【余市町】余市川沿いにある、屋上のスペースシャトルがトレードマークの余市川温泉。かの有名な宇宙飛行士・毛利衛さんが生まれた温泉として有名だ。しかしながら、余市川温泉は、ただ温泉に入るだけの場所ではない。近年は余市川温泉に新たな名物が加わり魅力が増しているという。
そこで、余市川温泉の魅力を存分に味わうための3つのポイント。それは、(1)ウイスキー風呂、(2)海産物、(3)ドライフルーツ。要するに、ウイスキー風呂をはじめとするご当地風呂のある温泉に入って、港町ならではの新鮮な海産物をほおばり、フルーツの町ならではのドライフルーツをデザートがてら、または海の幸のドライ加工品をお酒のおつまみにいただくのだ。三拍子そろった余市川温泉の楽しみ方を詳しくご紹介しよう!
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ウイスキー風呂・リンゴ風呂などが名物「余市川温泉」
宇宙飛行士・毛利衛さんの実家でもあった余市川温泉。毛利さんの両親が営業していたお風呂屋「喜久乃湯」を、50年ほど前の1969年に現オーナー・茅根英昭社長の父親が譲り受け、自社温泉を採掘したことから1980年に余市川温泉として現在に至る。実に約70年の歴史がある温泉だ。1998年には現在の建物に建て替え、毛利衛さんの偉業を記念しスペースシャトルの模型を屋上に設置した。
そのような経緯もあってか、2階の休憩所には、毛利衛さんの写真や、毛利さんが子供たちに夢を持ってほしいとの願いを込めた「宇宙温泉をつくろう」の色紙(1985年)も。毛利さんの思いが色濃く残る温泉でもあるのだ。
温泉は源泉100%、42.5℃の塩化ナトリウム炭酸水素塩泉で、浴槽の深さが特徴。古くから地元の方が多く利用する、地域で愛されている温泉だ。中でも「ご当地風呂」は、茅根さんが社長に就任する4年前に誕生した同温泉の名物で、「ウイスキー風呂」「ワイン風呂」リンゴを幾つも浮かべる秋限定「リンゴ風呂」を、それぞれ不定期で提供する。
国内では珍しい「ウイスキー風呂」は、ニッカウヰスキーの瓶ウイスキーを使用。1~2時間おきに、風呂に浮かべた樽に垂らす。ウイスキーの香りを楽しみながら、身体がポカポカすると評判!茅根社長によれば、ウイスキーの香るサウナも研究中だとか。ウイスキー好きにはたまらない温泉だ。
また嬉しいことに、サウナでは、冷凍した余市産ブルーベリーをサービスで出してくれることも。これを食べながら風呂を楽しめるのもここならでは。入浴料金は、大人420円、小学生140円、小学生未満70円。
▼映像:ウイスキー風呂に入ってみた!
ウイスキー風呂、身体の芯からポカポカでした。お店の方が冷凍ブルーベリーをサービスで出してくれます。甘くておいしかったです。こういうサービスはなかなかないんで嬉しいですよね。変わったお風呂が好きな方は来てみてください!
ウニのかきあげ丼は他にないメニュー!2階の食事処で美味しい海産物を贅沢に
温泉に入った後は、2階にある休憩所・食事処へ。ここでは、地元産食材を使ったリーズナブルで美味しい料理を作って出してくれる。やはりオススメは海鮮もの。同店のオススメの一つ「海鮮丼」は、サーモン以外は地元産、お米は仁木町産。こんなに入って600円、「日替わり握り寿司」も八貫で600円。どれも新鮮で美味しい海産物を贅沢に使ってこのプライスは魅力的。
▼海鮮丼と日替わり握り寿司
余市といえば甘エビ。天候が良く漁が行われた日には、朝のセリで仕入れた新鮮な甘エビを使った「甘エビかき揚げ丼」などを提供。もちろん、寿司や海鮮丼にも入っている。さらに、甘エビを使った「甘エビ丼」はオススメの一つ。毎日ではないが日によってはミニ樽に入れた「樽丼」として提供する。
そして一押しは「ウニのかき揚げ丼」(700円)。ウニを使った、他にはどこにもない裏メニューだ。写真はかきあげ部分だけ。通常は丼として提供している。
▼映像:海鮮丼やウニのかき揚げ
お酒メニューでは「ブルーベリーハイボール」もオススメ。裏メニューだが「いつもの」と頼む人もいるんだとか。開発に当たっては、フルーティーさを残しつつウイスキーの味を残すのに苦労したという。
フルーツも海産物もドライ加工しちゃった!? よいち工房が開発した珍品「フリーズドライ」
茅根社長が手がけるもう一つのシリーズ、それが、よいち工房のフリーズドライ。2014年1月に最初の商品を発売して以来、フルーツ王国余市のフルーツや野菜だけでなく、海産物までドライ加工してしまったというから驚きだ。
例えば、フリーズドライ「りんごウイスキー」(10g・250円)は、余市産リンゴの下級品を薄くスライスし、ウイスキーモルトとグレーンを使ってドライにしたもの。ウイスキーの香りもするリンゴスナックに仕上げた。ウイスキーとリンゴの町・余市ならではの組み合わせだ。
▼フリーズドライ「りんごウイスキー」
海産物では「ドライうに」がある。ウニをノンフライ・無添加・無加糖で加工した。通常のオレンジ色のウニのほか、幻の黒ウニをドライにしたものも製造販売する。年代を重ねた黒いウニはこれまで商品にならないとして市場に出回ることがなかったが、逆に味が濃厚でおいしいという。
▼通常のウニと黒いウニのドライ
▼映像:ドライうに、通常版と黒い版を食べ比べてみた
下級品リンゴや出回ることのない黒いウニのように、そのままでは商品にならないものを買い取って加工品にすることで、漁師や農家も喜んでくれているという。フリーズドライはほかに、りんご(10g・390円)、トマト(10g・390円)、ブルーベリー(10g・390円)、ぶどう(20g・390円)、さくらんぼ(10g・390円)、甘えび(10g・390円)、鮭おかゆ、甘えびおかゆカレー味、かぼちゃのほか、ドライ品として、あわび、日和貝、鱈、いちご、フルーツグラノーラもあり、どれも変わったものばかり。余市川温泉で手に入れることができる。
余市川温泉やよいち工房を経営するのは、札幌の市場で修業したこともあるという、株式会社かやね代表取締役 茅根英昭さん(42)。他にはない一風変わったアイデア品を生みだしてきた開発者でもある。前述のフリーズドライはそのひとつ。今後も地域の特産品を生かし、他にはない斬新な加工品を生み出していきたい考えだ。
余市川温泉から読者の皆様へプレゼント
▼宇宙の湯 余市川温泉
所在地:余市町入舟町322番地、JR余市駅から徒歩約15分 [地図]
TEL:0135-22-4126
営業時間:9:30~22:00、無休
駐車場あり
公式ウェブサイト、
公式Facebookページ
※取材協力:余市川温泉、よいち工房、株式会社かやね