北洋銀行のこの街紹介!石狩市の有精卵「イコロラン」のおいしさのヒミツとは

北洋銀行が連載するこの街紹介シリーズ。今回は石狩市の花川北支店が担当します。

一般家庭にはもちろん、一人暮らしでも、ほとんどの世帯の冷蔵庫に必ずあるといってよい食材「玉子」。メインデッシュとして、あるいは脇役として料理のレパートリーは数知れず。店頭にも一年を通して当たり前のようにならんでいますよね。今回は石狩市でおいしい有精卵「イコロラン」を生産している養鶏場「ノーザンノーサン」さんにその人気の秘密をうかがいました。

札幌中心部から車で約30分、石狩市樽川にある「ノーザンノーサン」では直売所も併設しています。そこで約800羽の鶏を相手に毎日奮闘しているのは岩城夫妻。ご主人は石狩育ち、奥さんは函館出身。2001年に石狩市新規農業者認定をいち早く受けました。

新規就農として2001年にミニトマト栽培から始めて、養鶏場をスタートさせたのが2010年。その後、2年前に養鶏場を移転し同時に直売も始めました。環境にやさしい農業を目指して就農したのですが、当初は冬の過酷さに心が折れそうになることもしばしばあったそうです。しかし数年前に、近隣の食品工場や企業の協力のもと、念願だった本物の循環型農業が実現したのでした。

岩城さん

循環型農業? どうやらこれがおいしさのカギかも。

循環型農業とは。環境にやさしい循環型農業のポイントは無駄のないリサイクルシステム。しかも2種類の循環があるといいます。

一つ目は生態系を活かした循環。鶏が食べる肥料は食品工場が製品を製造する過程でどうしても出てきてしまう副産物やはね品。これを有効活用したエサを鶏に与え、大地に排出されたフンを肥料にして野菜を育てる。そうして育てた野菜のうち出荷できないものは再び鶏のエサに再利用する。まさに無駄のない自然の摂理を活かしたシステムですね。

二つ目は流通の循環。この循環システムで生産された玉子は、はね品などを提供してくれた企業も購入してくれるそうです。

2つのやさしい「輪」がつくりだす極上の玉子は「コープさっぽろ」さんの一部店舗や、「フーズバラエティすぎはら」さん(札幌市宮の森)、「きたキッチン」さん(さっぽろ地下街)などこだわりの食品を並べる個性派店で買うことができます。

そのほか添加物を使用しない安心安全な道産食材にこだわった「PARK DELI」さん(札幌市中央区)で人気のキッシュは、「イコロラン」を使っています。キッシュの味を決める玉子を追求した結果、「ノーザンノーサン」にたどりついたということです。

やっぱりTKG!

一番おいしい食べ方を聞くと「やっぱりTKG(玉子かけごはん)ですね!」と即答。なんと特別に試食させてくれました!!

割るとそれはそれはきれいなレモンイエローの黄身がしっかりと存在し、卵白も濃厚。配合飼料を一切使用していないので本当に自然な色味です。口に含むとなんとも上品で繊細な甘さ! その奥にほんのり微かに塩味もあり、幾重にもかさなりあった贅沢な美味しさを楽しむことができました。

こんなに美味しい玉子を産んでくれる鶏たちに一目会いたいと岩城さんに懇願すると、快くOKしてくれました。実はここにも美味しさの秘密がかくされていました。より自然な環境で過ごしてほしいということで雄鶏と一緒に平飼いし、広いスペースでストレスなく育てているそうです。男子の存在が女子力を上げてくれるのは人間も鶏も一緒のようですね。

現在の悩みは需要と供給のバランスだそうです。「ホントに自然のまま育てているので、季節によって鶏たちの体調もかわってきます。それにより生産量に影響がでることも。でもファンの方々や企業の方々のご協力で乗り越えてきてるので、ありがたい限りですね」と笑顔で話していました。

最後に「イコロラン」の名前の由来を聞きました。「イコロ」とはアイヌ語で「宝」という意味で大切に育てた「宝」の「ラン(卵)」を皆様の大切な食卓にとどけたいという思いで付けたそうです。

ところが最近アイヌの方々と話しをするなかで、アイヌ語で「ラン」は「降ってくる」という意味だとはじめて知ったのです。まさに「宝」が「降ってくる」! なんとも名前も味も神がかっている玉子をぜひご賞味ください。

ノーザンノーサン
直売所(イコロン村):石狩市樽川442
E-mail:icororan@gmail.com

撮影:CROSSROADSWORKSHOP

北洋銀行花川北支店(ハナカワキタシテン)

石狩市花川北3条3丁目12番地
TEL:0133-74-3131