様似町にはユニークな「銘菓」、いや「迷菓」があります。それが、お尻の形をしたピンク色のすあまで、その名も「尻餅」。様似町でお尻の形をしたすあまが生まれたのはなぜなのでしょうか。
手のひらにずっしりと乗る大きなお尻
迷菓「尻餅」は、美しいお尻を突き出したかのような形をしたユニークなお餅です。腰の部分から表現しており、ウエストのくびれもおきれい。形が形なので、食べるのもちょっと恥ずかしく思ったり、どこからかぶりついていいものか迷うかもしれません。
形だけでなく、そのボリューム感も特徴的。最大長10㎝ほどの大きさで、250g。手のひらに乗せるとずっしり重みを感じます。すあまなので柔らかく弾力もあり、手の先で持とうとすると、指先からあふれた端の部分が垂れてしまうほど。ひとつ食べただけでおなかを満たしてしまうボリューム感も特徴のひとつです。
新名物「尻餅」が誕生したいきさつ
そんな「尻餅」は、様似町の老舗菓子店「梅屋」が製造しており、同店の看板商品の一つになっています。考案したのは1987年。当時、道知事の一村一品運動を受けて、様似町らしい特産品を作ろうと町商工会青年部が動き出し、近隣と同じ水産物ではなく、あえてほかのものをと検討していました。
様似町といえばJR日高本線の終着、様似駅がある街でもあります。また、「『尻餅をつく』という言葉はあれども、そんな餅は見たことがない」との一声もヒントになったそう。そこで、尻もちをつくことと鉄路のどん尻であることをかけて、お尻の形を模した「尻餅」を作ることに。考案に当たってはリアルを追求するあまり、お尻のどこまで表現したらよいか、着色はどうしたらよいか、試行錯誤があったといいます。
以来30年にわたり、様似を代表する銘菓の一つとして知られてきました。「尻餅」の原材料は、練って蒸した上新粉と砂糖、赤色105号・3号の着色料。現在も考案者である二代目店主・平田能久さんが棒を使い、一つ一つ手作業でお尻の形に作り上げています。
「尻餅」はお尻が一つですが、お尻が二つ入ったセット「おしり愛」も梅屋では発売しています。一人でもよし、日高路ドライブ中にカップルで買ってもよし、賞味期限1か月なのでもちろんお土産にもよいでしょう。ただし送る相手は良く選んで。
▼梅屋
所在地:様似町本町2-115
TEL:0146-36-2160
※梅屋は閉店しました。