圧倒的な開放感の中、溜まっていた何かを広い宇宙に向かって放出する快感。いや、そんな大それた話じゃなく、用を足すというだけの話なのですが。問題なのは、その用を足す環境です。冒頭に書いたような、開放感に包まれる場所を見つけちゃいました。札幌にあるJRタワー展望室の男性用トイレは宇宙に繋がっていたのです。
最初はちょっと照れるけど
いや、なに、たいそうな書き方ではじまってしまいましたが、単にJRタワー展望室の男性用トイレは2面がガラス張りになっていて、札幌の街並みが見渡せるってな話なわけでありまして。
▼JRタワー38階の北東角にある男性用トイレ
「圧倒的な開放感の中、ほっと一息つける、国内では他に例のない空間」は、今から14年前に作られました。都心なのにまわりに高い建物が少ないという札幌の特徴、特に北東方向は近くに高層ビルがない方向で、目線があったりする可能性がないことなどがこのトイレが作られた理由のひとつなのだとか。ちなみに現在でも高い建物はありません。
▼天候がよければ遠くに石狩湾まで見ることができる
このトイレをデザインしたのは実は女性なのだとか。「展望室をおもしろいものにしたかった。自分たちの住んでいる街を感じてもらい愛着を持ってもらう絶好の場所なのでは」という考えからこのようなトイレができたのだそうです。
「なぜ男性用だけで、女性用はガラス張りにしなかったの?」とよく聞かれるそうですが、女性がガラス張りのトイレを望んでいるのか、本当に外が見たいのか、それよりもトイレで過ごす時間の半分は鏡を見ているのではないか、などという意見から女性用トイレはガラス張りにしなかったのです。
▼夜景の美しさを堪能しながら快適な時間を
シンプルかつ洗練された空間で、楽しさと安らぎを感じるように配慮されているというこのトイレ。見るためだけに入ってもいいですし、本当に用を足すのもOK。っていうか、用を足してください。最初はちょっとドキドキしますが、その開放感がクセになること間違いありません。