音更町郊外には「水の神殿」という神秘的な庭園がある!

【音更町】音更町郊外の田園地帯に「水の神殿」と呼ぶ施設がある。誕生から5年経過した知る人ぞ知る穴場スポットである。

音更町には2010年に発売された「大雪な水」の採水地と採水工場がある。その水は、地下250メートルの深層地下水。大雪山から長い年月をかけ、天然のろ過装置を経て十勝平野の地下にやってくるため、おいしい水となる。製造元である鎌田商事(香川県)はこの自然の恵みに感謝し、2009年7月、深層地下水研究所敷地内・大雪山系深層地下水250m開鑿之地に、水が噴き出し流れる庭園を作った。それが「水の神殿」というだ。

この庭園は、面積は約100m2と広くないが、上空から見るとひし形のようになっており、土手で取り囲む。南側に土盛りしたかのようなドーム型の洞窟があり、底を通って敷地内に入る。北側には、何とも特徴的な、柳の木で作られた鳥居のような造形物がある。

▼鳥居



幾つもの噴水群からは水が湧き出しており、その水は中央の水路を通り洞窟の中に続き、ドーム中央の水琴窟という深さ1.5mの壺に注がれる。その水の流れる音は、高さ4mのドーム状の洞窟内に響きわたる。ドーム内にはベンチも設けられ、そこに座って水の音を聞くというのもいいだろう。天井を見れば、むしろが使われているのだが、これは戦時下の掩体壕をイメージしている。

▼ドーム状の洞窟



早稲田大学教授が設計したというデザインは、北海道の大自然をイメージ。全体を境内とし、ドーム型の洞窟が拝殿、鳥居状の場所を本殿のゲートとしている。日本の伝統的な鳥居と、北海道のアイヌ文化を融合したものとして作られたという。そのような前情報があれば、少し神秘的に感じてしまうのも無理はない。

同会場では、洞窟の空間を利用した過去にアートイベントも開催されたことがある。雄大な自然をイメージし、アイヌと和の融合で生まれた「水の神殿」。地下深くから噴き出してきた水の音をじっくり聞いていたい人にはお勧め。この場所で北海道らしさを感じてみてはいかがだろうか。

水の神殿(深層地下水研究所敷地内・大雪山系深層地下水250m開鑿之地)
音更町字中音更西2線(場所は非常にわかりにくい場所にある。道道771号線沿いの中音更会館から一区画北側に行った砂利道に位置する。開鑿之地の看板が目印)[地図]