100年続いた美深町「川岡菓子舗」の人気あんドーナツが空港土産に

100年の歴史を持つ美深町の菓子店「川岡菓子舗」が2018年に惜しまれつつ閉店。人気商品の一つ「あんドーナツ」は、旭川市の三葉製菓「北かり」が引き継いで伝統の味を残してきましたが、2020年8月下旬から道内の空港売店で「百年あんドーナツ」として再現・販売しています。

100年の歴史を持つ川岡菓子舗「丸福ドーナツ」

美深町市街、国道40号沿いに立地していた菓子店「川岡菓子舗(御菓子司 川岡)」(美深町大通北3-11)。1918年頃に初代店主が開業。「丸福ドーナツ」や「美深羊羹」、町特産品のチョウザメをかたどったクッキー「チョウザメくん」のほか、ケーキなど洋菓子も製造・販売していました。

しかし経営者の高齢化により、2018年9月末をもって閉店、約100年の歴史に幕を下ろしました。

開業当時からの看板商品だった あんドーナツ「丸福ドーナツ」は、町内外の人から愛されてきた店を代表する名物。この伝統の味を残したいとの思いから、かりんとうの「北かり」で知られる三葉製菓(旭川市)が製法を引き継ぎ、「北かり丸福ドーナツ」の名で製造・販売しています(川岡菓子舗は三葉製菓現会長の生家でもある)。小豆、小麦粉、砂糖、卵はすべて北海道産にこだわって作っています。

旭川市永山に本店を置く北海道のかりんとう屋「北かり」
旭川市の「北かり」が伝統の味を継承し「北かり丸福ドーナツ」として2019年から販売

道内空港売店で「百年あんドーナツ」として発売

この製法を受け継いだ「北かり丸福ドーナツ」に着目したのが、株式会社JALUX(ジャルックス)。空港店舗BLUE SKYを運営する会社です。

同社はこれまで、北海道産素材を活かした和洋スイーツを創造する北海道の菓子ブランド「北の窯(きたのかま)」シリーズとして、北海道ほっくコーン、北海道メロンチョコレートクッキー、北海道ほっくチーズを展開してきました。その第4弾として、「百年あんドーナツ」が2020年8月28日、北海道内6空港(新千歳、函館、帯広、釧路、女満別、旭川)の空港店舗「BLUE SKY」にて発売されました。

道内空港売店で発売となった「百年あんドーナツ」

この「百年あんドーナツ」こそ、美深町「川岡菓子舗」で長年愛されてきた「丸福ドーナツ」を現代風にアレンジしたもの。100年の歴史を持つあんドーナツに敬意を込めて「百年」と冠しています。

原材料は、北海道産小豆と小麦粉、卵などを贅沢に使用。秘伝のレシピを受け継いだ菓子職人がひとつずつ丁寧に仕上げるあんドーナツとなっています。

たっぷりのあん、薄い生地で、どこか懐かしい、しっとりとした食感が楽しめる一品。もしかしたら途絶えていたかもしれない100年続く昔懐かしい美深町の伝統の味が、旭川の「北かり」への継承を経て、道内空港売店で手軽に入手できるようになりました。

赤いパッケージが目印。4個入(税込 648円)、8個入(税込1,296円)で、道内6空港の「BLUE SKY」で購入可能です。