野菜好きの店長が19歳で始めた、札幌市内初のサラダ専門店「キヨハチ チョップドサラダ」がじわじわ人気です。1号店オープンから1年以上たった2021年10月には、3号店を円山にオープン。1日に必要な野菜350gを摂取できる15種類のサラダ、10種類のレモネードを提供するほか、サラダに合う自家製パン「ヒルシカナイパン」の提供も始めました。
19歳でサラダ屋を始めたワケ
「キヨハチ チョップドサラダ」を運営するのは、株式会社野菜のさくら屋(本社:札幌市)。ブランド名の「キヨハチ」は、同社社長 藤川欽三さんの祖父の名前からとりました。
ブランドマネージャー 兼 店長を務めるのは、小島寧音(ねね)さん。小島さんはコロナ禍で自分に何かできることがないかと考えていましたが、もともと野菜好きだったことから、サラダに着目。海外では主流となってきているものの札幌にはまだサラダ専門店がなかったこと、健康を意識する人が増えていること、コロナ禍で影響を受けた生産者の力になりたいとの思いから、飲食店経験があるプロデューサーの澤田亮さんと一緒に「キヨハチ チョップドサラダ」を設立しました。
1号店は、構想から約40日間でオープンしたという「元町本店」(2020年7月9日)。2021年3月6日に「札幌菊水店」を、10月8日には「円山裏参道店」をオープンしました。
1皿で1日分の野菜を摂取できるサラダは15種類
同ブランドでは、「サラダを食べる日常を創りたい」との思いから、サラダを一皿で楽しめるサラダ専門店を目指しています。
メインとなるのは、彩り豊かなサラダ。1ボウルで1日に大人が必要とする野菜350gを摂取できます。野菜を細かくカットしているだけなので、野菜ジュースなどの加工食品では一部失われてしまうデリケートな栄養素がしっかり摂取できるといいます。
13種類のサラダメニューに日替わりサラダを加えて全15種類。一番人気で、小島店長おすすめの一品は、「SB SALAD(エスビーサラダ)」(1,480円)。サラダで美を追求する女性におすすめしているサラダで、美に特化した20種類以上の食材(野菜、豆類、フルーツ、豆腐、モッツァレラチーズ、根室の無農薬卵など)をカットして入れ、塩レモンドレッシングをかけています。
サラダの命でもある「食感」を出すため、野菜の切り方を工夫したり、ベストな野菜の組み合わせの研究を日々行っているといいます。野菜は産地・日によって味が変わるので、日々味を調整。また、細かいカロリー計算をしており、メニュー表にもカロリーが記載されています(「SB SALAD」の場合512カロリー)。
サラダメニューはこのほか、スチームチキンが入っていて男女問わず人気の「DOWNTOWN COBB(ダウンタウンコブ)」、レタスやアボカドなどグリーン一色の「GREEN SALAD(グリーンサラダ)」、ビーツやイチゴを中心とした数量限定「STRAWBERRY SALAD(ストロベリーサラダ)」、キーマカレーが入ったカリーサラダ「MEXICAN KINGS(メキシカンキングス)」などがあります。
ドレッシングは、新篠津村つちから農場から直送されたタマネギ「ねを」を使用した自家製。通常のタマネギと比較して20%ほど甘みが強いのが特徴です(中心糖度は約12度)。こうした北海道の生産者が作った野菜を積極的に取り入れていることも「キヨハチ チョップドサラダ」の強みです。
SDGsの取り組みとして、日本初となる地球にやさしい代替肉を製造するネクストミーツとコラボした「地球を終わらせないサラダ」を販売。コラボサラダ1つにつき10円を海洋プラスチック削減のための取り組みに寄付されます。また、マイボウル持参で、無料トッピングサービスも行っています。
レモネードや「ヒルシカナイパン」も
レモネードは10種類展開しています。レモンを丸ごと皮ごと1個分使用し、ハチミツとハーブを加えて一週間熟成させたレモンジュースで、「フレッシュソーダ」のほか、「ストロベリーソーダ」「サングリアソーダ」も人気です。月曜日限定で、レモネードを一つ購入するともう一つレモネードがついてくるサービスも提供しています。
円山店舗では、北海道産小麦ゆめちからを使用したミニ食パン「ヒルシカナイパン」の提供も始めました。名前の通り15時までの提供です。いずれもサラダに合うように開発されたパンで、店舗で丁寧に焼き上げます。プレーン(250円)、カフェオレカスタード、チョコカスタード、つぶあん(各280円)の4種類。
店長が心を込めて書いた温かいメッセージカードが好評
デリバリーサービスで購入すると、小島店長が心を込めて書いたメッセージカードを同封しています。こうした工夫により、デリバリーサービスのリピート率は58%と、平均の2倍以上の数値を誇ります。テイクアウトで購入した場合も、小島店長手書きの新聞を配布しています。小島店長は「お客さんとの温かい会話も大切にしている」と言います。
サラダを中心とした「キヨハチ チョップドサラダ」は、1号店オープンから1年以上経過し、評判も上々。忙しいサラリーマン、主婦などに親しまれ、週5ペースで訪れるリピーターもいるといいます。元町本店では男性客が全体の1割から3割に上昇。サラダ専門店が幅広い層に浸透しています。
中には、当初想定していなかったこととして、医者が患者に「キヨハチ チョップドサラダ」を推薦する事例もあるそう。「病気の方をプラスにできるのは感慨深い」と澤田さん。「ジャパニーズサラダを海外の人に食べてもらいたい」と将来のビジョンを語ります。
店舗 | 住所 | オープン |
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元町本店 | 札幌市東区北22条東16-1-34 | 2020年7月9日 |
札幌菊水店 | 札幌市白石区菊水1条1-3-23 | 2021年3月6日 |
円山裏参道店 | 札幌市中央区南1条西22丁目2-10 | 2021年10月8日 |