ラーメンを食べる時の楽しみのひとつと言えば、やはりチャーシューでしょう。1杯のラーメンを食べ進める中で、どのタイミングでチャーシューを食べるべきかとタイミングを図った経験は、誰にでもあるはず。
そんなチャーシュータイミング問題を一掃してくれる、夢のようなラーメンが存在するという噂を聞きつけました。一体どういうことなのか、さっそく店にお邪魔することに。向かったのは、苫小牧市の「味の一龍」です。
見た目のインパクトだけじゃない!
▼街の風景にしっくり馴染む外観
お目当ての店は、街の風景に何の違和感もなく馴染んでいました。この外観だけで長い間この地で地元に愛されてきたことが分かり、期待が膨らみます。さて、噂に聞いたラーメンとは「ジャンボチャーシュー」です。テーブルに到着したラーメンを見て、納得しました。
▼チャーシューで麺が見えない!
目の前に現れたのは、丼を覆い尽くす4枚の巨大なチャーシュー。ものすごい迫力です。筆者が注文したのは、果たしてラーメンなのか、チャーシューなのか。いや、これこそが「ジャンボチャーシュー」なのです。
▼見よ、この分厚い肉塊を
大きなだけじゃなく、その分厚さにも驚かされます。試しに測ってみたところ、2.5cmありました。それが4枚、惜しげもなく丼に乗っている様は、まさに圧巻。確かにこれだけのチャーシューが乗っていれば、食べるタイミングなど考える必要もなく、贅沢にワシワシと食べ進めることができます。まさに夢のようなラーメンです。
▼使われているのは肩ロース肉
実際に食べてみると、見た目はこれだけ豪快なのに、口の中でホロホロと解ける柔らかさ。箸で持ち上げようとすると崩れそうなほどです。味もしっかり染み込んでいて、とてもジューシー。取り皿が付いてくるので、後で食べるチャーシューは横に避けつつ、麺やスープと共に楽しみます。
これで1,380円というのだから、なんともありがたい限り。ちなみに味噌、醤油、塩があり、筆者は醤油を選びました。
地元のみならず海外からのお客さんも
店に入る前、外観から地元に根付いた店なのだと予想した通り、取材時はお客さんがひっきりなしに訪れていました。聞けば、地元のみならず、日本全国、いや、海外からもたくさんのお客さんが訪れると言います。やはりジャンボチャーシュー目当てに来る人が多いようです。
▼外国人向けメニューには「Unforgettable meal!」の文字
「確かに目玉商品なんだけど、ほとんど利益がないんですよ」
と苦笑するのは、店主の浅野賢治さん(70歳)。脱サラして1985(昭和60)年にこの店をオープンし、長きにわたり腕をふるってきました。
「それでも、薄いより厚いチャーシューの方が食べておいしいでしょ」(浅野さん)
▼店主の浅野賢治さん
試行錯誤を繰り返して20年前に完成したジャンボチャーシューは、油出しして醤油に漬け込み、煮込み、冷やしてまた煮込んで、作り始めてから4日目でようやくお客さんに提供されます。ラーメン1杯に入っているチャーシューは、それだけで重さ700~800gもあるそう。
▼カウンター上に並んだメニューの数々
「味の一龍」には、他にも気になるメニューがたくさんあります。中でも「地獄」と名の付いたラーメンは一丁目から三丁目まで辛さの段階が徐々に上がっていくということで、辛いもの好きのお客さんに好評です。ジャンボチャーシューを辛くした「地獄ジャンボチャーシュー」もあります。
お客さん第一で、メニューも豊富で、お腹も満たされる。こんなラーメン屋さんが近所にあれば、毎日でも通いたくなるはずです。そして特別な日には、やっぱりジャンボチャーシューを注文しちゃうのでしょうね。
所在地:北海道苫小牧市しらかば町3丁目31番地19号
電話:0144-73-0751
営業時間:10時30分~21時30分
定休日:月曜日(祭日の場合は営業)、年末年始