取町二風谷コタンでは、「匠の道」を歩きながら工芸作家の話を聴き手仕事を見学できるほか、伝統的工芸品「二風谷イタ」「二風谷アットゥシ」を見て触れて購入できます。平取町立二風谷アイヌ文化博物館では重要文化財900点以上を見学します。

到着時刻出発時刻行程
08:40札幌駅北口
09:4010:00新千歳空港
11:0013:00白老町ウポポイ(民族共生象徴空間)
14:3016:30平取町二風谷コタン
14:4015:30平取町びらとり温泉ゆから(希望者のみ)
15:4016:30平取町二風谷コタン
17:30新千歳空港
18:30札幌駅北口
運行期間2021年7月3日~10月17日の毎週土・日・祝日、各日1便運行
※9/23を除く(計36日)
旅行代金2,000円~(一人)
※バス代・バスガイド代含む
※2歳以下無料
※札幌駅発着の場合3,000円
定員15名/回
集合場所【札幌駅】北口東コンコース側団体待合所
【新千歳空港】国内線ターミナル JAL側 貸切バス待合所
問い合わせ
申込
札幌観光バス株式会社 ツーリズム営業部(TEL 011-206-0225)

アイヌ文様を取り入れた車輌デザイン

「セタプクサ号」という名称は、平取町に日本一のすずらん群生地があることにちなんで、アイヌ語で「すずらん」を意味しています。

2021年運行の車輛デザイン

ラッピングバスのデザインは、平取町二風谷で工芸品を手掛ける職人、貝澤守氏と髙野啓子氏のアイヌ文様を取り入れたコラボデザインとなっています。2021年バージョンとしてデザインが一新されました。

背景色はアイヌ民族の最も身近で尊い神「アペフチカムイ(火の神)」の炎をイメージした「あけ(朱または緋)」を採用しています。

木彫りの盆「二風谷イタ」の職人で、令和2年度「伝統的工芸品産業功労者等経済産業大臣表彰」の功労賞を北海道初受賞した経歴を持つ貝澤守氏はバスの左側半分のデザインを担当、刺繍「チカㇻカㇻペ」職人である髙野啓子氏はバスの右側半分のデザインを担当しました。

初日は札幌駅から10名、新千歳空港から2名、計12名が乗車。道外からの利用者が2名でした。初日は新千歳空港で出発式が行われ、平取町公式キャラクター ビラッキーが登場。乗客には初日限定の記念品が贈呈されました。

髙野啓子氏がデザインしたバス右側(2021年7月3日、提供:札幌観光バス)
貝澤守氏がデザインしたバス左側(2021年7月3日、提供:札幌観光バス)
出発式の遠藤桂一平取町⾧と平取町公式キャラクター ビラッキー(2021年7月3日、新千歳空港、提供:札幌観光バス)
出発式でテープカットする平取町長、札幌観光バス社長ら(2021年7月3日、新千歳空港、提供:札幌観光バス)
初日だけの乗車記念品贈呈のシーン。平取町公式キャラクター ビラッキー(2021年7月3日、新千歳空港、提供:札幌観光バス)

2020年運行の車輛デザイン

ブルーを基調としたラッピングバスのデザインは、平取町二風谷で工芸品を手掛ける2人の職人、貝澤徹氏と関根真紀氏のアイヌ文様を取り入れたコラボデザインとなっています。

木彫りの盆「二風谷イタ」などを手掛ける貝澤徹氏はバスの左側半分のデザインを担当、樹皮の機織り「二風谷アットゥシ」や刺繍の職人である関根真紀氏はバスの右側半分のデザインを担当しました。特に貝澤徹氏は、自身の作品以外にデザインを提供するのは初です。

2020年の運行は10月1日~11月5日までの月曜日を除く週6日、毎日1便を運行(31日間)。先着15名限定。発着は新千歳空港を基本としていますが、予約すれば札幌駅での乗降が可能です。2020年10月1日には新千歳空港で出発式が行われました。

貝澤徹氏がデザインしたバス左側(2020年10月1日、提供:札幌観光バス)
関根真紀氏がデザインしたバス右側(2020年10月1日、提供:札幌観光バス)
出発式で乗客へ記念品の贈呈を行う平取町公式キャラクター ビラッキー(2020年10月1日、新千歳空港、提供:札幌観光バス)
出発式でテープカットする平取町長、札幌観光バス社長ら(2020年10月1日、新千歳空港、提供:札幌観光バス)