距離は約20㎞!日本最大級の海岸草原「ワッカ原生花園」の楽しみ方

創立100周年を迎えた北洋銀行と、結びつきの強い道内主要都市の話題をお伝えする100周年連載。今回は北見市からお届けします。

道内でいちばん大きな湖、サロマ湖。砂嘴(さし)や砂州(さす)が発達して海の一部が閉じ込められてできた海跡湖です。サロマ湖の砂嘴の長さは、なんと25kmもあり、その東側には花園が広がっています。それが今回紹介するワッカ原生花園です。

日本最大級の海岸草原

ワッカ原生花園は、オホーツク海とサロマ湖を隔てる砂嘴に広がる、日本最大級の海岸草原です。面積は約700ha、東西の距離は20kmにも及び、幅は広いところで700mも! 1958(昭和33)年7月にサロマ湖などと伴に網走国定公園に指定され、2001(平成13)年10月には北海道遺産に選定されています。

▼砂嘴の左はオホーツク海、右はサロマ湖

ワッカ原生花園の「ワッカ」は、アイヌ語で「ワッカ・オ・イ」からきているのだとか。「ワッカ」とは「真水」を意味し「水の・ある・ところ」が由来なのだそうです。ワッカ原生花園西端の「ワッカの森」付近には真水が湧き出すところがあります。

オホーツク海もサロマ湖も塩水であるのに、この場所では真水が湧き出している不思議。この不思議な現象が、多くの動植物の繁栄を支えており、それはまさに自然が作り上げた奇跡の生態系なのです。

▼飲むことができる花の聖水「ワッカの水」

ここワッカ原生花園では、春から秋にかけて約300種類の花が咲き誇ります。春にはエゾエンゴサクやツルキジムシロ、ハマハタザオなど、夏にはエゾスカシユリ、エゾゼンテイカ、ハマナスなど、秋にはツリガネニンジン、ムラサキベンケイソウ、アッケシソウ(サンゴソウ)などが見ごろとなり、多くの観光客で賑わいます。

▼エゾスカシユリが咲き誇る夏のワッカ原生花園(写真提供:北見市常呂総合支所)

▼サンゴソウとも呼ばれているアッケシソウ。秋になると、海水の入る泥湿地で見ることができる(写真提供:北見市常呂総合支所)

観光馬車かレンタサイクルを利用して

ワッカ原生花園は、環境保護の観点から車両の進入が禁止されています。とは言え、歩いて回るにはあまりに広大。観光馬車「ドリームワッカ」に乗って見て回るか、レンタサイクルを借りることをおすすめします。ゆったりと回りたいなら「ドリームワッカ」。好きな場所を巡ったり、海岸べりに出たいならレンタサイクルがいいでしょう。

観光馬車「ドリームワッカ」もレンタサイクルも、サロマ湖ワッカネイチャーセンターで受け付けています。それぞれ運行時間や休みが異なるので、下記のワッカネイチャーセンターにお問い合わせください。

▼観光馬車「ドリームワッカ」

自然によって作られた広大な海岸草原は、そこに立つだけで人の力の到底及ばないダイナミズムを感じられるはずです。季節ごとに咲く花々はもちろん、野生のエゾシカやキタキツネの他、オジロワシなどの猛禽類に遭遇することも!

サロマ湖を訪れた際には、ぜひワッカ原生花園も予定のひとつとして取り入れてみてはいかがでしょうか。広大な自然に触れると、疲れた心も癒えるはず! ただ、見て回るには時間を要する広大さなので、余裕を持って計画をしてくださいね。

▼ワッカ原生花園から見た夕日

【動画】ワッカ原生花園を地上から、上空から

ワッカネイチャーセンター
所在地:北海道北見市常呂町字栄浦242-1
問い合わせ先:0152-54-3434
ところ街づくり合同会社(北見市指定管理者)
所在地:北海道北見市常呂町字常呂639-1
問い合わせ先:0152-54-1320
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北見市常呂総合支所
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