見頃は6月半ばまで!札幌龍谷学園高校近くに「ベニバナトチノキ並木」

ベニバナトチノキという名前を聞いて、ピンと来る人は少ないかもしれません。でも札幌市民ならその花を見れば、覚えがあるはず。札幌市の花であるライラックの見頃が過ぎると、今度は市内のあちらこちらでベニバナトチノキの花が開花します。特にたくさん見られるスポットがあるということで、さっそく足を運んでみました。

ベニバナトチノキってどんな植物?

▼満開時期のベニバナトチノキ

ベニバナトチノキを漢字で表記すると「紅花栃の木」。北米南部原産のアカバナトチノキ(紅花栃の木)と、ヨーロッパ原産のセイヨウトチノキ(西洋栃の木)との交雑種です。

ちなみにセイヨウトチノキは、いわゆるマロニエのこと。マロニエというとパリの街路樹として有名ですが、丈夫で樹齢も長いことから、最近ではパリでもベニバナトチノキが増えてきているそうです。

▼濃いピンク色の花

開花時期は、5月頃から6月半ば頃まで。色は濃いピンクから薄いピンクまでさまざまで、白色のものもあります。花は房状になっており、天に向かって伸びるように開花するのが特徴です。生い茂る樹の葉の陰からニョキニョキと上向きに突き出す花は、明るく元気なイメージを見る者に印象づけます。

▼天に向かって元気にニョキニョキ!

成木になると高さは14~15メートルにもなります。札幌の市街地で多く見ることができますが、道内では他に富良野や岩見沢などでも増えてきているようです。

環境保全のために植えられた経緯

そんなベニバナトチノキの並木道が、札幌市内にあります。中央区北4条西20丁目から西21丁目にかけて、札幌龍谷学園前から西方向に向かって伸びている市道です。

▼ベニバナトチノキの並木道

この場所にベニバナトチノキが植えられたのは、1982(昭和57)年のこと。地域の人々が環境保全のためにと札幌市に要請し、高さ2~3メートルの幼木を約60本、植えることになったのでした。

▼札幌龍谷学園から西方向を見た風景

それから35年以上が過ぎ、ベニバナトチノキは樹齢を重ねて立派な成木となり、毎年のように花を咲かせて通行人の目を楽しませてくれています。

▼西21丁目の交差点から学園方向を見た風景

ライラックに似ているけど、よく見るとまったく違う植物だということが分かるはず。ぜひベニバナトチノキにも注目して、ライラックの季節が終わった頃に探してみてください。ピンクの花が、元気に天を仰いでいるはずです。