屈斜路湖は、ひがし北海道を代表する雲海の景勝地です。屈斜路湖は周囲57キロメートル、面積は79.3平方キロメートルもある日本最大のカルデラ湖。この湖が雲海で埋め尽くされる光景は、早起きをして見に行く価値があります。
屈斜路湖が雲海ファンを魅了する理由は、なんといっても夏60%以上という雲海遭遇率の高さと、展望台の多彩さ。屈斜路湖周辺の展望台は、それぞれ町やアクセスも違えば見渡せる風景も違うので、見比べが楽しいのです。さらには屈斜路湖から最短15キロメートルで行ける摩周湖でも、素晴らしい雲海を見ることができます。
ではどこから目指すか? どう見るか? 地元在住の筆者が、屈斜路湖の雲海スポット5カ所と摩周湖の雲海スポットを2カ所選んで、どこよりも詳しい阿寒摩周国立公園内の雲海情報をお届けします。
同じ日の朝に複数の雲海スポットをめぐる「ハシゴ雲海」のアドバイスや、裾野の雲海を眺めながら走れる裏道など、ちょっとニッチな情報も併せてご紹介しますのでどうぞお楽しみに!
- 1 夏場の屈斜路湖は雲海遭遇率60%以上。複数ある発生理由
- 2 1.まず目指したい、日の出の雲海が神々しい「津別峠展望台」
- 3 2.ワイドな雲海なら「美幌峠展望台」。道の駅併設でレジャーも満喫
- 4 3.知床連山から硫黄山まで300度の雲海、「ハイランド小清水725」
- 5 4.標高1,000メートル!「藻琴山山頂」まで登山して見る雲海は最高
- 6 5.硫黄山の白煙と雲海の競演が見どころ「藻琴山展望駐車公園」
- 7 6.「摩周湖第3展望台」のめあては、僥倖の「ダブル雲海」
- 8 7.「摩周湖第1展望台」からも、意外な雲海シーンが
- 9 裾野の雲海を眺めながら走る楽しさ
- 10 ライブカメラをうまく使って、雲海スポットのハシゴもできる
- 11 屈斜路湖と摩周湖の雲海ウォッチ 便利情報
夏場の屈斜路湖は雲海遭遇率60%以上。複数ある発生理由
意外にも、屈斜路湖の雲海は1年中、発生しています。頻度は少ないものの冬季でも現れているのです。そのことを前提に、まずは屈斜路湖で雲海が発生するメカニズムを知っておきましょう。
屈斜路湖の雲海は6月から10月が見ごろで、7月8月の遭遇率は60%以上。夜明け前に発生した雲海は、だいたい午前8時くらいまで残っています。
そして夏季に雲海発生率を高めているのが「移流霧」。暖かく湿った南風が、太平洋の釧路沖を流れる寒流(親潮)の上を通ると、海面の空気が冷やされて海霧が発生し、移流霧となります。
移流霧は釧路川をつたいながら北上し、釧路川の源である屈斜路湖に到達し、湖を覆いつくします。移流霧の高さは400~500メートルもあるため、標高の低い峠は霧に埋もれてしまうこともしばしばです。
そのほか湖内で生まれる雲海もあります。高気圧に覆われた夜、放射冷却によって湖面に冷気が溜まって起こる「放射霧・盆地霧」。前線や気圧の谷が通る時、湿った空気が持ち上げられて発生する「滑昇霧」(かっしょうぎり)。冬の晴れた朝には、湖面から蒸発する水蒸気が冷やされて「蒸気霧・けあらし」も発生します。
このように、雲海が発生する要素が複数あるため、特に夏季は雲海が発生しやすいのです。
1.まず目指したい、日の出の雲海が神々しい「津別峠展望台」
屈斜路湖の雲海スポットのうち、もっとも人気が高い場所が「津別峠展望台」。ここは標高が947メートルで、車で行ける外輪山の展望台の中では1番高い場所です。高いだけに遠くまで見渡せることはもちろん、ほかの展望台が移流霧に埋もれて何も見えない時でも、津別峠展望台なら雲海を見渡せるチャンスがあることも人気のポイントです。
また津別峠展望台は正面から太陽が昇ることも魅力です。前方には斜里岳の秀麗な姿。外輪山の向こうから陽光がキラリと差し、しだいに雲海を金色に染めていくページェントは神々しくも美しい。
▼朝日に染まる「津別峠展望台」の雲海
太陽が完全に昇ったあとは風が吹くため、それまで静かだった雲海がにわかに波打ちはじめます。雲海は常に動き、刻一刻と風景を変えていますから、いつまで見ていても飽きません。
雨空の夜明け。今日雲海は出ないだろうと諦めモードで津別峠を上ってみたら、外輪山からあふれ出るほどの大雲海が発生していた! そんな朝もあれば、まさに五里霧中の真っ白ずくめの視界に落胆していたら、風が吹いて突然湖面が姿を現すことも。たびたび劇的なシーンに出会えるのが津別峠です。
▼外輪山が隠れるほどの大雲海
雲海も、幻想的に凪いだものや重厚なもの、スピーディーに躍動するものなど千差万別です。同じものは二度と現われない一期一会の光景だから、明日また訪れたくなる。これが雲海ファンの間でよく言われる「津別峠のとりこになる」という現象です。
津別峠への道は、11月~5月下旬まで冬期通行止めとなるため、ぜひ夏季のうちに何度でも訪れてください。
津別峠は、名物ガイドの雲海ツアーに参加すると感動3倍
2018年6月2日。この日、筆者は今シーズン初の「屈斜路湖・雲海ツアー in 津別峠」に参加するため、津別峠展望台にやって来ました。
弟子屈町屈斜路から津別峠へと通じる道道588号(屈斜路津別線)は、2016年8月の台風により1年以上も通行止めとなっていましたが、2018年5月にやっと開通の日を迎えました。開通と雲海シーズンの始まりを待ちわびていた人々が、日の出の前から並んでいます。
▼「津別峠展望台」に並ぶ雲海ファン
そして太陽も昇りきって写真撮影もひと段落した4時30分ころ、「屈斜路湖・雲海ツアー in 津別峠」がスタートしました。ツアーといっても大きな移動はなく、津別峠展望台のエリア内で催行されます。
ガイドは、津別町を拠点に自然体験事業等を行う「NPO法人 森のこだま」代表の上野真司さん。津別峠の雲海を毎日見たくなり、ついに9年前、横浜市から移住してしまった人です。
▼「屈斜路湖・雲海ツアー in 津別峠」のガイドとして知られる上野真司さん
上野さんの話はとにかくおもしろくて深い! 屈斜路カルデラ誕生の歴史や地形、気候をひもときながら、屈斜路湖の雲海と自然の奇跡について語ってくれます。そしてその間、参加者からは笑いと歓声が途絶えることがありません。単独で風景を見るだけより、体感できる感動は遥かに倍増します。
ツアーならではの魅力はまだあります。たとえば通常なら午前9時にならないと入場できない展望デッキに上がることができ、屈斜路湖と360度のパノラマ風景を眺望できることもうれしい特権。さらに高いところから屈斜路湖を眺望できますから、東には知床連山とオホーツク海。西を見れば雌阿寒岳に雄阿寒岳と、大きな景観が広がります。
▼360度の視界も「屈斜路湖・雲海ツアー in 津別峠」の醍醐味
津別峠雲海ツアーの後半、展望デッキで津別町ノンノの森の湧水で淹れたモーニングコーヒーを味わっていたころ、南西方向から移流霧が近づいて来ていることに気付きました。
空には「天使のはしご」と呼ばれる薄明光線(はくめいこうせん)がうっすらと。この日は湖を覆う雲海こそ見ることがかないませんでしたが、「これはこれで良い風景だ」と見惚れながら、津別峠から見る屈斜路湖はいつも素晴らしいと思うのでした。
▼展望デッキから。移流霧が近づいて来る
「津別峠展望施設」の開館時間は9時から19時までですが、これ以外の時間でも駐車場やトイレ、そして眺望を楽しめる展望広場は誰でも利用できます。
上野さんは「津別峠展望施設」が閉館している19時から9時までの間、展望施設を使ってガイドツアーを実施しており、このツアー代金の一部は施設使用料として津別町に納められ、展望施設の維持管理に使われています。こうした取り組みは、自然資源や施設を活用しての地域活性化を目的とするものです。
▼「津別峠展望施設」
所在地:北海道網走郡津別町上里
展望施設の開館時間:9:00~19:00(※トイレは24時間)
展望施設の開館期間:6月1日~10月31日(天候により前後する場合あり)
駐車場:32台
問い合わせ先:0152-76-2151 津別町役場商工観光グループ
※11月~5月下旬まで道々588号「ランプの宿森つべつ~津別峠~屈斜路湖畔」は通行止め
公式サイト
所要時間:約80分(送迎付き)
料金:大人1名3,300円
予約・問い合わせ先:080-8178-6120(森のこだま)※気象条件により雲海が発生しない場合や、悪天候により中止になることがあります
「ランプの宿森つべつ」津別町上里(津別峠まで9.3キロメートル)、「屈斜路プリンスホテル」弟子屈町屈斜路(津別峠まで11キロメートル)。両ホテルともフロントで「屈斜路湖・雲海ツアー in 津別峠」に申し込み可能。ほか20キロメートル圏内の弟子屈町屈斜路にペンションや民宿が複数あり、津別峠まで送迎サービス付きの宿もあるので摩周湖観光協会015-482-2200に問い合わせを。
2.ワイドな雲海なら「美幌峠展望台」。道の駅併設でレジャーも満喫
国道243号沿いにある美幌峠から望む屈斜路湖は、湖の中央に中島が位置する大パノラマで有名です。ですから雲海だって超広大。左右をぐるりと見渡す壮観さは1番でしょう。
また美幌峠の雲海は、ドライブ中の景観も楽しみの一つ。峠の頂上から弟子屈町側へ下って行く時は、雲海がぐんぐんと迫ってくる臨場感がたまりません。
▼雲海を多彩な角度から楽しめる、美幌峠のワインディングロード
美幌峠の標高は525メートルと、津別峠の947メートルに比べるとかなり低いため、霧に埋もれやすいという難点があります。しかし道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」が併設されているので、どんな天候に遭遇しても無駄足がないのは魅力です。レストハウスが開く9時まで待てば、展望休憩室でくつろいだり、レストハウスで食事や名物「あげいも」を味わったり、ショッピングも楽しめます。
美幌峠展望台には1年中、気軽に立ち寄ることができるので、冬季の雲海を狙うならここがベスト。発生率は低いけれど、ロマンはあります。
▼道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」。屋外トイレが改修されより快適に
所在地:北海道網走郡美幌町字古梅
駐車場:120台、大型14台
屋外トイレ:24時間
問い合せ先:0152-73-1111(内293) 美幌町役場経済部商工観光グループ
美幌峠雲海予測
公式サイト
開館時間:9:00~18:00(4月下旬~10月)、9:00~17:00(11月~4月下旬)
休館日:年末年始(※冬季悪天候時は臨時休館する場合あり)
問い合せ先: 0152-75-0700 美幌峠レストハウス
美幌町市街地のホテル、民宿から美幌峠展望台まで約30キロメートル。美幌観光物産協会 0152-73-2211へ問い合わせを。
3.知床連山から硫黄山まで300度の雲海、「ハイランド小清水725」
弟子屈町川湯と網走方面を結ぶ道道102号(網走川湯線)から、藻琴山を登るようにして進んで行くと、「ハイランド小清水725」があります。屈斜路湖の北側に面し、藻琴山の7合目付近。標高はその名の通り725メートルで、津別峠に次いで高い屈斜路湖の雲海スポットです。
外輪山にせり出すように建つレストハウスがランドマークで、そこの展望デッキは入場自由。左手には知床連山に硫黄山、右手には阿寒の山々まで300度の風景を見渡すことができます。
遊歩道もあり、野鳥の声を聞きながら100メートルほど歩くと展望地に出ます。そこからはまた違った屈斜路湖を見ることができるので、早朝散歩もおすすめです。
▼「ハイランド小清水725」レストハウス
雲海は9時くらいまで残っていることもあるので、レストハウスの開店を待って、人気の「ソフトクリーム」や「雲海そば」を堪能しながら雲海の屈斜路湖を眺められたら……。とても贅沢な時間になりそうです。
すぐ近くに「ハイランド小清水キャンプ場」があるので、キャンプと雲海を楽しむには絶好のスポットでしょう。
所在地:北海道斜里郡小清水町字もこと山1番地
レストハウス開館時間:9:00~16:00(5月・9月)、9:00~17:00(6月~8月)、9:00~15:00(10月)
レストハウス開館期間:5月~10月
駐車場:36台、バス7台
屋外トイレ(夏季のみ):24時間
問い合わせ先:090-3119-6080ハイランド小清水725、0152-62-4481小清水町役場産業課商工観光係
※冬季は「道道102号~ハイランド小清水725」が不通
公式サイト
弟子屈町川湯温泉まで約16キロメートル、摩周湖観光協会015-482-2200まで問い合わせを。
小清水町市街の宿泊施設まで約25キロメートル、小清水町観光協会0152-67-5120へ問い合わせを。
4.標高1,000メートル!「藻琴山山頂」まで登山して見る雲海は最高
車で行ってすぐに見渡せる雲海も良いけれど、1時間山を登って、てっぺんに立った人だけ見ることができる雲海は別格です。
屈斜路湖の外輪山の中で最も高いのが、標高1,000メートルの藻琴山。「北海道自然100選」にも選ばれているこの景勝の山も、屈斜路湖の雲海スポットとして欠かすことはできません。
藻琴山の山頂へ登るルートは2つありますが、雲海ファンにおすすめするのは「ハイランド小清水725」から登る小清水コース。登山道入り口が、屈斜路湖の雲海スポット5選のうちの1つ、「ハイランド小清水725」の駐車場脇にあるので、最初に屈斜路湖を眺めてからスタートできます。
このスタート地点ですでに8合目近くまで来ているので、残りの標高は275メートル。距離にして約2キロメートルを登ります。
▼藻琴山登山口は「ハイランド小清水725」の駐車場脇
登山者届けに記入をして登って行くと、しばらくハイマツのトンネルが続きます。野鳥のさえずりを聞きながら半分ほど登り、9合目を過ぎると左手に屈斜路湖が見えてきて、思わず「おお!」と歓喜。そこから尾根に沿い、ダケカンバとハイマツの道を登って行くと、ところどころで眺望スポットが開けて目を楽しませてくれます。
▼名所「屏風岩」から見る雲海の屈斜路湖
▼藻琴山頂上から雄阿寒岳と雌阿寒岳を眺望
約1時間登って藻琴山の山頂に到着! 外輪山の連なりを間近にして見下ろす、雲海の素晴らしさと達成感で言葉も出ません。
藻琴山小清水コースは、子どもや高齢者も登っている初心者向け登山道ですが、降雨の後は滑りやすく、途中、急こう配の難所もあるので、登山靴やストックなど登山の装備をしてチャレンジするのが安心です。
冬季は道道102号から「ハイランド小清水725」へ上る道は除雪されませんが、道道102号沿いの駐車スペースに車を置き、スノーシューで藻琴山を登る愛好家が多くいます。
▼珍しい冬の屈斜路湖の雲海(写真提供:小清水町役場)
入り口:北海道斜里郡小清水町字もこと山1番地 ハイランド小清水725
レストハウス開館時間:9:00~16:00(5月・9月)、9:00~17:00(6月~8月)、9:00~15:00(10月)
レストハウス開館期間:5月~10月
駐車場:36台、バス7台
屋外トイレ(夏季のみ):24時間
藻琴山山開き:6月第1日曜
問い合わせ先:0152-62-4481小清水町役場産業課商工観光係
※冬季は「道道102号~ハイランド小清水725」が不通
公式サイト
弟子屈町川湯温泉まで約16キロメートル、摩周湖観光協会015-482-2200まで問い合わせを。
小清水町市街の宿泊施設まで約25キロメートル、小清水町観光協会0152-67-5120へ問い合わせを。
5.硫黄山の白煙と雲海の競演が見どころ「藻琴山展望駐車公園」
津別峠のちょうど対岸。弟子屈町川湯と網走方面を結ぶ道道102号(網走川湯線)沿いに「藻琴山展望駐車公園」はあります。標高は430メートルと、5か所の中では1番低い雲海スポット。
「ハイランド小清水725」からは5キロメートルほどしか離れておらず、景色も似ていることから素通りをする人もいますが、実はこの展望地のファンは案外多いのです。その理由は硫黄山を間近に眺望できるため。硫黄山の白い噴煙が雲海を押し上げて盛り上がる、白煙と雲海のコラボには誰もが目を奪われます。
▼「藻琴山展望駐車公園」は寄りやすさバツグン
トイレはありませんが、東屋や小高くなった展望スペースが整備されていて、ドライブ途中の休憩ポイントとして絶好です。ここは早朝に順光で写真撮影ができるため、写真愛好家もよく訪れています。
所在地:北海道川上郡弟子屈町跡佐登
利用時間:24時間
利用期間:通年
駐車場:31台
問い合わせ先:015-482-2200 摩周湖観光協会
川湯温泉街から約15キロメートル、摩周湖観光協会015-482-2200に問い合わせを。
6.「摩周湖第3展望台」のめあては、僥倖の「ダブル雲海」
屈斜路湖から15キロメートルほどしか離れていない摩周湖も人気の雲海スポット。そして特に目指して欲しいのが「摩周湖第3展望台」です。ここは、運が良いと摩周湖と屈斜路カルデラ両方の雲海、通称「ダブル雲海」を見ることができる絶景スポットですから。
しかも「摩周湖第3展望台」の標高は「摩周湖第1展望台」よりも100メートル以上高いので、摩周湖を眼下にする迫力や眺望の広さもきわだちます。
▼「摩周湖第3展望台」からの雲海
摩周湖を望めば、切り立った外輪山にたゆたう幻想的な雲海。そこからぐるりとターンしていくと、背後には硫黄山や屈斜路湖を覆いつくす広大な雲海。どこを見ても雲海。幸運に胸がふるえます。
▼「摩周湖第3展望台」名物のダブル雲海
摩周湖の雲海も屈斜路湖と同じように、太平洋沿岸からの移流霧と、夜の放射冷却現象や湖面上空の空気冷却によって、外輪山の中で発生するものです。しかし摩周湖の湖水は水温が低いため、湖面から上昇気流が発生しやすく、霧を舞い上げてしまうため、湖面だけを覆う雲海になるよりも、見渡す限り真っ白の「霧の摩周湖」になることが多い。ですから摩周湖の雲海は、屈斜路湖の雲海ほど発生率は高くありません。
ましてや摩周湖と屈斜路カルデラがダブルで雲海になる日となれば、さらに希少。それだけに遭遇出来た時は、自然と地形が織りなす妙に感動します。
所要時間:約90分(送迎付き)
料金:大人1名3,500円
予約・問い合わせ先:015-483-2101 ツーリズムてしかが
※気象条件により雲海が発生しない場合や、悪天候により中止になることがあります
弟子屈町川湯温泉まで約15キロメートル(夏季)、摩周湖観光協会015-482-2200まで問い合わせを。
7.「摩周湖第1展望台」からも、意外な雲海シーンが
摩周湖の雲海といえば、第3展望台に注目が集まりがちですが、「摩周湖第1展望台」からの雲海にも独特の個性があります。ここから見る摩周岳はやさしい表情。左手に見える斜里岳とともに、優雅なシルエットで雲海をたたえる姿は幻想的です。
運が良いと、「摩周湖第1展望台」からも意外な雲海風景を眺望できます。南方向に視線を向けると、釧路湿原や根釧台地を埋め尽くす遥かな雲海が……。これもまた、ひと味違ったダブル雲海です。
▼「摩周湖第1展望台」駐車場から見る根釧台地の雲海
▼外輪山から移流霧が流れ込み雲海となる瞬間
「摩周湖第1展望台」は駐車場が広く、24時間使用できるトイレが整備されているので、日の出の雲海シーンを見るために夜明け前からじっくりと待機するには便利なスポットです。
所在地:北海道川上郡弟子屈町弟子屈原野
利用時間:24時間
利用期間:通年
レストハウス開館時間:8:00~18:00
駐車場:140台、バス17台、有料(普通乗用車500円、硫黄山と共通利用)
屋外トイレ:24時間
問い合わせ先:015-482-2200 摩周湖観光協会、015-482-1530 摩周湖レストハウス
公式サイト
所要時間:約90分(送迎付き)
料金:大人1名3,500円
予約・問い合わせ先:015-483-2101 ツーリズムてしかが
※気象条件により雲海が発生しない場合や、悪天候により中止になることがあります
弟子屈町川湯温泉まで約15キロメートル(夏季)、摩周湖観光協会015-482-2200まで問い合わせを。
裾野の雲海を眺めながら走る楽しさ
屈斜路カルデラ全体を移流霧が覆う時は、雲海スポットを行き来する道すがらにも、裾野に垂れこめる雲海を見ることがあります。こんな時はまるで「おまけ」をもらったようで、とってもうれしい。そうした「裾野の雲海ウォッチロード」も2カ所ご紹介します。
1カ所目はあまり知られていない秘密の道です。場所は和琴半島付近の屈斜路湖沿い。ほとんどの人は国道243号を利用しますが、実はこの国道に沿うようにして、西側に1本裏道が通っているのです。この裏道は少し小高くなっているため、走っていると湖面の上に雲海が漂う、なんとも美しい風景を見ることがあります。
▼国道243号の西に走る、知られざる雲海ウォッチロード
行き方は、津別峠展望台を下りて国道243号を弟子屈市街方面へ向かい、屈斜路プリンスホテルを過ぎてすぐ、「島見橋」から右折。400メートル先を左折すると、左側に雲海風景が見えることが……。そのまま走り2.3キロ先で左折をすると国道243号に合流できます。くれぐれも農場に立ち入ったりはせず、景色だけを楽しんでください。
▼道道102号(網走川湯線)の裾野雲海
2カ所目は、川湯温泉から「藻琴山展望駐車公園」や「ハイランド小清水725」に向かう道道102号。早朝、展望台に到着する前から、大地をはう移流霧に出会うとワクワクが止まりません。
ライブカメラをうまく使って、雲海スポットのハシゴもできる
貴重な旅時間ですから、なるべく無駄足なく効率の良い雲海めぐりをしたいもの。そこで役立つのがライブカメラです。「津別峠ライブカメラ」と「摩周湖ライブカメラ」は1分おきに更新されるので、夜間以外は天候や湖面の様子がリアルタイムで分かります。「美幌峠ライブカメラ」もありますがこちらは30分更新。湖面の様子も分かりますが、天候や道路状況を確認することに適したカメラです。
▼「津別峠展望施設」に設置されたライブカメラ
目覚めたらこれらのライブカメラをまっ先に見て、雲海が出ているかどうかを確認してから向かうという手もあります。屈斜路湖と摩周湖の、どちらへ向かうべきかの判断材料にもなります。
また各展望スポットが50キロメートル圏内に集約している屈斜路湖と摩周湖なら、同じ朝に雲海スポットをハシゴすることも難しくありません。雲海は夜明けころに発生し、午前8時くらいまで残っていることが多いので、屈斜路の雲海スポットを複数見比べたり、屈斜路湖と摩周湖をめぐったりと、存分に見てまわることができます。
ハシゴをする際にもライブカメラが役立ちます。まだ雲海が出ているかどうかを随時確認しながら次の目的地に向かえるので安心です。
たとえば8月中旬に「津別峠展望台」で夜明けの雲海を見るとするなら、日の出時間は4時20分ころ。この時間に合わせて出かけて、朝日に染まる雲海をゆっくりと見て、5時30分ころに50キロメートル先の「ハイランド小清水725」を目指しても、7時ころには到着できます。
津別峠ライブカメラ(1分更新)
摩周湖ライブカメラ(1分更新)
美幌峠ライブカメラ(30分更新)
屈斜路湖と摩周湖の雲海ウォッチ 便利情報
屈斜路湖・摩周湖の雲海スポット 移動距離めやす
・津別峠展望台~ハイランド小清水725 約50キロメートル
・津別峠展望台~摩周湖第3展望台 約42キロメートル
・津別峠展望台~美幌峠展望台 約22キロメートル
・ハイランド小清水725~美幌峠展望台 約44キロメートル
・ハイランド小清水725~摩周湖3展望台 約30キロメートル
・美幌峠展望台~摩周湖3展望台 約40キロメートル
気温と服装
ひがし北海道は夏季でも早朝の気温が10度前後まで下がることがあります。特に6月上旬や9月以降は7度くらいまで冷える朝もあります。しっかりと寒さ対策をしてお出かけください。
美幌峠雲海予測
美幌観光物産協会が日本気象協会の協力を得て公開している「美幌峠雲海予測」。翌日屈斜路湖に雲海が発生する確率はどのくらいか、気象予報士が毎日、予報とコメントを発表しています。予報が20%や30%でも雲海が発生することは何度もあります。一つの目安として参考にしてみましょう。
2018年屈斜路湖・摩周湖周辺の日の出時刻
6月1日 3時40分ころ
7月1日 3時45分ころ
8月1日 4時15分ころ
8月15日 4時22分ころ
9月1日 4時45分ころ
9月15日 4時56分ころ
10月1日 5時14分ころ