市民も名物と気づいていなかった旭川のソウルフード「新子焼き」とは?

旭川に行ったら「旭川ラーメン」もいいけど「新子焼き」も食べないとね、という話を聞いたのは昨年のことでした。調べてみると「旭川名物『新子焼き』の会」という団体があり、この「新子焼き」をピーアールしているようです。

「新子焼き」っていったい何? さっそく「旭川名物『新子焼き』の会」にお話を伺ってきました。

旭川市民は名物だと気づいてなかった!?

「新子焼き」とは、若鶏の手羽を含めた半身を焼いたもののことだと教えてくれたのは「旭川名物『新子焼き』の会」事務局の久保竜弥さんです。この「新子焼き」は、最近作られたB級グルメ料理ではなく、戦後誕生した旭川のソウルフードなのです。

なぜ若鶏の半身焼きが「新子焼き」という名称になったのかお聞きすると、由来は魚の「コハダ」だと教えてくださいました。

「コハダ」は出世魚で、いちばん小さい頃に「新子」と呼ばれているのは誰もが知っています。そこから派生して、ほかの魚や新人などのことも新子と呼ばれることがあります。旭川では以前から親鳥を焼いたものを山賊焼き、若鶏を焼いたものを新子焼きと区別していたことから、この名前が定着したのだそうです。

▼「旭川名物『新子焼き』の会」事務局の久保竜弥さん

歴史ある「新子焼き」がこれまで知られてこなかったのは、旭川市民が「新子焼き」が旭川だけのものだと気づいてなかったから。焼き鳥屋さんなどで普通にメニューに載っている一品だったので、旭川以外でも食べられているものだと思っていたのです。

旭川を出て、何気なく「新子焼き」の話をすると「何それ?」と聞かれたり、地方から来たお客さんに「新子焼きって何?」と聞かれることが多かったので、調べてみると旭川にしかないものだと知ることになりました。

そこで「新子焼き」を旭川の名物として世に知ってもらおうと有志を募って立ち上げたのが「旭川名物『新子焼き』の会」なのです。会に参加しているお店は10店で、応援してくれている賛助会員は4企業です(2017年3月1日現在)。

2014年7月には、4月5日を「新子焼きの日」とすることが日本記念日協会(http://www.kinenbi.gr.jp/)によって認定されました。それを受けて、4月は「新子焼き月間」として、「新子焼き」を割引したり、景品を配ったりしています。

このように最近認知度がアップしてきている「新子焼き」をさらにピーアールし、「新子焼き」で旭川の活性化に少しでも繋げたいという思いで、「旭川名物『新子焼き』の会」は活動を続けています。

▼若鶏の半身を焼く「新子焼き」、味付けは自由なのだそう

お店ごとに多彩な味が楽しめる

ここで「新子焼き」を食べられるお店を紹介しておきましょう。もちろん「旭川名物『新子焼き』の会」に参加されているお店です。

焼鳥専門 ぎんねこ

「旭川名物『新子焼き』の会」事務局の久保竜弥さんのお店です。創業は1950年(昭和25年)で久保さんが3代目になります。「新子焼き」は、生の道産伊達鶏を炭火でじっくり焼き上げたもの。創業以来、継ぎ足してきた秘伝のタレは熟成された絶妙なうまさです。

所在地:旭川市5条通7丁目 5・7小路ふらりーと
電話:0166-22-4604
営業時間:13時~22時
定休日:月曜日
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イタリアンバール ピッカンテ

イタリアンを提供するお店らしく、おしゃれな「新子焼き」を提供しています。鶏肉を低温の油で3時間煮込み、焼き色を付け、1日塩とハーブのマリネに漬け込むという手間暇をかけた「新子焼き」。バルサミコ酢の酸味が利いたタレと道産生鶏の甘さが絶妙にマッチしています。

所在地:旭川市3条通8丁目 3条ビル1F
電話:0166-27-2272
営業時間:月~木18時~24時30分 金・土・祝前15時~翌3時
定休日:無休

旬肉と旬菜 とはち

厳選された良質なお肉、採れたての地元産野菜、とにかく「旬」にこだわる肉料理店です。「新子焼き」は自家製炭火焼きのタレが絡められていて、ポテトと温泉卵が添えられています。はじめはそのまま、後からは温泉卵を絡ませて味の変化を楽しめます。

所在地:旭川市5条通9丁目1163-1 コスモビルB1
営業時間:11時~14時30分 17時30分~22時
定休日:日・祝日
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居酒屋 いさお

道産生鶏を備長炭で焼いた、ふわふわの胸肉とジューシーなもも肉。70年続く伝統の濃いめタレを塗って焼く、照り焼きタイプの「新子焼き」が自慢です。

所在地:旭川市3条通15丁目
電話:0166-23-9052
営業時間:16時半~23時
定休日:第1日曜日

三代目 かん太郎

生の道産伊達鶏を使用した「新子焼き」は、お店の人気ナンバーワンメニュー。1947年(昭和22年)の創業から継ぎ足してきたタレとの相性は抜群です。

所在地:旭川市3条通13丁目右1
電話:0166-22-5244
営業時間:17時30分~24時30分
定休日:日曜日
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焼き鳥とおばんざい 鳥忠(とりちゅう)

備長炭で焼く中札内産の生鶏はとても新鮮。食べる時に甘辛いタレをつけるスタイルで、醤油ダレ、マヨネーズなど味の変化を楽しめます。

所在地:旭川市2条通2丁目276-3
電話:0166-29-2911
営業時間:17時30分~23時
定休日:不定休

焼鳥 らんまん

1946年創業。柔らかな道産伊達鶏をじっくり炭焼きにしています。甘さ控えめのあっさりタレは肉の旨味がよく分かる、バランスの良い組み合わせです。

所在地:旭川市5条通7丁目 5・7小路ふらりーと
電話:0166-23-7712
営業時間:17時~23時
定休日:日曜日

とり直(なお)

道産知床鶏の生肉を、タマネギ汁を加えたほのかに甘いタレを塗りながらじっくりと焼いた「新子焼き」です。ウバメガシの備長炭で焼くというこだわりぶりです。

所在地:旭川市神楽岡15条4丁目
電話:0166-66-0917
時間:17時~翌1時
定休日:火曜日

吉鶏亭(きっちょうてい)

知床鶏の生肉の旨味を閉じ込めながら、しっかりと焼き上げています。ザラメが利いた香ばしいタレも魅力。ナイフとフォークで召し上がれ。

所在地:旭川市大町2条3丁目
電話:0166-55-3317
時間:17時~24時
定休日:火曜日

とり丸亭

北海道伊達産の生肉を醤油を使わず、塩ダレにつけ込んで焼き上げるのが特徴です。ジューシーな肉との相性も良く、さっぱりとした味わいです。

所在地:旭川市永山4条10丁目
電話:0166-47-8869
時間:平日11時30分~14時 17時00~21時(土・日は中休みなし)
定休日:月曜日、イベント出店時

「新子焼き」と言っても、店によってさまざま。いろいろな「新子焼き」を食べ比べてみるのも楽しいかもしれません。ワイルドな見た目と繊細な味わいのギャップをご堪能あれ。

旭川名物『新子焼き』の会事務局
電話:090-7645-9992(久保)
メール:info@shinkoyaki.com
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※2017年3月14日:新子焼きのルーツや命名の由来について一部表現を訂正いたしました。