【網走市・大空町】「タンチョウといえば、釧路湿原」、そして「気軽に見るなら『鶴居・伊藤サンクチュアリ』の給餌場を狙え!」と以前の記事でもご紹介していますが、このタンチョウ、オホーツク海側の網走市でも見ることができるという情報を得て、このたび網走市内を探査しました!(※上写真はイメージ(釧路市))
網走湖呼人半島は果たして?
最初に行ったのは、タンチョウ出現スポットと情報を得ていた網走湖畔呼人半島。呼人半島には呼人探鳥遊歩道という非常にひっそりとした野趣あふれる散策路があるので、まずはそこへ。案の定、人っこ一人おらず落ち葉とドングリを踏む音しか聞こえない遊歩道を恐る恐る歩いて探しましたが、湖畔にタンチョウの姿は確認できず。ふと我に返り、総延長約7キロという遊歩道を単独&軽装で踏破する根性も時間もないことに気付いたので、ここは早めにUターンしました。
その後、気を取り直して網走湖沿いに走る国道39号線の駐車帯などからも湖岸を凝視してみましたが、タンチョウはいませんでした。うぅ……なにせ相手は野生動物なので、発見は意外に困難を極めるかも。そう思って次に向かったのは、 濤沸湖水鳥・湿地センターです。ここならタンチョウを含む野鳥情報はふんだんにあるだろうし、実際に濤沸湖にいるタンチョウを見ることもできるかも!?という目論見です。最初からここに来ればよかったのでは?という突っ込みは甘んじて受けます。
▼お話を伺った「濤沸湖水鳥・湿地センター」
濤沸湖で聞いた、タンチョウ高確率出現ポイントとは?
網走市内から車を走らせること約15分。東へ12kmほど進むと濤沸湖に到着です。センター職員の方にお話を伺ったところ、網走市には、網走湖と能取湖を行き来している可能性のあるタンチョウが6羽ほど。濤沸湖、藻琴湖周辺に10羽ほどの生息が確認できているのだとか。そこへ館内に居合わせたバードウォッチャーの男性も加わり、話はタンチョウ高確率出現ポイント談義に。なんでも、
2. 濤沸湖では、平和橋周辺
3. 藻琴湖へつながっている藻琴川付近の牧草地
4. 浜小清水よりやや斜里側、止別(やむべつ)周辺の畑
が狙い目なのだとか。網走湖は網走湖でも女満別湖のほうでしたか!(網走湖はひとつですが、大空町女満別にかかるエリアは女満別湖と呼ばれています)さらに、「さっきまで、濤沸湖の平和橋から見えていたんだよー!飛んじゃったけどね」と男性。おぉ、私が呼人でタンチョウを探鳥せずに濤沸湖の平和橋へ行っていれば出会えていたのか……無念。
また職員の方からは「最近、藻琴川付近の牧草地は高確率で現れていて、日中11時~14時頃までの目撃情報が多い」と伺いました。これはタンチョウをカメラにおさめたいorこの目で見てみたい方には貴重な情報ではないでしょうか!?
そしてついにタンチョウを発見!
時間的にはちょうどビンゴだったので、早速その足で藻琴川付近を車で流して探索してみましたが、このタイミングで現れないのが世の常。半ばヤケになって網走湖まで舞い戻り、さらに女満別湖畔まで足を延ばしてみました。女満別湖畔ではその姿は確認できなかったのですが、あきらめかけた頃、美幌方面に少し車を走らせ網走川に架かる橋を渡ってみたところ、白く光る2つの物体を発見したのです!
肉眼では、ほぼ点にしか見えていなかったのですが、ふと車を停めた自分グッジョブ。神さまありがとう。そして、さらにズーム!といってもこれが限界でした。すみません。
女満別湖畔ではなく網走川でしたが、でも確かに、2羽のタンチョウが仲良く佇んでいました!(感涙)釧路方面に比べるとその数は少ないものの、「探せば見つかる」ということは、これで証明できました。探し回った甲斐があったってもんです。発見した場所はこちら(GoogleMap)
近年は個体数を増やしつつある網走近郊のタンチョウ
前出の濤沸湖水鳥・湿地センター職員の方によると、タンチョウは留鳥なので、実は6~7月のほうが濤沸湖での出現率も高く、また近年個体数を増やしつつあるので、意外と珍しくない鳥なのだとか。とはいえ、釧路湿原まで足を運ばないと見られないと思っていた天然記念物のタンチョウが、網走でも見られるのはうれしいことですよね。
動物園ではないので、必ずここにいる!と保証はできませんが、興味のある方はタンチョウを探しながら網走の湖めぐりを楽しんでみるのもいいですね。そしてもしタンチョウに出合った場合には、特別天然記念物保護のため、観察マナーは必ず守ってください。