酒粕に着目!旭川髙砂酒造がスイーツ・鮭ジャーキーなど約30種を開発

日本酒の製造過程で出る酒粕を有効活用しようと、酒粕商品の開発に取り組んできた酒蔵が旭川市にあります。それが、髙砂酒造株式会社。同社は2007年以来、主に道内の企業とコラボレーションし、酒粕を使ったスイーツ、ソフトクリーム、チーズ等を開発してきました。2021年には「酒(粕)×鮭ジャーキー」を発売。その勢いはとどまるところを知りません。

約30種類のラインナップ! 人気は酒粕ソフトクリーム

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高砂酒造
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髙砂酒造は1899年(明治32年)に創業。ブランド「国士無双」「旭神威」「大雪」で知られる老舗の酒蔵です。

日本酒の製造工程の仕上げに、20~30日かけて醪(もろみ)を発酵させて搾りますが、これにより酒(全重量の約7割)と酒粕(同約3割)を分離させます。酒粕は年間50~60t精製されますが、従来は肥料、廃棄物などとして扱われてきました。しかし、酒粕は葉酸やビタミンなどの栄養成分を含有し、デトックス効果も期待されています。

第一弾のコラボレーション商品は「酒饅頭」だった(写真は現在の商品。当時のものとは異なる)(提供:髙砂酒造)

こうした健康面などに着目し、2007年、本格的に商品開発を開始。その第一弾として、もち処 一久大福堂(旭川市)とコラボレーションし、「酒饅頭」を発売(2007年8月)しました。

髙砂酒造直売店一番人気の酒粕ソフトクリーム(提供:髙砂酒造)

2015年5月には、ノースプレインファーム(オホーツク管内興部町)の人気ソフトクリームミックスと髙砂酒造の大吟醸「旭神威」の酒粕によるオリジナル「酒粕ソフトクリーム」を発売。

酒粕のコクがミルクとうまく混ざり合ったソフトクリームは、同社直売店で夏季限定で提供しています。いまや1日150食売れることもある人気商品に成長。企画部の廣野部長は、「若い女性が一人で食べに来るなどしてリピーターが増えており、新たな需要開拓につながった」と話します。

室蘭うずら園とコラボした「うずらん甘酒あいす 国士無双」(提供:髙砂酒造)

夏向け商品としてはほかに、室蘭うずら園のアイスクリーム「うずらんアイス」とコラボレーションした「うずらん甘酒あいす 国士無双」があります。企画担当者がうずらんアイスの大ファンだったことから実現し、2020年12月に誕生しました。

「北のハイグレード食品2018」で受賞した「酒粕ブルーチーズ」(提供:髙砂酒造)

同じ旭川市内では、江丹別地区の伊勢ファームの青いチーズとコラボレーションした「酒粕ブルーチーズ『旭川』」が2018年に誕生。同年の「北のハイグレード食品2018」に認定されました。また、酒粕を飼料に混ぜて与えると肉質が柔らかくなることから、北里大学獣医学部と共同研究したブランド牛「旭髙砂牛」(市内ひかり牧場)が2015年に誕生。「北海道旭川 牛骨だしらーめん」「旭川無双 ビーフカレー」などの派生商品も登場しています。

2018年には旭川食品加工協議会加盟40社で「旭川酒粕プロジェクト」を始動し、商品開発を進めています。これまで道内企業を中心に共同開発した商品は、約30種類にのぼります。

髙砂酒造が共同開発した酒粕商品(一部に終売を含む)

旭髙砂牛商品

  • 旭髙砂牛(旭川市 ひかり牧場)
  • 北海道旭川 牛骨だしらーめん(塩・味噌)(札幌市 国分北海道)
  • 旭川無双 ビーフカレー(札幌市 国分北海道)
  • 缶つまJAPAN 旭髙砂牛 柚子胡椒ソース(札幌市 国分北海道)

酒粕スイーツ

  • 酒饅頭「旭神威」(旭川市 もち処 一久大福堂)
  • 法螺吹クッキー(中富良野町 前野商店)
  • 法螺吹饅頭(中富良野町 前野商店)
  • 法螺吹ケーキ(中富良野町 前野商店)
  • 国士無双おかき(旭川市 北海道米菓フーズ)
  • 日本酒バウムクーヘン(旭川市 Dessert de COLOCO)
  • 甘酒甘納豆(旭川市 共成製菓)
  • 国士無双甘酒もち(七飯町 天狗堂宝船)
  • 酒かす羊羹(旭川市 福居製餡所)
  • 甘酒かりんとう(旭川市 三葉製菓)
  • 甘酒せんべい(札幌市 タケダ製菓)
  • 甘酒かりんとう(札幌市 浜塚製菓)

酒粕×卵・乳製品

  • 酒粕ソフトクリーム(興部町 ノースプレインファーム)
  • 酒粕ブルーチーズ「旭川」(旭川市 伊勢ファーム)
  • うずらん甘酒あいす~国士無双~(室蘭市 室蘭うずら園)

その他

  • 鮭(粕)×酒ジャーキー(留萌市 ヤマニ野口水産)
  • 酒粕ソープ(化粧石鹸)(旭川市 MARVELOUS)
  • 大吟醸酒粕甘酒「国士無双」(旭川市 谷口農場)
  • 国士無双酒粕入り数の子松前漬(函館市 布目)
  • 玄人衆 豆腐の吟醸粕味噌漬~湧水仕込~(真狩村 湧水の里 真狩豆腐工房)
  • 酒粕朝食(旭川市 ホテルウィングインターナショナル旭川駅前)
  • RICE MALT DIP~酒粕バージョン~(栗山町 蝦夷ノ富士醸造、当麻町 とうま振興公社)
  • FURANO OAYASAI SOUP(中富良野町 ポプラファーム)

構想期間3年!酒粕と鮭のコラボレーション商品が誕生

ヤマニ野口水産とコラボレーションした「酒(粕)×鮭ジャーキー」(提供:髙砂酒造)

2021年7月21日に新発売したのは「酒(粕)×鮭ジャーキー」。日本酒に合う酒粕を使用したおつまみができないかと2018年、留萌市の水産加工会社、株式会社ヤマニ野口水産にOEM商品の相談を持ち掛けたのが始まりです。

当時、野口水産で開発を始めていた鮭スティックに酒粕を入れたいと考えましたが、鮭の香りが強く酒粕の香りが出ませんでした。また、酒粕を入れると固くなったり色が変わってしまうことがわかり、開発は難航しました。

試行錯誤する中で2020年までに改良が進み、味もよく、香りが華やかになっていました。そこで、酒粕の量や熟成期間の長さを微調整しながら約10種類を試作。そのうち、酒粕の香りを残しつつもコクが出るブレンド率のものが商品化に至りました。

「酒(粕)×鮭ジャーキー」は北海道産の天然秋鮭を100%使用し、2段階の擂潰(すりつぶし)製法と24時間暗所で熟成。酒粕の味わいを引き立て、鮭を柔らかく仕上げる工夫として、独自のみりん調味料を使っています。さらに、手作業で丁寧に引き延ばしてから、食べやすいサイズにカットしています。

野口水産は今回の髙砂酒造との共同開発をきっかけに酒蔵に興味を持ち、全国の蔵元の酒粕を使って「酒(粕)×鮭ジャーキー」をシリーズ化していきたいと意欲的です。

髙砂酒造が共同開発してきた酒粕商品の幾つかは、同社直売店やオンラインショップで販売しているほか、コラボ相手の地元で入手できるケースもあります。髙砂酒造が共同開発により世に送り出してきた商品をぜひ味わってみてください。