いかめしは全国No1!駅弁王国

 北海道は新鮮でおいしい駅弁が多い「駅弁王国」です。やっぱり全国的
に有名でナンバーワンの駅弁は「いかめし」です。今回は森駅のいかめし
特集。

※ところで、北海道における駅弁は、道内最初の幌内鉄道開通間もないこ
ろに銭函駅で甘酒饅頭を立ち売りしたのが始まりといいます。よく知られ
ている札幌の老舗駅弁店といえば「札幌駅立売商会」で、1890年に札幌駅
で初めて駅弁販売をした高田文蔵氏に続いて1899年に開業・営業人となっ
た比護屋が前身です。現在も北海道一の老舗駅弁屋さんです。

森駅のいかめしとは?


いかめし


 北海道駅弁の、いや、国内駅弁のナンバーワンの座に座り続けてきた名
物駅弁です。渡島管内森町森駅の駅弁で、お値段470円と、駅弁としては
手ごろな値段です。中身はシンプルイズベスト。いかめしが2個(たまに3個)
ゴロンと入っているだけで、他に具材なし。サイズも期待していたよりも
小さめで12cm×10cmの箱

 いかめしは、小ぶりのイカの脚とはらわたを取り除いた胴体に、うるち
米ともち米(約1対2割合)を詰め、爪楊枝で口を縫ったあと、お湯で煮て作
られます。これによってやわらかくなります。そのあとしょうゆベースの
秘伝のタレで煮込んで完成。「はし」はないから爪楊枝をつかんで食べましょう。

いかめし

 そんな「いかめし」は、実はすごい記録を更新中です。京王百貨店が毎
年開催する「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会(駅弁の甲子園、駅弁大会
とも呼ばれる)」では、実演弁当売上個数ランキングが37年連続全国一位
(2007年第42回大会現在)。しかも2位と大差をつけることもしばしば。1966
年(第1回)以来、一位じゃなかったのは3回だけだそうで、そのうち69年、70年の2回は渡島管内長万部町のかにめしが1位だったのですから、北海道の駅弁はすごいですね。

森町・いかめしの誕生!

 最強駅弁元祖いかめしの誕生は1941年のこと。製造している阿部商店
(1903年構内販売開始)が、豊漁であったもののあまり利用価値のない小型
スルメイカを有効利用する方法を考え付いたのが始まり。

 当時は戦時下で米は配給でしたので、お米を節約しつつ、腹持ちがよく、
おいしいいかめしは大ヒットとなったわけです。味付け、製法やサイズは
発売当時(値段30銭)以降ほぼ変わっていません。徐々に値上がりしていき
、北海道物産展に出店し全国的に有名になっていきました。甘辛い味付け
で、中身はもちもち、やわらかいイカ
のいかめしは、今も駅弁ツウには欠
かせない有名駅弁です。

森駅前柴田商店

 元祖いかめしは、基本的には森町で常時販売しています。駅弁なので森
駅構内売店、ホーム(夏季限定)、札幌~函館間の特別急行スーパー北斗車
内販売(一部)、さらに駅前柴田商店(写真)でも購入できます。でも、いかめし販
売数の多くは、地元よりも全国物産展のほうが多いんだとか。

 元祖駅弁いかめしは森町ですが、函館市の名物でもあります。真空パッ
ク詰のいかめしが手に入りますが、森町の元祖いかめしではないいかめし。
また、駅弁としては、静内駅弁の日高名物北海いかめし(500円)も登場した
ことがあります。

その他の北海道駅弁!

 続く人気駅弁といえば、渡島管内長万部町長万部駅(おしゃまんべ)の
かにめし」
。四角い箱にぎゅっと詰まっている、カニのちらし寿司のよう
な駅弁です。かにめしも、いかめし同様、豊漁であった毛がにの有効利用
として1950年に生まれた駅弁です(ちなみにその前は煮カニ販売)。同様の
かにめしは道内各地に点在していますが、かにめしといえば長万部です。

 十勝管内池田町の駅弁は「十勝牛のワイン漬けステーキ弁当」で、これ
も人気駅弁のひとつ。釧路管内厚岸町厚岸駅(あっけし)の駅弁は厚岸名産
の牡蠣を使った「かきめし」。根室本線有人最東端駅根室市根室駅には、
乗り継ぎの必要がなかったためか開業以来ずーっと駅弁はありませんでし
たが、2004年に初めて花咲がにを使った「花咲かにめし」「花咲かに釜」
が誕生しています(駅弁最東端)。釧路市釧路駅の駅弁は「たらば寿し」
有名。

 札幌駅は最も駅弁の数が豊富。「ジンギスカンあったか弁当」宗谷黒
を用いた「北の黒牛弁当」をはじめ、季節駅弁、日本ハム応援弁当やYO
SAKOIソーラン弁当など期間限定の駅弁も多数登場します。

 他にもたくさんあり、あげればきりがないほど。道内25駅に200種類以上
の駅弁がある
という資料があります。北海道の駅弁の特徴としては見た目、赤色がベースです。それぞれ地元の新鮮な素材を使った
御当地駅弁です。道内車窓の旅をなさる際は、駅弁も楽しみましょう。