「北の天文字焼き」3年ぶりに復活! 観光客も点火できる参加型イベントに

雪質日本一を誇る名寄市。本格的な冬を迎えるこの地でいまホットな話題は、冬のイベント「北の天文字焼き」復活である。この2年間やむをえない事情で休止していたが、市内外からの復活を望む強い声や企業の応援もあり、2014年2月、3年ぶりに復活することが決まった。

『見て育ったのになぜやめたの?』若い女性の言葉に心動かされ

同イベントは、1989年に名寄市内のまちおこし集団「助っ人」が呼びかけ、雪山に巨大な火文字を作ったのが始まり(「天文字」なのは、地図上で当時の道北の14市町村と天塩岳を結ぶと「天」の文字が浮かび上がる『北の星座共和国構想』に由来)。その後実行委員会が組織され、名寄の「郷土の火祭り」として続いてきたが、2012年は予算等の都合で開催は困難と判断、2011年まで23年間続いたイベントの休止が発表された。

しかし休止直後から、「体験出来て感動的なイベントだったのに……」など、市内外から復活を望む強い声が上がったという。横澤博実行委員長は、「特に、若い女性が発した『生まれた時からやっていた。私は天文字焼きを見て育ってきたのに、なぜやめたの?』という言葉に心を揺さぶられました」と振り返る。

このような強い声に押され、イベントの復活が前向きに検討されることになった。今年(2013年)2月には、元実行委員会の人たちや関わってきた人たちが集まって「『北の天文字焼き』を考える会」も開催、2014年開催に向けて本格的に動き出した。

一度止まってしまったイベントを再開させることはかなりのエネルギーがいるものだ。とはいえ、再開に向けた努力の結果、これまで支援協力してきた自衛隊、市役所、JR、北電、信金などの企業・団体の応援が決まり、新たに郵便局やJAなども参加する見込みが立ったという。市民運動が結実した復活劇であり、「このイベントのバトンを次世代に引き継いでいきたい」と横澤さんは話している。

60名の点火プレゼンターを一般募集―地元での交流も

「天翔る炎 北の天文字焼き 2014」は、2014年2月8日(土)18:00に点灯される。火文字が灯るのは、市内東側にあり街を一望できる雪山「太陽の丘」。薪やウェス等を入れたドラム缶約270個を配置し、実行委員や一般市民、観光客たちが、たいまつをリレーして火を入れると、縦220m、横150mの日本一の巨大な雪上火文字「天」が浮かび上がる仕組み。

天文字焼きはこれまで200人以上の人が山に登って点火していたが、今後は主として観光客に点火してもらい、火文字と花火を見ながらの「夜祭り」を、地域の人々との交流の中で同時開催する。

今回、点火プレゼンター60名を一般募集している。参加費用は点火証明書と食券付きで1000円(希望者には願木やポスターも進呈)。当日17:00に名寄東小学校正門玄関内に集合し、実行委員スタッフ30名とともに、一人当たり3~4個に点灯する予定。下山後は「見る集い」(天文字焼き 夜祭り)の特設会場(東小スノーランタン会場横)に移動し、冬の花火とともに火文字を鑑賞する。申し込みや問い合わせは、実行委員会事務局長長澤さん(090-8274-7848)まで。

横澤さんは、『ここ2年間休止していた「北の天文字焼き」が再び歩き始めます。是非イベントにおいでください』と話す。自分が点火したものがたくさんの人々に喜んでもらえる満足感、暗く寒い山が見事に明るく暖かい山に一変する感動を味わってみては。