札幌市円山動物園に、待ちに待ったゾウがやって来ました! 2018年11月30日、亜熱帯のミャンマーから氷点下の新千歳空港へと到着した飛行機に乗っていたのは、4頭のアジアゾウ。どんなふうに運ばれてきたのか、健康状態はどうなのか、これからどんな生活を送るのか、気になるところを聞いてきました。
(トップ写真:左からメス5歳、メス27歳、メス15歳。写真提供:円山動物園)
ゾウを円山動物園に迎えるために
▼完成したゾウ舎の外観
円山動物園にゾウがいたのは、もう11年も前のこと。2007(平成19年)にゾウの花子が亡くなり、以来、札幌市民からは熱い要望が絶えませんでした。そこで円山動物園は2014(平成26)年にゾウ導入の方針を策定。翌2015(平成27)年にはミャンマー政府との動物相互寄贈プログラム覚書の調印を果たし、2017(平成29)年にゾウ舎の建設を開始します。
▼屋内からも観察できる
ゾウ舎が完成したのは2018(平成30)年9月のこと。いよいよ、ゾウを迎える準備が整いました。
▼ゾウが暮らす場所も広々
一方、ミャンマーでも日本へ送られる候補のゾウが、ゾウ舎完成の1年前に既に決定していました。15歳の雌、27歳と5歳の雌の母子、そして10歳の雄の全4頭です。4頭は別々のキャンプ地にいましたが、候補となってからは同じ場所で仲良く暮らしてきたといいます。
▼新しいゾウ舎には深いプールも
そうして、いよいよ4頭が日本へと旅立つ日が来ました。よく訓練され、人にも慣れたゾウたちは、特に興奮したり怯えたりすることもなく、事前に練習していた通りにコンテナの中へすんなり入っていったようです。ゾウたちの落ち着いた様子は、ぜひ現地の動画でご覧ください。
【動画】11月29日、ミャンマー現地にて(資料提供:円山動物園)
ついに、ゾウが北海道へ到着!
▼飛行機から降ろされるコンテナ
2018年11月30日午後3時15分頃、新千歳空港に飛行機が降り立ちました。ゾウを乗せた特別チャーター便の貨物機です。必要な手続きを経て、1時間後、いよいよゾウの入ったコンテナが機体から出されます。
▼気になるゾウの様子は?
ゾウたちはおやつのサトウキビなどを食べながら、機内でも大人しく過ごしていたといいます。飛行機から降ろされたコンテナは温かい場所に移動し、検疫を受けるなどの手続きを行いましたが、暴れることもなく、外から見ると「本当にゾウが入ってるの?」と思うほど落ち着いた様子でした。
▼一緒に来日したミャンマーのゾウ使い
ミャンマーからは、2人のゾウ使いが同行しました。これから12月23日頃まで、ゾウが日本で暮らすための訓練を日本のスタッフと共に行っていくのだそう。
▼トラックに載せられ、陸路、動物園へ
検疫が終わると、いよいよ円山動物園へと出発します。コンテナは大型のトラックに載せられ、高速道路を使って約1時間で札幌市内の動物園に到着です。もちろん、ゾウたちが寒くないようにコンテナは何重ものシートですっぽりと覆われます。
▼空港を後にするトラック
こうして、夜9時前には円山動物園に到着しました。動物園内でのゾウたちは、新しいゾウ舎に入っても変わらず落ち着いた様子で、舎内をゆっくり探索したり、食事したりと、思い思いに過ごしているようです。そんなゾウたちの姿が、さっそく円山動物園から届きました。
▼雄10歳・2.5トン(写真提供:円山動物園)
▼左から雌5歳・1.5トン、雌27歳・3トン、雌15歳・2.5トン(写真提供:円山動物園)
ミャンマーからゾウたちに同行した円山動物園の加藤修園長は「みんな目が澄んでいて、いいゾウたちです」と語ります。
▼加藤修円山動物園園長
「これからゾウたちが環境に慣れ、飼育員に慣れるように、トレーニングをしていきます。なるべく早くみなさんに公開できるよう、ゾウの様子を見ながら、時期を見極めていくつもりです」(加藤園長)
ゾウ舎オープンは、2019(平成31)年の春頃になりそうとのこと。その頃には、きっと円山動物園を我が家として悠々と暮らす、4頭のゾウの元気な姿が見られるはずです。
▼円山動物園園内マップ(資料提供:円山動物園)
所在地:札幌市中央区宮ヶ丘3番地1
電話:011-621-1426
FAX:011-621-1428
営業時間:3月1日~10月31日:9時半~16時半(最終入園16時)、11月1日~2月末日:9時半~16時(最終入園15時30分)
休園日: 第2、第4水曜日(祝日の場合は翌日)4月第3週の月曜日~金曜日、11月第2週の月曜日~金曜日、12月29日(金)~31日(日)
料金: 大人600円(中学生以下無料)
公式サイト