新造船「ガリンコ号ⅢIMERU」就航で紋別流氷観光船はこう変わる!

紋別市の流氷観光の主役として長年活躍してきた流氷砕氷船「ガリンコ号Ⅱ」。そのガリンコ号にこのたび新造船「ガリンコ号ⅢIMERU」が誕生し、2021年1月に就航します。これにより、冬の紋別の流氷観光船観光は2隻体制となります。(トップ写真:オホーツク・ガリンコタワー株式会社提供)

三代目ガリンコ号までの軌跡

現在紋別の流氷観光船で稼働しているのは「ガリンコ号Ⅱ」。「Ⅱ」ということは「Ⅰ」があるのかというと、初代「ガリンコ号」と命名された世界初の流氷砕氷観光船が1987年に就航し、1996年まで運航されていました。

引退後の船体は現在、ガリンコ号の乗り場前の紋別海洋公園ガリヤゾーンに保存されています。ガリンコ号は、流氷を砕いて進むためのアルキメディアン・スクリューが最大の特徴です。

陸揚げ保存されている初代「ガリンコ号」

初代「ガリンコ号」スペック

建造三井造船
総トン数39トン
サイズ全長24.9メートル、全幅7.6メートル
最大速力4ノット
旅客定員32名(1988年に二階層化で70名)
進水1981年12月26日(実験船おほーつくとして)
就航1987年2月1日~1996年3月10日

続いて登場したのが「ガリンコ号Ⅱ」。初代引退をうけて翌シーズンから運航開始しました。造船時から観光目的で製造されたため、冷暖房が可能な客室と売店が設けられて快適さが向上。船体は初代よりも大幅にサイズアップし、定員は最大195名となったほか、初代よりも8km遠い沖合10kmまでの航行が可能になりました。

真っ赤なボディが特徴「ガリンコ号Ⅱ」

「ガリンコ号Ⅱ」スペック

建造ヤマニシ
総トン数150トン
サイズ全長34.8メートル、全幅7メートル
最大速力11.4ノット
旅客定員195名
進水1996年8月
就航1997年1月20日~

しかし、流氷観光の需要が大きいことから、新造船を加えた2隻体制での運航を実現させることとしました。そこで誕生したのが、三代目の「ガリンコ号ⅢIMERU」。2021年1月に就航します。

スケールアップした「ガリンコ号ⅢIMERU」

船名の「イメル」とはアイヌ語の「稲光」「雷」を意味する言葉。「ガリンコ号ⅢIMERU」は、「ガリンコ号Ⅱ」と比較すると一回りサイズが大きく、全長が10メートル長くなり、初めての3層構造となるため旅客235名を収容可能です。最大速力も増し、より遠くの沖合まで航行可能になったため、流氷に会える確率もアップしそうです。

新造船「ガリンコ号ⅢIMERU」(オホーツク・ガリンコタワー株式会社提供)

「ガリンコ号ⅢIMERU」スペック

建造三浦造船所
総トン数366トン
サイズ全長45メートル、全幅8メートル
最大速力16ノット
旅客定員235名
進水2020年7月29日
就航2021年1月9日~
「ガリンコ号ⅢIMERU」2階客室(オホーツク・ガリンコタワー株式会社提供)

全階層に座席が設置されています。窓側座席足元にコンセントが設置されているほか、1階後方に男女別トイレが設けられています。各階の移動は、船内階段と屋外デッキの階段が利用できます。

乗船・下船は2階から行うため、インフォメーション&ショップが2階に設置されています。2階は1・3階と異なり、一人がけ座席が設けられています。2階前方は進行方向を展望できるスペースになっているため、流氷の中を進む様子を間近に見学できるでしょう。2階後方には展望デッキが設けられています。

3階の流氷見学室(オホーツク・ガリンコタワー株式会社提供)

3階は窓向きに座席を配置した流氷見学室です。3階前方に操舵室があるほか、側面には展望デッキを配しています。

「ガリンコ号ⅢIMERU」は11月5日に造船所のある大分県佐伯港を出発し、横浜や石巻、道内では十勝港や網走港を経て11月24日に紋別港に入港しました。

「ガリンコ号ⅢIMERU」就航で運航体制はこう変わる!

ガリンコ号が2隻体制になったことで、輸送力が増します(ただし2021年は新型コロナウイルス対策のため定員を変更して運航)。どのような運航体制になるのでしょうか。

「ガリンコ号ⅢIMERU」(オホーツク・ガリンコタワー株式会社提供)

2021年からは、1~3月の冬期間、「ガリンコ号ⅢIMERU」が毎日運用されることになります。デビュー初日は2021年1月9日(土)12時便で、3月末日まで運航されます。

流氷観光がピークとなる1月21日~3月15日までは「ガリンコ号Ⅱ」も加わって2隻体制で運用。2月中の土日祝日は、1日最大8便から13便の運航へと大幅拡充ダイヤとなります。所要時間は約1時間で、「ガリンコ号Ⅱ」の場合は最大1時間半まで延長可能となっています。

2020年の時刻表(ガリンコ号Ⅱ)

1月10日~3月31日

  • 6:00(2月土日祝運航)
  • 7:30(2月土日祝運航)
  • 9:00
  • 10:30
  • 12:00
  • 13:30
  • 15:00
  • 16:10(2月運航)

2021年の時刻表(ガリンコ号ⅢIMERU・ガリンコ号Ⅱ)

1月9日~3月31日
※ガリンコ号Ⅱは毎週水曜日は運休(2/10と17を除く)

  • 6:00(2月土日祝運航)Ⅲ
  • 7:15(2月土日祝運航)Ⅱ
  • 7:30(2月土日祝運航)Ⅲ
  • 9:00 Ⅲ
  • 9:15 Ⅱ
  • 10:30 Ⅲ
  • 11:15 Ⅱ
  • 12:00 Ⅲ
  • 13:15 Ⅱ
  • 13:30 Ⅲ
  • 15:00 Ⅲ
  • 15:15 Ⅱ
  • 16:15(2月運航)Ⅲ
乗船ターミナルに停泊する「ガリンコ号Ⅱ」

乗船料も「ガリンコ号Ⅱ」と「ガリンコ号ⅢIMERU」とで変更されます。「ガリンコ号Ⅱ」の乗船料は変更がありませんが、「ガリンコ号ⅢIMERU」は「ガリンコ号Ⅱ」に比べて大人で500円増となります。(両方乗船できる乗り比べ乗船割引が新設されました。)

「ガリンコ号ⅢIMERU」の料金(2021年~)

  • 大人3,500円(流氷なし3,000円)
  • 小学生1,750円(流氷なし1,500円)
  • 幼児無料

「ガリンコ号Ⅱ」の料金(2021年~)

  • 大人3,000円(流氷なし2,500円)
  • 小学生1,500円(流氷なし1,250円)
  • 幼児無料

今後、当面は赤の「ガリンコ号Ⅱ」とオレンジの「ガリンコ号ⅢIMERU」の2隻体制で運航されます。(網走市の流氷観光船「おーろら」「おーろら2」の2隻体制に並ぶことになります。)利用しやすくなった紋別の流氷観光を楽しんでみてください。

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