これは放送できないかも?! 寿都町・若狭屋老舗の珍銘菓「む寿都こ」

北海道南西部、日本海に面した風の街として知られる寿都町。街のキャラクター「風太くん」で知る方も多いとおもいます。その寿都町にある老舗のお菓子屋さん「若狭屋老舗」で、静かに話題となっている銘菓があります。それが「しゃれ心 む寿都こ」。

インターネットで「若狭屋老舗」を調べると「わかさ屋いも」で有名という情報が確認できます。
「ん?」いろいろと好奇心をくすぐるお店のようです。早速取材へ行ってみることにしました。






寿都町の道の駅「みなとま~れ寿都」の近くにある「若狭屋老舗」。お店の看板に「寿都名物 わかさ屋いも」と出ています。やはりお店の看板菓子は、「わかさ屋いも」のようです。取材にはお店のご主人、若狭修二さんが対応してくれました。まずは本題の前に、ちょっと気になっていた「わかさ屋いも」についてお聞きしました。

若狭屋老舗と「寿都名物 わかさ屋いも」

誰もが思う質問、「わかさいも」とは関係があるのですか? そんな問いに「はい、うちが元祖になります」との答え。1909年(明治42年)に初代若狭屋の若狭源七が開業し、今の「わかさ屋いも」にあたるお菓子「やきいも」を製造発売。昭和の初め頃に商品名を「わかさいも」と改名しましたが、その後、他の会社と区別するため「わかさ屋いも」とさらに改名。

北海道内に似た商品を製造販売しているお店が多数ありますが、ルーツを調べると全てがここ寿都の若狭屋老舗にたどり着きます。「わかさ屋いも」は今年(2016年)で108年目、代々引き継がれた伝統ある名菓なのでした。ご主人の若狭修二さんはお店の4代目にあたるそうです。


店内の奥には、今までの歴史を物語る品が展示されているのですが、気さくに話してくれるご主人の話と相まって、自分がその時代を見てきたかのように感じられました。昭和の初めには、その当時にしては珍しく店舗の一階が菓子店、二階を喫茶店として営業していたとの事。当時から他の人とは違った感性を持っておられたのかもしれません。

寿都町出身の漫画家が発案した「む寿都こ」

今回の取材のメインである話題の銘菓、「む寿都こ」(むすっこ)についてお聞きすると、ご主人は笑いながら答えてくれました。

数十年前、お店でアルバイトしていた学生が冗談半分で作ったお菓子を商品化したもののようです。その学生というのは、寿都町出身の漫画家、本庄敬さん。前述した寿都町のキャラクター「風太くん」の作者でもあります。どうりで、お店の中には本庄さんのコミックスが多数置いてありますし、色紙も飾ってあります。というか、お店のマスコットキャラクターでもあります。

その本庄さん発案の「む寿都こ」。他の商品は透明な包み紙で中身が確認できるのですが、「む寿都こ」だけは中身を見ることができません。「これは是非、お家で開けて楽しんでください」とのご主人の言葉と、色々お聞きしたお話しの内容、お菓子の名前などから、だいたいの予想はつきます。

さらに、「あわび娘」というお菓子も発見。当然一緒に購入し、ワクワクしながらお店を後にしました。

「しゃれ心」なのです

帰宅後、すぐさま開けてみました。「!!」なんと言いますか、想像を超えていました。形に関して私が書くと、この記事自体がボツになるでしょうから控えます。中身が気になる方はお買い求め頂き、ご確認下さい。

味は「わかさ屋いも」と同じです。
「わかさ屋いも」は、昔「やきいも」という名前だったように、色、形、味ともに焼き芋な感じです。
他店の「わかさいも」と比べると焦げ目はなく、色はより濃い黄色とオレンジ色が混ざった練り物のような感じで、中身は色の濃い黄色、焼き芋の「紅あずま」を模したような感じでしょうか。味は甘く感じられ、手作りというのがとてもよく感じられます。

▼こちらが「わかさ屋いも」。味は同じ。

デリケートなお菓子ですので、刺激を与えて形が変形したり、中身が飛び出したりしないよう、
持ち運びもそうですが、包みを開けるときは、そ~っと優しく扱ってください。(笑)

▼あわび娘の表と裏





名前を見た瞬間に即決購入を決めた「あわび娘」は、「つぶあん」と「白あん」が入った最中です。
若狭屋老舗のご主人は「む寿都こ」と「あわび娘」をセットで購入される方が多いと言っていました。
あの場で見つけたら、そうなるでしょうねぇ……。(笑)

お菓子自体は手作りの味を堪能でき、美味しく色々な意味で楽しく頂けるお菓子です。
私的な意見ですが、これからの季節は冷やして食べると、さらに美味しく頂けますよ。

む寿都こ 600円/5個~
あわび娘(つぶあん、白あん) 各120円~
わかさ屋いも 550円/5個~
わかさ屋いも+いもの天セット 230円/1セット~

若狭屋老舗
所在地:北海道寿都郡寿都町大磯町86
TEL:0136-62-2033

2016年6月10日:「む寿都こ」の包み紙を開けたあとの写真は、買ってからのお楽しみということで、店主からの要望により削除しております。中身が気になる方はぜひお買い求めの上お確かめください。