空知管内栗山町郊外にある、和牛繁殖畜産農家が営むファームレストラン「菅野牧園(かんのぼくえん)」。自家産牛肉100%の牛肉料理、自家製天然酵母パンや近隣農家の新鮮な食材を、牧歌的な景観とともにいただけるのが特長です。特に女性からの支持が多いという「菅野牧園」の魅力に迫ります。
黒毛和牛経産牛のお肉のおいしさを伝えたくて
2014年11月に栗山町御園でスタートした「菅野牧園」では、黒毛和牛の繁殖を行っています。母牛を飼育し、9~10ヶ月まで育てた子牛を肥育農家に買い取ってもらいます。役目を終えた母牛は、そのほとんどがお肉になります。
経産牛は、肉用に肥育された牛よりサシが入っていない赤身中心の肉なので、市場では高く評価されないそう。でも、年齢を重ねた牛の肉は味が濃く、草を中心に食べて育っていることから健康ですし、赤身中心なのでヘルシーという利点があります。
オーナーの菅野義樹さんは、自分たちが大切に育てた母牛への感謝の気持ちを込め、自家産牛肉のおいしさを直接伝えたいとの想いから、2018年10月にファームレストランをオープン。自家産牛肉100%の牛肉料理をメインに、近隣農家の新鮮な食材とともに提供しています。
脂の質が違うから食べやすい
ファームレストラン菅野牧園では夏季ランチタイム限定で、自家産牛肉を使ったハンバーグ(150g)や、牛肉肩ロースを赤ワインでじっくり煮込んだ牛肉赤ワイン煮(100gまたは150g)のセットを提供しています。いずれも経産牛のお肉の特徴である味の濃さを楽しめる料理です。今回は、ハンバーグセット(1,600円)をご紹介しましょう。
ハンバーグと一緒に出てくるのは、季節のスープと長沼町産小麦粉を使った自家製天然酵母パン、サラダ、季節の野菜オーブン焼き、ピクルス、ごはん。
野菜は近隣の農家の野菜や自家製野菜を使っており、彩り豊かです。季節によって変わりますが、取材時はアスパラ、イモ、パプリカ、ピクルスにはメロン農家の摘芽メロンを使用。アスパラのポタージュには、種芋農家が多いことから越冬した甘みのあるじゃがいもやたまねぎを使い、アスパラの皮もトッピング。
メインの和牛ハンバーグは、ジューシーさが感じられるお肉です。脂の質が違うからサラッとしていて胸焼けしないのが特長です。実はこの脂を使って野菜を揚げたり炒めたりしているそう。物足りない方には、プラス400円でハンバーグダブルにすることができるので、お試しあれ。
本日のデザートセット(300円)も季節により変わりますが、例えばこちらは、いちご「すずあかね」とルバーブをふんだんに使ったアイスで、甘味と酸味を感じる一品。
調理場に立つのは、奥さんの菅野美枝子さん。菅野さんにお子さんがいることもあり、こどもとのシェアOKだったり、こどもサイズのジュースを提供していたりと、子連れでも行きやすいレストランになっています。
ファームレストラン菅野牧園のもう一つの魅力は、南西方向に大きく開かれた窓。なだらかな丘の上に位置しているため、広い畑を見ながらお食事をいただくことができます。晴れていれば50km離れた樽前山も見えるとか。こうしたロケーションの良さも菅野牧園の魅力の一つです。
北海道らしい景観とともに楽しむ、黒毛和牛の牛肉料理、地元の新鮮な野菜。あなたも一度いかがですか?
所在地:夕張郡栗山町御園170
電話:070-3928-3782
営業日時:木・金曜日。ランチタイム11時30分~13時30分L.O.、喫茶は14時から16時(L.O.15時30分)。不定休あり、冬季休業