2020年5月1日、札幌市中央区盤渓の森の中に突然、移動販売車によるソフトクリームショップ「UNMIXed SAPPORO」が誕生し話題となっています。提供するのは登別産牛乳を使った「グラスフェッドミルク ソフトクリーム」で、濃厚なのにさっぱり食べやすいと評判を呼んでいます。
登別産のおいしい牛乳を知ってもらいたくて
「UNMIXed SAPPORO」をオープンしたのは、登別駅前でゲストハウス「赤と青」を運営する株式会社AKA&AO(本社:登別市)。2019年夏、ゲストハウスの1階で営業する「UNMIXed SOFT SERVE ICE CREAM」で、登別産グラスフェッドミルク100%のソフトクリームの提供を始めたところ、好評でした。
「登別の牛乳を登別の魅力の一つとして観光客にどうにか知ってもらいたいと思っていました。ゲストハウスの朝食で牛乳をお出ししてましたが、観光地といえばやはりソフトクリームということで、ソフトクリームの販売をはじめました」と、同社代表の佐々木太郎さんは振り返ります。
▼ゲストハウス「赤と青」1階(UNMIXed登別店)で提供してきた、のぼりべつ酪農館の協力で開発されたオリジナルソフトクリーム
なぜ盤渓の森の中に?
いつかは札幌にもソフトクリームショップをオープンしたいと思っていた佐々木さん。しかし、なぜ札幌の森の中にオープンすることになったのでしょうか。
▼森の中にある、移動しない移動販売車の店舗
「生まれも育ちも盤渓で、中央区でありながら森に囲まれる盤渓が好きなんです。ソフトクリームを食べるのに良い環境ですし、一山越えれば札幌市民でもすぐ来られます。たまたま小学校の先輩で空き地を有効活用したいと思っているオーナーがいて、いつかはキャンプ場にしたいと考えていたそうです。私はいつかソフトクリーム店をやりたかったので、意気投合し、両方の目標を実現すべく急ピッチで動き出しました」と佐々木さん。
ソフトクリーム店は比較的短期間で始められる移動販売車による販売として、2020年5月にオープン。土地のオーナーは森を切り開いて道路を作り、6月に自然豊かなデイキャンプ場「Redoor Sapporo」をグランドオープンしました。
▼ソフトクリームの味も、食べる環境も大事にしたいと話す佐々木さん(右)
登別産の濃厚ミルクに、高級マシンによるなめらかさを実現
登別店と同様に札幌店でも、生産量が希少で、高い評価を得ている登別産のグラスフェッドミルク100%の「グラスフェッドミルク ソフトクリーム」を提供。海岸近くのミネラルたっぷりの牧草のみで育った放牧牛の牛乳を丁寧に低温殺菌した濃厚なミルクに、倶知安産のじゃがいもデンプンからできた水あめをミックスしています。
▼濃厚な牛乳の味わいが楽しめるグラスフェッドミルク ソフトクリーム
登別の牛乳は味が濃い特徴があり、ソフトクリームはクリーミーな食感を出したほうがおいしいそう。そこで、あえてイタリア・カルピジャーニ社の世界最高の高級ソフトクリームマシンを使い、きめ細かくてフワフワな仕上がりを実現。なめらかな食感で、濃厚で食べやすい、甘さ控えめで牛乳感の強いソフトクリームになりました。初めて食べると、その不思議な食感に驚くこと間違いなしです。
一番人気はワッフルコーン(450円)。カップは400円です。また、甘みをつけたコーヒーゼリーと濃厚なソフトクリームが絶妙なハーモニーを奏でるコーヒーゼリーミルクソフト(650円)。直火式で抽出したクレマたっぷりのエスプレッソを掛けたエスプレッソアフォガート(600円)は最近リピーターも増えている一品といいます。
このほか自家焙煎した豆を使ったコーヒー、カフェオレ、コカコーラやジンジャーエールなどのドリンクメニューも提供しています。冷たいコーヒーやカフェオレはプラス200円で、ソフトクリームのトッピングをすることもできます。
▼空き地やデイキャンプ場を併設
土日祝日で天気が良いなど条件が揃えば、一日に300人訪れることもあるという同店。取材日もオープン直後から駐車場に続々と車がやってきていました。
来店者は、家族連れが圧倒的に多いといいます。犬を連れてきたり、小川で遊んだり、木登りしたり、裏手にあるデイキャンプ場「Redoor Sapporo」でデイキャンプしてもOK。「しばらくのんびりしていっていただける雰囲気にしたい」と佐々木さんは話します。
登別店が遠くてなかなか、という札幌市民には森の中のソフトクリーム店「UNMIXed SAPPORO」で自然を楽しみつつ、のぼりべつ牛乳の味を楽しんでみてください。
【映像】動画で見るUNMIXed SAPPORO
施設情報
UNMIXed SAPPORO(アンミックスド サッポロ)
所在地:札幌市中央区盤渓213(盤渓峠の中腹)
営業時間:11時~16時(土日10時~16時)
最寄りバス停:ばんけい観光バス円山線「森学舎 峠のワイナリー」バス停
デイキャンプ場 Redoor Sapporo
所在地:札幌市中央区盤渓213(UNMIXed SAPPOROの裏手)
営業時間:10時~17時
利用料金:1日大人1,500円、子ども500円