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「オホーツク流氷館」で名勝天都山の眺望を楽しみ、本物の流氷に触れよう

  

網走市の観光施設が集中する国指定名勝、天都山(標高207メートル)。その頂上に建つのが網走市立科学館「オホーツク流氷館」です。名称天都山展望台(展望テラス)を併設する施設で、オホーツク海と流氷の仕組みを学び体験できる施設として知られています。

2015年8月に新館オープン

天都山(てんとざん)は、1925年(大正14年)、北海道網走支庁長であった渡辺勘一氏が「天ノ都ニイル心地ガスル」と名言を残したのに由来しています。1938年(昭和13年)12月に国の名勝に指定され、1951年(昭和26年)に展望塔が建設されました。

網走市は展望塔を建て替えすることとし、1979年(昭和54年)に「天都山展望台」を整備。1985年(昭和60年)に「オホーツク流氷館」を増築しました。世界最南限の流氷接岸地のエリアであることを活かし、年間を通して流氷を体験できる施設として知られてきました。

▼初代「オホーツク流氷館・天都山展望台」は5階建てで、展望室の高さは14.4mだった
「オホーツク流氷館」で名勝天都山の眺望を楽しみ、本物の流氷に触れよう

しかし、施設老朽化とバリアフリー化のため、旧施設の横に新施設を建設することが決定。2015年8月1日に新施設がオープンしました。

旧施設は、5つの展示室にわかれていて、1階にオホーツク海や流氷のなりたちについてわかる展示や110インチの大画面を有するオホーツク流氷シアター「オホーツク物語・あばしり」、2階は流氷の天使クリオネやフウセンウオなどの水槽展示、マイナス15度の濡れタオル体験と流氷展示が行われていました。3階にはレストランと天都山展望台が設けられていました。

新施設では地下1階から3階の展望テラスまでの4階層にわかれました。受付やショップ・カフェは1階。地下1階には、プロジェクションマッピングやオホーツク海と流氷の成り立ちがわかる展示、流氷幻想シアター、流氷体感テラスがあり、展示内容のほとんどがここに集約されています。2階は展望ギャラリーと「Café&restaurant 360」、3階に展望テラスがあります。

▼2015年にオープンした新館
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▼施設前には世界一標高の高いところに位置するニポポがある
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ここからは、新施設の見どころや楽しみ方をご紹介します。

本物の流氷に触れて、濡れタオルを振り回して遊ぼう!

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1階の受付で入館料を支払い、まずは地下1階へ。この地下への階段からすごい! 下っていく階段は、青い色に包まれているのです。階段の天井の光は、地味に動いていることに注目してみましょう。スタッフによると、人と動く速度と同じなので、「言わないと気づかれない」そうです。

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地下1階に降りると、まず北海道最大級の常設プロジェクションマッピングを楽しめます。流氷をかたどったオブジェが施された壁面に、アニメーションやクリオネ・アザラシの映像などを展開します。

暗い場所に案内されると、そこは「流氷幻想シアター」。正面と左右上下に展開する400インチの5面シアターが特徴で、流氷やオホーツク海の生き物などの映像が約8分間、映し出されます。流氷がどのように出現し北海道までやってくるかを、迫力ある映像と音声で学ぶことができます。地響きが下から伝わってきて、体感的にも楽しめるのが魅力。動物のような流氷の鳴き声に驚くこと間違いなしです。

▼5面シアターが特徴の流氷幻想シアター
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※シアターは撮影禁止です。今回特別に許可を得て一部撮影させていただいています。

一番のお楽しみ「流氷体感テラス」は、本物の流氷に触れられる体験型スペースです。2月の網走の平均的な最低気温であるマイナス15度に設定されているので、フリーサイズの防寒着を借りて中に入ります。

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ここでは本物の流氷100tを展示していて、実際に触ると、冷たい石を触っているかのように硬いことがわかると思います。展示する流氷は、流氷観光船「おーろら」号で砕いて採取し網走港に陸揚げされた流氷を使用。年に一度、春頃に入替作業が行われてるので、タイミングがあれば、その作業風景を見学できるかもしれません。

またここでは、濡れたタオルを回す体験もできます。タオルを手で一生懸命回すと徐々に固まってきますが、それは凍ってきている証拠。スタッフによると「30分くらい滞在するとかき氷を食べていないのに頭が痛くなってくる」そうなので、あまり長居しないほうが良さそうです。

▼濡れタオル体験「シバレ体験」
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フウセンウオやクリオネなどキュートな生き物たちも

「流氷の海の生きもの」と題するエリアには、クリオネ水槽があります。かわいいクリオネが、しじみやアサリのように翼足の仕組みで動いている様子を観察することができます。このほかミニ水槽では、シマエビ、ナメダンゴ、フウセンウオ、フサギンポが展示されています。中でも人気はフウセンウオ。見た目がキュートで来館者の目を楽しませています。

▼クリオネ水槽
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▼フウセンウオがかわいい!
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「流氷のふしぎ」コーナーでは、地球を冷やす冷たいオホーツク海の仕組みが学べます。例えば「流氷渦の仕組み」では、流氷帯の渦がどのように発生し、どのような効果が生じるのかを学びます。オホーツク海に常にある渦ですが、流氷が来ることによって視覚化されます。この渦は、下に沈殿した栄養を巻き上げて界面まで運んでいるとされていて、植物性プランクトンの増殖につながり、栄養豊かな海になっているようです。

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3階の展望テラスで名称天都山の景観を楽しもう!

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3階には展望テラス。1938年に国の文化財「名勝」に指定された天都山からの風景を、ほぼ360度の大パノラマで楽しむことができます。ここだけは入館料を払っても払わなくても、無料で利用できます。

▼網走刑務所と網走湖、能取湖
「オホーツク流氷館」で名勝天都山の眺望を楽しみ、本物の流氷に触れよう

ここからは、オホーツク海はもちろん、遠くに知床連山と知床の先端、知床岬、阿寒の山々、近くでは網走刑務所、サンゴ草で有名な能取湖、網走湖、藻琴湖、濤沸湖と小清水原生花園を見ることができます。これだけ多くの湖を一度に見られるのは珍しいでしょう。冬はオホーツク海に浮かぶ流氷帯も観察できます。

▼ジャンプして撮影するのがおすすめだとか
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流氷ソフトクリームが大人気!

「オホーツク流氷館」で名勝天都山の眺望を楽しみ、本物の流氷に触れよう

1階の「カフェ・ド・クリオネ」では、ここでしか食べられない「流氷ソフトクリーム」を食べられます。添乗員がおすすめすることによって口コミで広がり、今や大人気となりました。このソフトは、オホーツク海の塩を使った塩キャラメル味のソフトクリームで、青い塩をふりかけた状態で提供されます。この青い塩は、階層由来の天然色素で着色したもの。塩味も感じるけど甘いキャラメルとマッチしているので、塩味のソフトが苦手な人でも楽しめると思います。

以上、名勝の景観を楽しみ、オホーツク海と流氷について学び、本物の流氷に触れて、流氷ソフトまで楽しめる施設、オホーツク流氷館。春夏秋冬いつでもお楽しみください。

出演:川村莉央・長谷来実(@ria)

バスタビ北海道オホーツク網走編で訪れました。

オホーツク流氷館
所在地:網走市天都山244番地の3
電話:0152-43-5951
営業時間:5~10月8時30分~18時/11~4月9時~16時30分、年末年始10時~15時(いずれも最終入館は閉館30分前まで)※原則として定休日なし
入館料:大人770円、高校生660円、小中学生550円。天都山展望台は無料
駐車場:乗用車150台/バス50台

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編集部

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