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鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

「鉄のまち」と言われている室蘭。小学校の授業でも習ったと思いますが、室蘭と言えば製鉄を連想する方も多いでしょう。そんな室蘭市を、まちのイメージである「鉄」を使って盛り上げていこうと取り組んでいる団体があります。室蘭市の現状と団体の取り組みについて取材しました。

「鉄のまち」の歴史

古くから鉄道が敷かれ、大きな港があった室蘭は、物資や製品の輸送などの面から、製鉄所を作るには最適の場所でした。1909年に、砂鉄と鉄鉱石との混合による日本最初の製鉄をはじめたのが輪西製鐵場、現在の新日鐵住金(株)です。

▼湾の向こう側に見えるのが新日鐵住金(株)の工場
鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

戦争時、製鐵・製鋼所は国の管理下で操業していましたが、1945年の空襲と艦砲射撃により室蘭は火の消えたような状態になってしまったと言います。

しかし、天然の良港を背景にいち早く平和産業に転換し、重工業地帯として復興の道を歩みはじめました。昭和40年代には人口が18万人以上になりましたが、産業構造の変化などにより、昨年(2016年12月末)には87,000人となっています。

そのような室蘭をなんとかしたい、という思いで町おこしをはじめた団体があるということで、話しを伺ってみることにしました。

復権のために立ち上がったNPO法人

2004年、「鉄のまち室蘭」の復権を願って地元若手有志が企画した、「鉄」を使ったものづくりイベント「アイアンフェスタ」が開催されました。このイベントでボルトやビスやナットを溶接して人形を作る体験コーナーを設けたところ、体験よりも人形に人気が集まり、人形は買えないのかという声がイベント後にたくさん寄せられたそうです。

そこで、この人形をイベントとして終わらせず、「鉄のまち」らしい土産品として何とかしようと立ち上げたのが、てつのまちぷろじぇくと(現・NPO法人テツプロ、以降テツプロ)でした。

▼ボルト、ナット、ワッシャーなどで作成されたボルト人形「ボルタ」
鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

室蘭工業大学の真境名(まじきな)准教授と工大生がデザインを考え、ボルトやナットでできた人形が製作されました。ボルト人形の名前は公募され、「ボルタ」と命名。テツプロは、「ボルタ」を作り販売するための「ボルタ工房」を市内輪西町にオープンさせました。

「ボルタ」のおもしろいところは、単にかわいいだけではなく、ひとつひとつにストーリーがあって、購入するとそのストーリーが読めるようになっていることです。ちなみに「ボルタ」は室蘭在住の10代の男の子だそう。

▼輪西町にあるボルタ工房
鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

▼ここでボルト人形「ボルタ」が製作販売されている
鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

最初は15種類でスタートした「ボルタ」ですが、毎月5種類ずつ増やしていき、今では130種類以上にまでなりました。ボルタ工房だけでなく市内の道の駅やホテルなどにも販売網が広がり、鉄を使った室蘭市の代表的な土産品として定着。全国的に注目されています。

「たたいてねじる鉄のキーホルダー」製作体験

ボルタ工房では、「ボルタ」を単に作って販売するだけではなく、もっと鉄に触れてもらおうということで製作体験もはじめました。「ボルタ」はビスを曲げてボルトやナットやワッシャーをハンダ付けして作るというもの。確かに人気が出たのですが、もっと鉄に触れて鉄を知ってほしいとテツプロは模索します。そこで、より本格的に鉄の製作体験ができるよう、「輪西八条アトリエ」をオープンしました。

▼輪西八条アトリエ
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ここでは、鉄を熱して叩き、それをねじってキーホルダーを作る体験ができます。その工程を紹介しましょう。

(1)3種類ある鉄の棒から、ひとつを選択します。

鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

(2)鉄の棒を900℃ぐらいまで熱します。

鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

(3)真っ赤になった鉄の棒をハンマーで叩いて伸ばします。鉄は冷えますので、熱して叩くという工程を3回ぐらい行います。

鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

(4)叩いて伸ばした鉄の棒をねじります。

鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

(5)好みの形になったら金ブラシでこすって磨きます。

鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

(6)最後に蜜ろうを塗ります。

鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

(7)これで、オリジナルキーホルダーの完成です。

鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

イニシャルを刻印するオプションがあったので、Mを刻印してもらいました。

▼お話しを伺ったテツプロ理事の三木真由美さんと輪西八条アトリエの須藤大介さん
鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

冷たくて固いイメージのある鉄ですが、熱することで形を変え、加工することで温もりを持つことを知ってほしいと須藤さんは話します。以前は夏休みだけのイベントとして実施していたキーホルダー製作体験ですが、昨年7月より年間を通して体験していただけるようになりました。

かつて「鉄のまち」として栄え、今また市民の思いによって再びその輝きを取り戻そうとしている室蘭。訪れた際には、ぜひ鉄に触れて「鉄のまち」を感じてみてください。

ボルタ工房
所在地:室蘭市輪西町1-32-6
電話:0143-47-8233
定休日:5~10月 月曜日、11月~4月 日曜日・月曜日
ボルタ製作体験:2,160円(要予約)
NPO法人テツプロホームページ
輪西八条アトリエ
所在地:室蘭市輪西町2-3-10
電話:0143-84-5510(受付ノールドデザイン)
たたいてねじる鉄のキーホルダー製作体験:1,200円(要予約)

取材協力:室蘭市役所、NPO法人テツプロ

北洋銀行室蘭中央支店(ムロランチュウオウ)

鉄のまち室蘭は「鉄」で盛り上げる!鉄の製作体験で復権目指すテツプロ

所在地:室蘭市海岸町1丁目4番1号
電話:0143-23-0123

筆者について

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。