JR北海道・札幌市営地下鉄が運賃値上げ!札幌―新札幌間は地下鉄が安い?!

2019年10月1日の消費税増税に伴い、北海道内の交通機関も一斉に運賃引き上げを行います。JR北海道、札幌市営交通、路線バス事業者もどこも運賃改定。これによって、たとえば新千歳空港から札幌へ向かう際、新札幌から札幌へ向かう際に一番安い交通機関が変わることになります。

その前に、今回の運賃改定(大人)をざっくりおさらいしておきましょう。

JR北海道は初乗り運賃を30円アップ

JR北海道の値上げは1996年以来23年ぶりで、これにより約40億円の増収を見込んでいます。

JR北海道は今回、普通旅客運賃の初乗り料金を170円から200円に30円アップします。つまり最低でも30円は値上げされるということです。営業キロ(運賃計算キロ)が1~3キロの場合、たとえば札幌駅―桑園駅は170円から30円アップの200円になります。札幌から主要駅への改定された運賃の比較は下記のとおりです。

函館本線

札幌―琴似 210円→250円(+40円)
札幌―手稲 260円→340円(+80円)
札幌―小樽 640円→750円(+110円)
札幌―江別 450円→540円(+90円)
札幌―岩見沢 840円→970円(+130円)

千歳線

札幌―新札幌 260円→340円(+80円)
札幌―北広島 450円→540円(+90円)
札幌―恵庭 640円→750円(+110円)
札幌―千歳 840円→970円(+130円)
札幌―新千歳空港 1,070円→1,150円(+80円)

札沼線

札幌―篠路 260円→340円(+80円)
札幌―あいの里教育大 360円→440円(+80円)
札幌―石狩当別 640円→750円(+110円)

当然距離が長くなればなるほど値上げ分が運賃に加算されていきます。たとえば、宗谷本線の旭川―名寄間は+250円となります。

新千歳空港へのアクセスは逆に値下げになる区間も?

値上げ幅が少なくなる区間や、逆に値下げになる区間もあります。上記の一覧を見て、あれ?と思われましたか? 札幌駅―新千歳空港駅間は、札幌駅―千歳駅間に比べて距離が長いはずなのに値上げ幅が少ないです。前者は+80円なのに対して後者は+130円です。これはいったいどういうことでしょうか。

これまで、新千歳空港アクセス輸送開始の設備投資にかかるコストにあてるため、千歳線南千歳駅―新千歳空港駅間で加算普通旅客運賃という設定がありました。加算額は140円でしたが、当該区間の利用者数が堅調に推移し、設備投資額等の回収が順調に進捗してきたことから、運賃改定が認可されることを条件に、20円に大幅値下げすることになりました。

これに伴い、札幌駅からだと80円のプラスにとどまり、新札幌駅からだと変更なし、北広島駅からだと逆に30円の値下げ(590円→560円)、苫小牧駅からは20円の値下げ(680円→660円)になる予定です。

札幌市営地下鉄は初乗り運賃を10円アップ

今度は、札幌市営交通に目を向けてみましょう。札幌市電の通常運賃は200円で据え置きとなり、値上げはありません(定期料金は変更あり)。値上げがあるのは、地下鉄の1区、4~6区区間です。それ以外の区間や、地下鉄専用1日乗車券、ドニチカキップは据え置きになります(どサンこパスは360円→370円に10円アップ)。このため、乗り継ぎ運賃も一部で変更になります。

地下鉄の初乗り運賃は、これまでの200円から210円に10円アップとなります。4~6区も等しく10円アップになります。

札幌圏の路線バスは据え置き、または10~20円値上げ

路線バスも値上げラッシュです。北海道中央バスは札幌市内1区・2区や小樽市内均一区間、1日乗車券は据え置きにするものの、270円~800円区間は+100円、810円~1,340円区間は+20円になります。

JR北海道バスは初乗り170円を180円にアップするなど、一部の区間で10円値上げします。じょうてつバスは基本的に10円アップとなり、札幌から豊平峡温泉や定山渓までは20円値上げします。

札幌―新札幌間は、JRより地下鉄が安くなった

ここまで、札幌圏の各交通機関の値上げ情報をまとめてきました。値上げ幅の大きい交通機関もあるため、区間によっては一番安い交通機関が変わるということがあるのでしょうか。たとえば、札幌―新札幌間でその現象が生じます。

JR北海道は今回の運賃改定により、札幌駅―新札幌駅間は260円から340円に80円値上げしました。一方、札幌市交通局は札幌市営地下鉄のさっぽろ駅・大通駅から新さっぽろ駅までを10円値上げし、320円から330円としました。これまで260円のJRを利用したほうが安かったわけですが、10月以降は地下鉄利用のほうが10円安くなります。

ただ、JRは快速エアポートで8分、普通で12分、地下鉄は東西線大通駅から新さっぽろ駅まででも19分かかりますので、速さで選ぶならJRのほうがいいでしょう。

JR北海道 札幌―新札幌 340円(+80円)
札幌市営地下鉄 さっぽろ・大通―新さっぽろ 330円(+10円)
差額 10円

札幌―新千歳空港間は、JRより空港連絡バスが安い

では、空港を利用する人たちは新千歳空港から札幌へ行くには、どの交通機関が安いのでしょうか。

JR北海道は今回、札幌駅―新千歳空港駅間を1,070円から1,150円に80円値上げしました。前述の通り、南千歳駅―新千歳空港駅間の加算普通旅客運賃が140円から20円に大幅値下げになったとはいえ、若干の値上げに変わりありません。

一方、空港と札幌を結ぶ交通手段は他にも連絡バスがあります。札幌都心と新千歳空港都を結ぶ空港連絡バスは北海道中央バスと北都交通が運行しており、札幌都心発着だけでなく、大谷地駅発着や北24条駅・麻生駅発着、宮の沢発着、東区役所前駅・環状通東駅発着などがあります。

今回は札幌都心発着便を例にしてみましょう。空港連絡バスは、2019年4月1日に普通運賃1,030円を1,100円に70円アップしているため、今回は運賃改定がありません。運賃改定前はJR北海道1,070円、空港連絡バスが1,030円でした。10月以降はJR北海道1,150円、空港連絡バスは1,100円となり、依然として空港連絡バスのほうが安いことに変わりはありませんが、その差は40円から50円に10円広がりました。

JR北海道 札幌―新千歳空港 1,150円(+80円)
空港連絡バス 札幌都心―新千歳空港 1,100円(+70円)※4/1改定
差額 50円

今回は、札幌圏の交通機関を中心に、運賃改正をまとめ、さらにどの交通機関を使ったら安くなるのかを検証しました。10月1日から運賃が総じて値上げになりますが、賢く利用しましょう。