ギネス世界記録に認定!名寄「北の天文字焼き」の舞台裏に密着!

厳しい冬の名寄の夜を熱く盛り上げる一日限りの「北の天文字焼き」。30回目の節目となるイベントが2020年2月8日(土)に開催されました。日本最北のしばれ火祭りとして復活後も定着したこのイベントは、多数のボランティアに支えられて開催されています。ところで、あの巨大な火文字はどのように点火されているのでしょうか。今回特別に点火会場「太陽の丘」での点火の様子に密着させていただきました。

ギネス世界記録に認定された「北の天文字焼き」

「北の天文字焼き」のはじまりは、1989年に名寄市内のまちおこし集団「助っ人」が雪山に巨大な火文字を作ったことに端を発します。2011年には休止するも、2014年に復活。(復活の経緯については過去記事参照ください。)

「北の天文字焼き」3年ぶりに復活! 観光客も点火できる参加型イベントに

巨大天文字は縦220m、横150m、ドラム缶270個を使用、総画全長490mで日本一。2017年には、燃焼装置(ドラム缶)の数でギネス世界記録に認定されました。公式認定員マクミラン舞さんと補助認定員が認証装置(ドラム缶)の数をチェックし仮認定。250個のクリア条件を満たす270個で、見事世界一になりました。名寄市内初のギネス世界記録認定であり、認定証は名寄市北国博物館に展示されています。

そんな歴史を持つ「北の天文字焼き」は2020年2月8日、30回目の節目を迎えることとなりました。この日も例年と同じサイズの巨大天文字が浮かび上がりました。

25分かけて天文字完成

点火場所は、名寄市郊外にある斜面「太陽の丘」。17時半ころ、日が暮れて夕焼けが薄っすらと残る時間帯にスタッフが先に到着し、一般から募集した点火体験者120名を待ち受けます。参加者は地元自衛隊員や子供連れ、外国語を話す若者までさまざまです。

▼点火会場の「太陽の丘」

▼名寄市街を一望できる。この日はよく晴れていたこともあり氷点下20度近くあった

点火体験者はバスで太陽の丘の麓に到着後、徒歩やスノーモービルに乗って点火場所にやってきます。点火体験者はスタッフからタイマツを受け取ると、配置へ。あたりは真っ暗なので、懐中電灯やスマホのライトを使ってドラム缶の前に立ちます。ドラム缶は当日午前中のうちに設置されており、燃料がセットされています。

▼これがドラム缶

18時。天の文字の書き順に従い、左上に当たる場所で点火開始。隣の人から火をもらいながら、一つ一つのドラム缶に点火をしていきます。

▼18時に点火スタート

▼二画目も順次点火

18時25分。270個のドラム缶すべてに点火を完了するとともに、名寄川河畔から花火が打ち上がります。一般の見学者は、太陽の丘に近い名寄東小学校や東5南4周辺の撮影ゾーン、また少し遠くなりますが、西條(西4南8)屋上駐車場「見る広場」で見学します。

特に名寄東小学校の雪山に登れば、校庭一面に設置されたスノーランタンと花火と天文字のコラボレーションが楽しめます。西條名寄店屋上からは、名寄市街の向こう側に浮かび上がる天文字を楽しむことができます。19時過ぎには天文字の火力が弱くなっていますので、花火の間に見るのがベストでしょう。

▼名寄東小学校から見る天文字

▼名寄東小学校校庭にはスノーランタンも

▼西條名寄店屋上から見る天文字

【映像】動画で見る「北の天文字焼き」舞台裏

延べ300名超のボランティアスタッフが支える

北の天文字の最高潮は18時25分からですが、準備と後片付けも大変なもの。横澤博実行委員長によると、延べ300名を超えるボランティアスタッフによって支えられています。

ドラム缶は当日の午前中、陸上自衛隊名寄駐屯地の雪上車に協力してもらい、天の文字の形に並べていきます。終了後すぐに撤去はできないので、翌朝にドラム缶を撤去しています。

例年「なよろ雪質日本一フェスティバル」と同時開催しており、名寄の冬を盛り上げています。今後も50回、100回を目指して長く続いてほしいものです。

▼なよろ雪質日本一フェスティバルと同時開催