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札幌の老舗温泉銭湯「山鼻温泉屯田湯」が銭湯時代を生かして無人ホテルに!

  

1964年に開業した「山鼻温泉屯田湯」(札幌市中央区)が昨夏の営業終了後、改修工事を経て2020年7月23日に無人ホテル「山鼻温泉 屯田湯旅館」として開業しました。老舗温泉銭湯施設が無人ホテルにリニューアルして再出発するのは全国初です。

2019年夏に惜しまれつつ廃業した「山鼻温泉屯田湯」

「山鼻温泉屯田湯」のルーツは札幌市西区の「琴似温泉」にさかのぼります。石狩市で農業を営んでいた二木家が1961年に「琴似温泉」の経営を事業継承し創業。第一店舗目となる同銭湯の経営を足がかりに1964年、札幌市中央区に「山鼻温泉屯田湯」を開業しました。

▼銭湯時代の山鼻温泉屯田湯
札幌の老舗温泉銭湯「山鼻温泉屯田湯」が銭湯時代を生かして無人ホテルに!

それ以来約半世紀に渡り経営を続けてきましたが、経営者の枡﨑さんが「山鼻温泉屯田湯」の今後について、民泊や無人ホテルの受託・運営代行等不動産関連事業を手掛ける株式会社MASSIVE SAPPORO(札幌市中央区)に相談を持ちかけました。

同社広報担当者によると、「山鼻温泉屯田湯」の所有者は変わらず、1階の旧銭湯エリアとバックヤードを大幅に改装。同社が無人ホテル「山鼻温泉 屯田湯旅館」としてプロデュース、管理・運営を行うこととなりました。同社によれば、銭湯施設が無人ホテルにリニューアルするのは全国初となります。

温泉銭湯が貸切温泉付き無人ホテルに

今回のリニューアルにあたり、木造2階建ての建物は大きく変わらず、内部は大幅に変更しました。収容人数は21名。ホテル部分が2室、民泊部分が1室の3室体制となります。

ホテル部分の2室は、旧女湯にあたる部分は「ROOM壱」(7名部屋)に、旧男湯にあたる部分は「ROOM弐」(6名部屋)となりました。

▼解体工事中の様子
札幌の老舗温泉銭湯「山鼻温泉屯田湯」が銭湯時代を生かして無人ホテルに!

▼リニューアル後のホテルの寝室の様子
札幌の老舗温泉銭湯「山鼻温泉屯田湯」が銭湯時代を生かして無人ホテルに! 札幌の老舗温泉銭湯「山鼻温泉屯田湯」が銭湯時代を生かして無人ホテルに!

そのため寝室には銭湯時代に使用されていたタイル、ガラス、シャワーヘッドなどをそのまま部屋に生かしています。また脱衣所だったスペースはリビングダイニングに変更。洗濯機や冷蔵庫などの家具家電、キッチン、調理器具などを揃え、家族やグループで宿泊できるように配慮されています。

▼銭湯時代の名残が随所に(上は銭湯時代、下はホテルリニューアル後)
札幌の老舗温泉銭湯「山鼻温泉屯田湯」が銭湯時代を生かして無人ホテルに! 札幌の老舗温泉銭湯「山鼻温泉屯田湯」が銭湯時代を生かして無人ホテルに!

銭湯の風呂部分をホテル客室内に組み込んでいるため、全室貸切温泉付き無人ホテルと言えます。温泉銭湯時代と同じ、すすきのの地下深くに湧く源泉を使っています。現在は新たに温泉掘削が認められていないため、札幌中心部では大変貴重な温泉となっています。

▼贅沢な全室貸切温泉付き!
札幌の老舗温泉銭湯「山鼻温泉屯田湯」が銭湯時代を生かして無人ホテルに!

源泉となる冷たい鉱泉は、宿泊客が自分でお湯で割って、好みの温度と濃度で入浴することができます。そのため浴槽には温泉・お湯・水の3つの蛇口がついています。浴室は銭湯時代の丸い鏡や壁の一部を生かしたほか、ケロリン桶や藤籠なども置いています。

また、かつてバックヤードだった部分は8名1室の民泊エリアになりました。

無人ホテルということで、タブレットによる非接触型チェックインを導入。4言語に対応しており、遠隔で接客をおこなうオペレーターも日本語と英語に対応しています。

▼無人チェックインシステムを導入
札幌の老舗温泉銭湯「山鼻温泉屯田湯」が銭湯時代を生かして無人ホテルに!

また、創業時からの「山鼻温泉屯田湯」の軌跡をアーカイブした展示スペースを設置。「山鼻温泉屯田湯」へのリスペクトはこのギャラリーからも見て取ることができます。

▼山鼻温泉屯田湯の歴史がわかるギャラリーも
札幌の老舗温泉銭湯「山鼻温泉屯田湯」が銭湯時代を生かして無人ホテルに!

「山鼻温泉 屯田湯旅館」は、新型コロナウイルス感染症の影響で4月オープンがずれ込み7月23日オープンとなりました。インバウンド向けとして計画していたそうですが、日本人向けとしても利用可能で、連泊、長期滞在、出張などを想定しています。

施設情報:山鼻温泉 屯田湯旅館

所在地:北海道札幌市中央区南9条西8-1-17
チェックイン:15時~23時
チェックアウト:10時
宿泊予約:MASSIVE SAPPOROのホームページより

※写真はすべて株式会社MASSIVE SAPPORO提供

筆者について

編集部

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