キクヤ楽器が67年の歴史に終止符、惜しまれつつ閉店セール実施中

札幌市中央区南3条西3の狸小路3丁目で音楽関連事業を行う株式会社キクヤは、2012年12月20日にメッセビル3階の「キクヤ楽器」を閉店すると発表した。突然の閉店に古くから利用してきた札幌市内の音楽関係者から残念がる声が後を絶たない。だいぶ商品は少なくなってきたが、11月30日から閉店セールとして50%オフからMAX90%オフで売り尽くしを行っている。


キクヤ楽器店は、1945年に中央区円山で創業した時計店が前身。日本蓄音機商会(コロムビアレコードの前身)に勤務していた菊池吉郎氏が創業した。1946年10月、レコード・楽器・電気販売を行う店舗として現在地に近い狸小路4丁目の南3西4に移転させた。その後1959年11月までに現在地の狸小路3丁目に完全移転。さっぽろ文庫「狸小路」によると、1964年には狸小路で最初の自動ドアを導入した。また、レコード小売店としては道内一の売上だったこともある。

1985年12月には、現在のメッセビルが竣工した。1989年3月にはメッセビル3階は東北以北では最大級のクラシック系商品の売場となった。2008年11月には3階を楽器総合売場「キクヤ楽器」として新装オープンした。


今回閉店するのはメッセビル3階にあるキクヤ楽器のみで、楽器販売業務の終了に伴うもの。店舗面積はそれほど大きくはないが、札幌中心部では貴重な楽器関連商品取扱店であった。ネット上でも「ショック」「哀愁を感じる」「青春時代の思い出」「子供の頃からお世話になっていた」など惜しむ声が多く、幅広い世代の人が利用したことがあり、特に親世代以上の人たちにとっては懐かしい思い出ある場所となっていたようだ。

なお、スタジオメッセ、ラボメッセ(音楽教室)、メッセホール、メッセビルは今後も変わらず営業するという。