「北のハイグレード食品2021」が決定!優れた道内産品21品を紹介します

北海道の優れた加工食品を選定する「北のハイグレード食品2021」の受賞セレモニーが2021年2月22日(月)午後、札幌パークホテル(札幌市中央区)で開催されました。本年度はワイン、肉類、海産物、スイーツに至るまで19事業者21商品が受賞しました。

目次

全体のレベルが高く、前年度よりも多く選定

今年度は19事業者21商品が選定

北海道産食品のトップランナーを選定する「北のハイグレード食品」(北海道経済部食関連産業室)は2010年度に始まり、今回の2020年度まで毎年実施されてきました。北海道各地のワイン、肉類、スイーツ、海産物など幅広い分野で北海道産食品の応募を受け、全国・世界でも有名なプロの審査員の素晴らしい目と舌にかなった商品を選考しています。昨年度までに累計124事業者144商品が選ばれました。

審査員代表・浅野裕紀さん

2020年度の今回は、過去最高の113品の応募があり、最終審査に残った36商品から19事業者の21商品が選ばれました(昨年は13商品)。地域別内訳は、空知1、石狩5、後志2、胆振1、日高1、渡島2、上川6、留萌1、十勝2で、特に上川管内から多く選ばれています。

審査員代表で北海道食のサポーター 浅野裕紀さんは「全体のレベルが高く、たくさんの商品を選ぶことができた。年々クオリティが上がっていて、パッケージ、風味、後味まで研究の成果が見られた」と総評を述べました。

土屋俊亮 北海道副知事

土屋俊亮北海道副知事はお祝いの言葉で、「さらにブラッシュアップして高みを目指していただきたい。地域の魅力ある商品づくりのモデルになっていただき、北海道全体が追い付いて追い抜いていく、良い意味での切磋琢磨につながれば」と述べました。

今年も一般社団法人北海道食品産業協議会「第28回北海道加工食品コンクール」授賞式が共催され、「北のハイグレード食品2021」受賞者のうち下記の3商品が各賞を受賞しました。

  • 一般社団法人北海道食品産業協議会会長賞:チキン じゅーしぃー ウインナー(有限会社食創造さんだかん)
  • 札幌市長賞:ハスカップスパークリング(北海道中央葡萄酒株式会社(千歳ワイナリー))
  • 北海道知事賞:あべ養鶏場がつくった えっぐぷりん(株式会社あべ養鶏場)
北のハイグレード食品2021受賞事業者代表者

では、「北のハイグレード食品2021」を受賞した21商品をご紹介します。(価格表示はいずれも税別、北海道内参考価格です。)

【千歳市】ハスカップスパークリング(北海道中央葡萄酒株式会社(千歳ワイナリー))

ハスカップスパークリングと北ワインケルナー

手摘みした千歳産ハスカップを使って瓶内二次発酵。ルビー色の色調とベリー(いちご)の香り、きめ細かな泡立ちが特徴です。「千歳市では1970年代中頃からハスカップ栽培を行ってきた。ハスカップの価値を伝えていくのに世界初瓶内二次発酵という高級スパークリングワインの製法で作った」と担当者は説明しています。「北海道らしい果実のスパークリングで女性受けしそう」「Co2の強さのバランスがよく、酸もしっかりある」など、北海道らしさと女性受けしそうな色味などが評価されています。

750ml(2,673円)

【千歳市】北ワインケルナー(北海道中央葡萄酒株式会社(千歳ワイナリー))

同じく千歳ワイナリーの商品で、こちらは白ワインです。余市町の契約農家「木村農園」のぶどう(ケルナー)を100%使用した辛口白ワインは、コンクールで連続受賞に輝いてきました。「さわやかな味わいになっている」と担当者は説明しています。「味に酸味、甘味のバランスが良い」「すっきりした味わいで食べ物を選ばないワイン」など、その酸味とバランスの良さが評価されています。

750ml(2,400円)(2019年ヴィンテージ)

【富良野市】ふらのワイン ミュラートゥルガウ2019(富良野市ぶどう果樹研究所)

ふらのワイン ミュラートゥルガウ2019

富良野市ぶどう果樹研究所が送り出す、富良野産ぶどう100%、フルーティな香りと爽やかな酸味が調和したワイン。35年ほど前にふらの市民還元用からスタートしました。後味はよく熟したぶどうが持つほんのりとした果実味。「2019年は天候もよく、とても良い出来になった。青りんごのようで香りが非常に良い。野菜、特にアスパラガスと合わせやすい。さらにコスパが良い」と担当者は説明しています。

720ml(1,682円)

【上川町】純米 神川(上川大雪酒造株式会社)

上川大雪酒造「純米 神川」

北海道産米(酒造好適米)と大雪山系の天然水を使って、「上川町の緑丘蔵で昔ながらの製法で丁寧に醸造し、上川町周辺で販売」しています(同社広報担当)。米の旨みを味わえるすっきりしたお酒で、「優しい口当たり、ほのかな残香が心地よい」「コクがあって肉に合いそう。味の濃い料理に合わせてほしい。温めてもよい」「飲まさる酒」などの評価を得ています。

720ml(1,200円)

【士別市】OilDO オメガ3北海道産亜麻仁(あまに)油(合同会社OMEGAファーマーズ)

OilDOオメガ3北海道産亜麻仁油

北海道産亜麻仁100%使用のオメガオイルは大変希少。生産・加工・完売までを一貫して農業者が手掛けています。「一昨年設立し、昨年工場を稼働。小学校廃校舎を活用し、8名の生産者自ら絞っている」と担当者。「種子を厳選し、油も何度もテストを繰り返しながら良いものを作っている。身体に必要な脂肪酸を兼ね備え、アンチエイジングと美容にとても良い」とも話します。「そのまま飲める、オメガ3含有天然オイル」「香ばしくておいしい。仕上げに少し使うなど料理の幅を広げられそう」などと評価されています。

110g(2,778円)

【美瑛町】ジャージーバター(美瑛ファーマーズマーケット株式会社)

ジャージーバター

希少なジャージー牛乳のみで作った無塩バター。滑らかなくちどけの中にコクがあり、爽やかな旨みが特徴です。「牧場のすぐ近くに自社工場(北海道HACCP認証)があるので、8時に絞って10時くらいに生乳にする。添加剤は一切入れていない。牧場職員・加工場職員が心を一つにしておいしいものを作っている」と担当者は説明します。「パンの味わいを壊さない」「牛乳感がしっかり残るおいしいバター」「価格はリーズナブル」などの評価を得ています。

250g(1,388円)

【赤井川村】海藻入り発酵バター(株式会社山中牧場)

海藻入り発酵バター

自社製造の発酵バターに道南函館産の海藻(マコンブ、ローストコンブ、ダルス)と海苔(青のり、岩のり)を練りこみ、日本人の口に合うようアレンジした海藻バター。クリームも生乳も北海道産。「フランスでは当たり前にある、日本では知名度の低い商品。完成後に入れるのではなく、バター製造途中に一緒に海藻を入れることで味の深みが出るようにしている。手間がかかるがおいしく出来上がった」と山中さんは太鼓判。「海藻の風味が口いっぱいに広がって、まさに北海道らしいバター」「塩がきいていておいしい」「価格が気にならない」など評価を得ています。

200g(2,500円)

【札幌市】潮騒(しおさい)のニシン(豊商店)

潮騒のニシン

素材本来の味を生かした石狩市厚田産の無漂白数の子。海苔を巻いて家庭で簡単に寿司屋の味を楽しめます。父子2代のチームワークで開発しています。「今までになかった濃縮たれと海苔がセットになった数の子。本来の味が加工しても失われないよう、薬品や保存料を使わない本物の味を求めてきた。家庭でも食べられる商品を数十年かけて作ってきた。お歳暮お中元に」と担当者。「名前が良い」「薄皮がとれていて使いやすくておいしい」「塩素の香りがなくてよい」などと評価されています。

250g(7~8本)(3,780円)※2020年度参考価格

【鹿部町】ほんのり焼たらこ(株式会社丸鮮道場水産)

ほんのり焼たらこ

北海道噴火湾産スケトウダラの卵を100%使用し、ミディアムレアに加熱してから一口サイズにカット。「外側だけ過熱状態でぷちぷち、中はしっとり感」。「一口サイズにカットして食べやすくした。北海道はたらこ消費は多いが、お手軽にいろいろな場面で食べていただきたいとの思いで作った」と担当者。「味・価格・使い勝手で高評価」「お土産に良い」「手間をかけた商品だと思う。頑張っている感を感じた」「たらこの良さがわかる」などと評価されています。

120g(600円)

【札幌市】北海道雄武産鮭水煮(国分北海道株式会社)

北海道雄武産鮭水煮

脂ののった雄武産秋鮭の味わいを生かし、塩だけで味付け。見た目も美しい逸品です。「北海道命名8年後に日本初の缶詰工場が石狩にできた。2018年の北海道命名150年を記念し、その時を思い起こす商品を作りたいとの思いで開発。雄武近海2.6㎏以下のシャケの身だけを使い、缶詰職人が手間を惜しまず一つずつ手詰めしている。開けた瞬間の感動を味わってほしい。歴史と伝統、熟練した職人の維持と情熱が詰まった一品を堪能して」と担当者は話します。「懐かしい味。36カ月の保存がきく」「缶詰とは思えない美味しさ」「北海道固有の宝ともいえるシロザケのおいしさを引き出すこだわりの缶詰」と高評価を得ています。

180g(680円)

【上士幌町】十勝ハーブ牛と塩だけで作ったコンビーフ(株式会社ノベルズ食品)

十勝ハーブ牛と塩だけで作ったコンビーフ(白)、十勝ハーブ牛と黒胡椒で作ったコンビーフ(黒)

十勝ハーブ牛のスネとネックだけに限定して製造したコンビーフ。白(ハーブ)は約6年前に誕生しました。牛本来のおいしさを伝えることをテーマに、合成着色料や食品添加物を使わず極力シンプルな味わいに仕上げています。「ふるさと納税だけで累計13万缶を超える弊社代表商品になった」と担当者は説明します。「塩の具合と素材とバランスよく調和している」「脂分のバランスが良い」「高級感がある」などと評価を受けています。

95g(1,100円)

【上士幌町】十勝ハーブ牛と黒胡椒で作ったコンビーフ(株式会社ノベルズ食品)

先の白(ハーブ)のシリーズとして2020年に誕生した黒(黒胡椒)。同じくスネ・ネックのみを使ったコンビーフで、スパイスとやさしいお肉のコラボレーションで、ワインも進みます。「リニューアルしたパッケージはシンプルに白と黒(前述のハーブと合わせて)。塩とコショウを見た目で分かりやすく表現し、十勝ハーブ牛のロゴカラーでもあり、弊社を象徴する商品になってほしいとの思いで変更した」と担当者は説明します。「香辛料の使い方が良好」「黒胡椒のパンチがよく2つのバランスが良いと思う」などの評価を得ています。

95g(1,100円)

【深川市】チキン じゅーしぃー ウインナー(有限会社食創造さんだかん)

チキン じゅーしぃー ウインナー

鶏肉をソーセージにしたというびっくり商品。鶏肉の特性と職人の巧みを駆使し、自然香辛料と蜂蜜で作った「鶏もも肉のソーセージ」。「無添加で作り続けて四十数年。余計なものを入れずに原料を吟味して、ソーセージになるものを集めて手で練り、決して薬を使わないと決意している。知床の鶏肉のソーセージは焼きたてを食べてほしい」と担当者。社長の道産食品への情熱とプライドが詰まっています。「鶏肉とは思えないジューシーさで驚いた」「チキンウインナーは初めて聞いた」「クセがなくのど越しもよい」などと高評価を得ています。

120g(600円)

【黒松内町】スペアリブベーコン(黒松内町特産物手づくり加工センター(トワ・ヴェール))

スぺアリブベーコン

脂身が少なく煮込み料理にも合う骨付きベーコン。北海道物産展でも人気の商品がついに受賞です。「約10年前、店頭販売でもっと脂身の少ないベーコンを作ってほしいという要望があり、肩バラ肉を使ったベーコンを考案したのが始まり。骨を外したそのままスライス、あるいは一本丸ごと圧力なべに入れて煮込むと肉の味を楽しめる」と担当者は説明します。「塩と燻香とのバランスが良い。丁寧な仕上がり」「桜チップの香りもよくおいしい」「脂肪が少なく食べやすい」などの評価を受けています。

100gあたり450円

【札幌市】熟成白カビ生ハム(CHAIR CUTIER有限会社)

熟成白カビ生ハム

北海道産SPF豚の肩肉を独自製法で熟成し、チーズのような味わいの生ハムができました。「2019年12月に作り始め4月くらいまで製造。冬の寒い気温を利用して白カビを繁殖させることに成功した。白カビをつけないで熟成するより、表面を白カビでコーティングすることで、より時間をかけて中まで旨みを閉じ込めている」と担当者は説明します。「白カビの風味がすごく良い」「ヨーロッパの香りがする」など、味わい、風味、コク、色合い、北海道の気候を生かした製法など、審査員からトップクラスの高評価を得ました。

60g(1,200円)

【北斗市】おぐに牧場黒毛和牛100%ハンバーグ(おぐにビーフ株式会社)

おぐに牧場黒毛和牛100%ハンバーグ

肉の味を高める飼育方法で育てた牛飼いが試行錯誤し、自ら調理して成形までこだわったハンバーグ。2001年に牧場を立ち上げ「黒毛和牛を生産しており、その傍らで直営所で食肉販売やレストランへの卸売業を営んでいる。身近な商品から和牛のおいしさを分かってもらえる商品を味わってほしいと思って作った」と生産者は話します。「香りの立ち具合も良好、食感も良好」「自然な味わいが良い」「ここまでしっとりさせるのは大変だったと思う」などの評価を得ています。

180g(780円)

【留萌市】RuRurosso生つけ麺(株式会社フタバ製麺)

RuRurosso生つけ麺

南留萌産の希少な小麦を原料に商品化した「ルルロッソ」を、つけ麺にアレンジしたのがこちら。「パスタづくり10年を境に何かできないかと。小麦の味がおいしい、もちもちしていてこしがあるので、つけ麺にアレンジすることで、味わい深くおいしいものになるのではないかとの想像の中から約2年前に着手し、昨年の道の駅るもい開業に向けて商品開発した」とコメント。魚介スープ付きで、小麦の風味とモチモチ感がなじみます。「スープの魚介の味がよく麺に絡んでいる」など評価を受けています。

麺175g×2、スープ40g×2(500円)

【下川町】あべ養鶏場がつくった えっぐぷりん(株式会社あべ養鶏場)

あべ養鶏場がつくった えっぐぷりん

自社の「下川六〇酵素卵」など素材はすべて北海道産を使用し、素朴ながら濃厚なたまご感の強いプリン。「先代の阿部さんが昭和39年から養鶏場を営み、4年前に引き継いで、一昨年に加工品製造を始めた。最初は燻製卵を作り、そのあとエッグプリンで好評。カラメルはつけてなかったが、つけたほうがおいしいということでつけた。まずそのまま召し上がって、そのあとカラメルを付けて食べると二度おいしい」と担当者は話します。「卵の味が上品でよく出ている、甘さのバランスもよい」「固めのプリンで濃厚」などの評価を受けています。

90g(380円)

【安平町】北海道チーズケーキ~カマンベールチーズ&クリームチーズ~(夢民舎)

北海道チーズケーキ

熟成されたカマンベールの風味と濃厚なクリームチーズのコクを味わえるチーズケーキ。「チーズ職人の父とレストラン運営の母の力が合わさって生まれた商品。本物のカマンベールチーズの風味がしっかり出るように配合を試行錯誤し、チーズ屋さんならではのチーズケーキに仕上がっていると思う」と担当者は話します。「生クリームのクリーミーな味合がとてもいい」「塩味が丁度良い」と評価を受けています。(※2021年2月23日追記:ブルーチーズは入っておりません。一部文言を修正いたしました。)

4号(1,500円)

【旭川市】江丹別の青いチーズケーキ(Chirai restaurant & café)

江丹別の青いチーズケーキ

旭川市江丹別の名品「江丹別の青いチーズ」をぜいたくに使ったチーズケーキ。「北海道産クリームチーズと生クリームを絶妙なバランスで配合したケーキ生地。江丹別の青いチーズの自然な風味とクリーミーさを最大限生かした」と担当者は説明します。「口に入れた後でブルーチーズの香りが広がってくる」「くちどけの滑らかさがとても良い」などの評価を得ています。

280g(2,273円)

【新ひだか町】さくらのIkor(イコロ)(有限会社太田養蜂場)

さくらのIkor(イコロ)

「会社の中で新ひだか町を代表する商品を作りたいということで始まった企画。二十間道路桜並木の近くにミツバチを設置して採取した蜂蜜。イコロとはアイヌ語で宝物という意味。二十間道路は新ひだか町の宝物なので、500件の応募から選んだ。桜はもちろん、周辺に咲くたんぽぽの花の蜜も入っているので、桜の風味とたんぽぽの苦みを感じていただける、春らしい商品」と担当者は話します。「上品で香の素晴らしさに驚き」「味の切れがよく食べやすい」などの評価を得ています。

110g(1,278円)