路線バスだけを使って北海道を旅しようという趣旨で企画された「バスタビ北海道」。その第二弾として、今回は道南バスを利用した、晩秋、初冬の登別・室蘭めぐりの模様をリポートします。実際に旅したのは、石川真梨絵さんとNaruさんです。
登別温泉街へは、札幌市内から高速バスが、新千歳空港から高速バスや路線バスが、苫小牧から路線バスが運行されています。今回は、登別温泉街に午前中に到着し、登別温泉に一泊。翌日、室蘭に移動し、市内観光を楽しんだ後一泊する行程でバスタビを楽しみました。
▼登別温泉街の玄関口、登別温泉ターミナル
今回の行程に合わせた登別温泉への行き方(すべて道南バスを利用)
※2017年12月13日現在の運行ダイヤです。
07:00 札幌駅前発 高速バス利用(苫小牧駅前行)
08:40 苫小牧駅前着
10:00 苫小牧駅前発(登別温泉行)
11:36 登別温泉着
08:25 新千歳空港発(苫小牧駅前行)
09:30 苫小牧駅前着
10:00 苫小牧駅前発(登別温泉行)
11:36 登別温泉着
今回の旅程
11:36 登別温泉着
11:54 登別温泉発(足湯入口行)
12:07 足湯入口着
12:15 大湯沼川天然足湯
12:46 足湯入口発(登別駅前行)
12:55 登別温泉着
13:00 温泉市場でランチタイム
14:00 泉源公園間歇泉・地獄谷
15:30 温泉街お店めぐり
18:00 登別一泊
2日目
11:25 登別温泉発(室蘭港行)
12:53 室蘭市役所前着(室蘭市中心部を散策(母恋めしを購入)、旧室蘭駅)
13:41 室蘭観光協会前発(みたら・水族館前行)
14:05 みたら・水族館前着(道の駅みたら室蘭でランチタイム・散策)
16:15 みたら・水族館前発(地球岬団地行)
16:26 祝津公園入口着(祝津公園で室蘭夜景)
17:21 祝津公園入口発(地球岬団地行)
17:31 室蘭駅前着
17:41 室蘭駅前発(循環1中島経由工大行)
18:13 中島町1丁目着
18:20 やきとり一平中島本店で室蘭焼き鳥
19:30 室蘭一泊
▼ルートマップ(一部簡略化しています)
【動画】バスタビ北海道第二弾 道南バスで登別・室蘭の旅(この記事の最後にも動画を掲載しています)
大湯沼川天然足湯でほっこり
まず向かったのは大湯沼川天然足湯。登別温泉街からは徒歩で15~20分くらいかかります。歩いていくのもよいですし、登別駅―登別温泉―足湯入口間を道南バスが運行していますので利用するのもよいでしょう(登別温泉―足湯入口間の所要は約13分)。
大湯沼川は、川が温泉という珍しい川で、その源は大湯沼。湯気の立つ川岸には、座って足を川につけることのできるデッキが整備されています。自然の中にあるため、特に秋には紅葉を楽しみながら天然の足湯を楽しむことができます。
→詳しくは大湯沼川天然足湯の記事を参照してください。
ランチはご当地グルメ「登別閻魔やきそば」!
昼に登別温泉についたので、おなかがすきました。ということで、温泉街でランチタイム。今回は「温泉市場」で、登別グルメの代表格となった登別閻魔やきそばをいただきましょう。
登別閻魔やきそばは、閻魔大王からのおきてで、(1)北海道産の平めんを使うこと (2)指定のたれを使うこと (3)登別近海の食材を使うことと決められたやきそばです。「温泉市場」のこの日のやきそばは、エビ、ホタテ、イカが入ったピリ辛風。地ビール「鬼伝説」と一緒にいただくのが、おススメです。
▼登別閻魔やきそば饅頭
さらに、登別閻魔やきそば饅頭(赤・白)まで作ってしまったというから驚き。ここ「温泉市場」と「ホテルまほろば」夕食バイキングでのみ食べられる一品で、温泉街を散策しながら食べ歩きもできます。
→登別閻魔やきそば饅頭についてはこちら
▼温泉市場に隣接する閻魔堂で閻魔大王にごあいさつ(からくり山車。10:00、13:00、15:00、17:00、20:00、21:00。天候により中止の場合あり)
所在地:登別市登別温泉町50
TEL:0143-84-2560
営業時間:11時30分~L.O.20時30分(店舗オープンは10時30分)
登別温泉街でお店巡り!
おなかがいっぱいになった後は、温泉街でお店巡りをしましょう。まず訪れたのは、アクセサリーショップBANANA LEAF。石蔵を利用した建物で、鬼のポシェットなど手作り雑貨を販売しています。どれもかわいくて、思わずいろいろな商品を手に取ってしまいました。
▼アクセサリーショップBANANA LEAF
大黒屋プラザでは、登別名物の「たこカツ」をいただきます。登別近海産のたこをカラッとアツアツに揚げたもので、サクサク感、そしてたこ汁の旨みとコリコリした食感がマッチしていて、ランチの後でもペロリと食べられます!
▼大黒屋プラザにて
もうひとつ休憩スポットに挙げたいのが、ミルキーハウス。のぼりべつ酪農館の牛乳を感じる濃厚なソフトクリームが味わえるお店です。青空に雲が描かれた壁際で食べると、まるで外で食べているかのような写真が撮れますよ。
▼スイーツは別腹。ミルキーハウスで濃厚ソフトクリームを味わおう!
▼登別らしいおみやげを探すのも楽しい(貴泉堂)
観光名所として有名な地獄谷と間歇泉「鉄泉池(てっせんいけ)」、泉源公園の間歇泉はおすすめ。自然の力を感じ、温泉地に来ているんだと実感できる場所です。
→登別温泉の楽しみ方の記事はこちら
▼地獄谷。撮影時期は紅葉シーズン真っ盛りでした!
▼鉄泉池
▼交差点の下に間歇泉がある泉源公園
温泉に入って一日の疲れを癒しましょう
登別温泉に来たらやっぱり温泉に入らないと! ということで、さっそく、今回宿泊先としてお世話になる「花鐘亭はなや」の露天風呂へ!
登別温泉では珍しく源泉100%かけ流し硫黄温泉をうたっています。白濁色の温泉は、41~42度程度。お風呂を出てからも身体がポカポカあたたまる感じがするのが魅力です。決して大きな宿ではありませんが、きめ細かなおもてなしが好評です。ぜひ宿泊して、露天風呂の心地よさを体感してみてくださいね。
2日目は道南バスで室蘭に向かいます!
2日目は室蘭港行きの道南バスで、登別温泉を出発して室蘭に向かいます。
早起きして時間があれば登別駅で下車し、登別マリンパークニクスに行ってみるのもおすすめ! 2017年4月には、巨大な万華鏡に入って金魚たちを見ることのできる「金魚万華鏡」が新登場。他にも恒例のイルカやアシカのショーも開催していますので、見学には最低でも3時間くらいはみておきましょう。
▼登別マリンパークニクスに誕生した金魚万華鏡
【動画】登別マリンパークニクス
▼移動のおともに「のぼりべつ とろ~りプリン」!
室蘭駅近くまでの所要時間は1時間5分。海を左に見ながら室蘭を目指します。途中こんな名前のバス停にも注目しながら旅を楽しんでみてください。
▼ソーダー工場前バス停
「次はソーダー工場前、ソーダー工場前です」。登別市幌別ではこんなバス停の名前に興味を惹かれます。その名前の由来は、化学品メーカーである北海道曹達株式会社幌別事業所。市販するソーダ飲料を作っているわけではありませんが、なぜかソーダが飲みたくなりますよね。
▼ラッパ森バス停
登別温泉―室蘭港線のバスはそのほとんどが通過してしまいますが、母恋駅前手前に「ラッパ森」と呼ぶバス停があります。このあたりの小高い丘を指していますが、地名の由来には諸説あり、(1)うっそうとした森で官吏が作業員の合図にラッパを吹いて指揮していた説 (2)工事監督者の森さんがラッパを使って作業員の指揮をしていた説 (3)熊が出たのでここを通る際にラッパを吹いていた説、があります。明治時代には室蘭にラッパの音が聞こえていたのかもしれませんね。
今回は室蘭市役所前で途中下車し、室蘭観光協会前バス停まで散策することに。室蘭観光協会のオフィスは、歴史的建造物(登録有形文化財)の旧室蘭駅舎。100年以上の歴史を持ち道内最古といわれる木造建築駅舎には、自由に入って室蘭の鉄道の歴史に関する展示を見ることができます。
▼旧室蘭駅舎と室蘭観光協会前バス停
近くには「日本一の坂」と呼ばれる珍名所もあるので、お時間がある方は、ぜひ立ち寄ってみてください。
室蘭市内のバス移動なら「ONE DAY TICKET(一日乗車券)」がお得で便利です。道南バス株式会社が発行する乗車券で、利用は室蘭市内線に限ります。
道の駅みたら室蘭でランチ! 母恋めしとうずらんアイスをいただきます!
室蘭観光協会前バス停から再びバスに乗り、終点のみたら・水族館前バス停を目指します。道の駅みたら室蘭でひとやすみ。
▼道の駅みたら室蘭。白鳥大橋も間近に!
ランチには母恋めしをいただきました(売り切れることがあるので電話予約しておくのが良いでしょう)。蓋を開けると、大きなホッキの貝殻が入っていて、ホッキを使った炊き込みご飯のおにぎりが。スモークチーズ、燻製卵、漬物、そしてなぜかハッカ飴まで。見た目にも楽しく、どれを食べても美味しいお弁当です。
▼母恋めし
スイーツには、うずらんアイス。室蘭産牛乳と、室蘭うずら園のうずら卵で作った、日本で唯一のアイスとされています。母恋めしとあわせて道の駅で購入できますので、ぜひお試しあれ。
▼室蘭うずらんアイス
所在地:室蘭市祝津町4丁目16番地15
TEL:0143-26-2030
休館日:11~3月は毎週木曜日(祝日の場合翌日)、それ以外は無休
開館時間:9時30分~21時(11~3月は17時まで)、売店は17時まで
室蘭夜景を見に行きました!
道の駅でランチ、スイーツ、そして白鳥大橋と海沿いを散策した後は、夕暮れになったので室蘭夜景を見に行きました。道の駅に近い展望スポットは、祝津公園。再びバスに乗り、祝津公園入口バス停まで約10分の乗車。下車後は公園展望台まで少し歩きますが、展望台からの景色は壮観! 白鳥湾、そして白鳥大橋を一望することができます。
室蘭の〆はやっぱり室蘭やきとりでしょ!
室蘭に来たからには、やっぱりグルメは室蘭やきとり! ということで訪れたのは、やきとりの一平中島本店。室蘭駅前で乗り換えて、市内循環バスで中島町1丁目バス停を目指します。ジャズが流れ、大正ロマンを感じる店内で、名物室蘭やきとりを楽しむことができます。
▼豚肉を使ったやきとり
焼鳥と言えど、豚肉と玉ねぎを使い、洋がらしで味わうのが室蘭風。同店オリジナルのタレでいただきます。そのほか、殻ごと食べられるうずらの卵、月見つくねもおすすめだとか。焼鳥のおともには、味覚センサーを用いて焼鳥との相性を追求した日本酒、通称「くし」。タレのこってり感と日本酒のすっきり感がマッチして、室蘭やきとりとの相性は抜群です。
所在地:室蘭市中島町1-17-3
TEL:0143-44-4420
営業時間:17時~23時(日曜・連休最終日は22時閉店)年末年始休業
こうして二日目を終えた二人。この日は室蘭で一泊することにしました。登別、室蘭を路線バスだけで巡る旅。有名観光地はもちろん、市街地から少し離れた場所までバスで回ることができるんです。ぜひ皆さんも挑戦してみてくださいね。
【動画】バスタビ北海道第二弾 道南バスで登別・室蘭の旅
取材協力:道南バス株式会社、一般社団法人登別国際観光コンベンション協会
企画協力:北海道総合政策部交通企画課
※「バスタビ北海道」は、北海道庁との協働プロジェクトにより企画したものです。