【札幌市】札幌の紅葉スポットといえば南区の奥地が定番。奥座敷・定山渓温泉や豊平峡は、秋の紅葉シーズンになれば多くの札幌市民がこぞって押しかけるため、国道230号線石山通は渋滞になることもしばしば。そのため、札幌中心部から定山渓まで1時間以上、晴天で三連休と好条件であれば3時間以上かかってしまうこともあります。
確かに渓谷を紅葉が彩る美しい景観が魅力の定山渓ですが、もっと静かに美しい紅葉を楽しめる穴場スポットはないものか……と思っている方にお勧めしたいのが、同じ南区澄川、地下鉄南北線真駒内駅の裏手の山間いにある私設庭園「紅桜公園」です。
桜山を彩る、色鮮やかな赤・黄の紅葉に、息をのむ
紅桜公園(旧称:紅桜遊園地、またの名を紅桜庭園)は、春は花見ジンギスカンの場、秋は紅葉の名所として、春も秋も楽しめる庭園を有しています。その「桜」と紅葉の「紅」をとって「紅桜公園」と呼ばれています。桜山の起伏に富む斜面を活用した、自然豊かなスポットで、食事処の中核施設「紅桜本館」を中心に、面積約26,000坪にわたって広がっています。
紅葉シーズンになると、風情溢れる日本庭園のモミジなどの木々が、赤色・黄色に鮮やかになります。特に鮮やかな赤い色をこれだけ多く見られるのは札幌市内でも珍しいでしょう。「札幌市街から近い場所では一番きれいな紅葉スポット」という声もあるほどで、息をのむ美しさに、連日カメラマンが訪れます。静かで、落ち着きのある庭園ですので、若い人というよりは、中高年の方々に人気を得ているよう。紅葉シーズンになっても、非常に混雑するということはなく、静かに紅葉を楽しめる穴場紅葉スポットです。
和と歴史を感じさせる風情溢れる日本庭園
園内には、本館裏手にある釣り池をはじめ大小さまざまな池が11(ほとんど手掘り池)、人工の滝が2か所、そして和風の建物があります。池の周りの紅葉や、巧みに配置された石と紅葉など、見るエリアや場所や角度によって、趣が異なります。例えば、1984年完成の茶室「寿光庵・木乃実茶屋」(喫茶店)は、えぞ数奇屋造の味わい深い建物。風に揺れるススキの穂、茅葺きの正門と合わせて、和の雰囲気を演出してくれます。
本館のある場所から一段上がったところには、1984年に開拓70周年を記念し創建した開拓神社と、社務所・開拓資料館があります。開拓資料館内も自由に入ることができ、館内には農作業器具が展示されています。
当地の歴史を紐解くと、1889年に石川県から入植し開拓を進めた地域であり、1942年に三代目の奥矢将雄氏が、自身ルーツの地である金沢の兼六園をモデルに日本庭園の造成を始めました。当初は「紅桜遊園地」でしたが、1988年に現在の名称に改称。1955年の一般開放以来、半世紀以上にわたって市民に親しまれてきました。
園内には防空壕跡と言われている「観音様の洞」もあったりと、何かと歴史を感じさせる場所でもあります。こうした同園の歴史も垣間見れる場所でもあるので、花見や紅葉狩りと合わせてこうしたポイントも立ち寄りたいところです。また、レジャーとしては釣堀でニジマス釣りも体験可能。釣った魚はその場で調理していただくことができます。
「札幌で一番紅葉がきれい」と呼び声高い穴場的紅葉スポット「紅桜公園」。趣向を凝らした日本庭園を秋にも楽しんでいただきたいです。
▼映像で見る紅桜公園の秋
▼紅桜公園
所在地:札幌市南区澄川389 [地図]
入園料:施設利用の場合無料、写真撮影や散策の場合大人300円・子供100円を本館で支払
営業日時:4月上旬~11月末まで無休、10:00~21:00(入園は19:00まで)