北海道くらし百貨店が澄川麦酒とコラボしてクラフトビールを開発

北海道の良品を集めたセレクトショップ「北海道くらし百貨店」(運営:株式会社サッポロドラッグストアー、本社:札幌市)は2021年5月以降、澄川麦酒(札幌市)とコラボレーションしたオリジナルクラフトビールを開発・販売してきました。北海道の美味しいクラフトビールをもっと日常で楽しんでもらいたいとの思いで、クオリティを追求して誕生したクラフトビールは数量限定品。「見つけたら迷わず買ってほしい」と呼び掛けています。(トップ写真:第一弾「EZOヴァイツェン」(提供:サッポロドラッグストアー))

2021年に相次いで発売したクラフトビール

第一弾「EZOヴァイツェン」(提供:サッポロドラッグストアー)

北海道くらし百貨店がオリジナルクラフトビールとして発売したのは、2021年5月のこと。オリジナルクラフトビール第一弾「EZOヴァイツェン」を企画・販売して「EZOシリーズ」はスタートしました。

コンセプトは「北海道の自然のように気持ちの安らぐビール」。北海道は屋外でビールを楽しむ習慣が多くあり、北海道の広い空の下でビールを飲む爽快感をクラフトビールで楽しんでほしいとの思いが込められています。また、無濾過非加熱製法にこだわっています。

第一弾「EZOヴァイツェン」

第一弾「EZOヴァイツェン」(提供:サッポロドラッグストアー)

第一弾「EZOヴァイツェン」は、グレープフルーツのような香りと小麦のコク・まろやかさが楽しめるビール。コクがありながらも爽やかな香りが特徴で、一般的なビールよりも苦みをあえて抑え、誰でも飲みやすいように後味が軽やかなビールに仕上げました。

(※第一弾商品は現在販売終了しています。)

第二弾「EZOセゾン」

第二弾「EZOセゾン」(提供:サッポロドラッグストアー)

第二弾「EZOセゾン」は、澄川麦酒のアメリカンセゾンを参考に、アルコール度数を5%下げてごくごくと飲めるように開発。柑橘系で、ドライで、キレのあるビールです。第二弾は6月上旬にクラウドファンディングで先行販売、7月下旬に北海道くらし百貨店やサツドラ一部店舗の店頭に並びました。

(※第二弾商品は在庫がなくなり次第販売終了します。)

第三弾「EZOイエロー」

第三弾「EZOイエロー」(提供:サッポロドラッグストアー)

第三弾「EZOイエロー」は、ホワイトエールというスタイルのビール。小麦ベースのビールで、コクがあり、甘みも感じられるような味わいに仕上げています。イエローという名は、副原料にレモンを使用しているから。小麦のまろやかさとフルーティーで爽やかな香りが絶妙にマッチしています。2021年8月下旬にクラウドファンディングで先行販売を行い、10月上旬に北海道くらし百貨店やサツドラ一部店舗の店頭に並びました。

クオリティを常に大切に醸造する「澄川麦酒」

第一弾「EZOヴァイツェン」(提供:サッポロドラッグストアー)

北海道くらし百貨店がクラフトビール開発にあたりタッグを組んだのは、札幌の澄川麦酒。

澄川麦酒株式会社の代表取締役で醸造責任者の齋藤泰洋さんは、2011年以来クラフトビールを楽しめるバーを札幌市内で経営してきましたが、2014年以降に世の中にクラフトビールブームが到来すると、それまでは入手が容易だったビールがどんどん手に入らなくなり、それならば、と自家醸造を思い立ちます。しかし醸造所と立ち上げるには数千万円から数億円の資金が必要とされていた当時、その初期投資を画期的に下げることに成功した石見麦酒との偶然の出会いから即座に弟子入り、2018年4月に醸造を開始しました。

澄川麦酒が大切にしていることについて齋藤さんは、「原料をケチらず、どんなにお金がかかっても美味しいものを作るようにしています。1回あたり、大手の10分の1にあたる350本ほどしか作れませんが、その分、多くの種類を作ることができる・・・・・・それを強みにしています」と語ります。

4年目を迎えた澄川麦酒では、副材料を使ってシーズンごとのオリジナルビールを世に送り出してきました。その数は、年間約150種類、計400種類にも上ります。

ビールファンを唸らせてきた澄川麦酒は2019年、日本ビアジャーナリスト協会の「あなたが推したいブルワリーはどこ?」で9位に選出。じわじわとファンを拡大しています。

互いに相乗効果を期待

第三弾「EZOイエロー」(提供:サッポロドラッグストアー)

そんな澄川麦酒のクラフトビールに魅せられたのが、北海道くらし百貨店の担当者。

「クラフトビールが大好きで澄川麦酒の店舗に通っています。北海道くらし百貨店でも2020年に道内のクラフトビールの取り扱いを始め、お客さまにも支持されている状況の中で澄川麦酒さんに『OEMでオリジナルクラフトビールを作りたい』と話を持ちかけたところ、小ロットで対応していただけることになり、コラボが実現しました」と振り返ります。

「北海道のクラフトビールは、道民の間では一部のファンに届いているがまだまだ浸透はしていない」との思いで両者が合致。タッグを組むことで北海道産クラフトビールの認知拡大が期待できるといいます。

第三弾「EZOイエロー」(提供:サッポロドラッグストアー)

「お互いのファンにお互いのことを知ってもらえます。澄川麦酒さんにもコアなファンがいて、サツドラに買いに来てくれます。応援してくれますし、澄川麦酒を知ってもらい、クラフトビールそのものに興味を持ってもらえます。また、ものづくりのスペシャリストとコラボすることで商品のクオリティも上がります」と担当者。

一方、澄川麦酒の齋藤さんも「サツドラさんの店頭に並ぶことで、いろいろなお客さまの目に触れられるのが最大のメリットです。また、『サツドラさんに置いているならうちにも置いてよ』と問い合わせが増え、販路が広がりました」と話します。現在では、商業施設やスーパーのお酒コーナーに置いてもらえることが増えたようです。

同じものは二度とない。希少価値の高いクラフトビール

第一弾「EZOヴァイツェン」(提供:サッポロドラッグストアー)

第一弾の発売以降、矢継ぎ早にクラフトビールを生み出してきた北海道くらし百貨店と澄川麦酒。北海道くらし百貨店×澄川麦酒のクラフトビールは企画から約1ヶ月という早さで製品化されます。クオリティを追求していながら量販店の店頭に並ぶまでのスピード感に驚かされます。

「一人でも多くの方に、気軽にクラフトビールを手にしてほしい」と担当者。齋藤さんは、「小ロット生産なので希少価値が高く、同じものは二度と出ません。今度はないかもしれませんので、見つけたら迷わずすぐに買ってください」と呼び掛けています。