知床ってどんなところ?

知床の場所は「北海道のツノ」!

 「知床(しれとこ)」は、北海道は東部、道東と呼ばれるエリアの端っこ、本当に端っこの位置にあります。道東の北方領土に面するエリアには、大きな2つの半島が突き出ています。南側は根室市のある根室半島です。北側にある、より大きなのが「知床半島」。この半島全体を知床と呼びます。知床半島がオホーツク海に細長く角のように突き出し、北西はオホーツク海に、南東は根室海峡に面します。基部の幅は25km、長さは70kmにも及びます。

知床ってどんな意味?

 名前の由来はアイヌ語。アイヌ語で「シリエトク(Sir-etok)」、つまり「地の果て」という意味があります。または「地の突き出たところ・行き詰まり・突端」つまり「岬」という意味もあり、最近ではこちらのほうもよく登場しますので、両方覚えておきたいところです。

地名というよりはエリア名……

 地名というよりはエリア名として定着しています。知床に属する市町村名や振興局名でも、知床と冠するものはありません。知床という名前がある地点は、知床半島突端にある「知床岬」や「知床峠」「知床岳」「知床五湖」といったところだけなんです。

 観光情報ではよく「知床エリア」と書かれます。それは、知床半島の一部を包含する知床国立公園を中心に指している地域名です。知れと国立公園は、財団法人知床財団を公園管理団体(2007年11月15日指定・道内初全国3番目)とする国立公園です。

知床はオホーツク総合振興局と根室振興局にまたがっている!

 行政区分で言うと、知床岬から半島を縦に真っ二つしたようにラインが引かれており、北西はオホーツク総合振興局、南東は根室振興局になっています。行政機関が出す資料や観光情報だと、たいてい振興局別にわかれてしまっているため、知床の観光情報も分断されてしまうという状況が生じていました。

市町村で言うと羅臼町と斜里町!

 北西はオホーツク管内斜里郡斜里町(しゃりぐんしゃりちょう)、南東は根室管内目梨郡羅臼町(めなしぐんらうすちょう)のエリアです。お互い、半島を分断する格好になっているために、大変細長い町域になっています。

「羅臼とウトロ」のセットで覚えよう!

 南東側にある大きな街は羅臼町の羅臼中心市街地です。一方、北西側にある大きな街というと、斜里町ウトロ(宇登呂)地区になります。斜里町中心市街地はそこからかなり離れた場所にありますので、「斜里町側」というよりは、「ウトロ側」という言い方のほうがメジャーです。また、「羅臼・ウトロ」と対で登場することもしばしばありますので、しっかり覚えておきましょう。

国後島を望む羅臼側

 南東に位置する羅臼町の海岸線からは、北方領土の国後島(くなしりとう)が間近に見えます。羅臼町市街地にある「道の駅知床らうす」は、日本一北方領土に近い道の駅と銘打っています。羅臼側の特徴としては、映画やドラマのロケ地が多いということです。最近では北の国から2002遺言のロケ地にもなりました。また、ウトロ側に比べて知床半島の比較的奥地まで、海岸線沿いにそってですが、続いていて、昆布番屋などが点在しているのも特徴です。

流氷海岸・断崖絶壁であるウトロ側

 全般的に、羅臼町側よりも観光名所が多く恵まれているといえます。知床といえば真っ先にウトロ側を思い浮かべるはず。知床観光船もあるし、知床五湖、数々の夕日の景勝地あり、温泉街・宿泊地も充実しています。冬のビッグイベントもあります。そういった面では、明るい印象があるのも事実です。地形的には、オホーツク海に面していることもあって、海岸まで流氷が押し寄せます。それによって削られた海岸線が断崖絶壁の地形を生みました。