札幌の夏の風物詩、PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)。2018年はPMFの創設者レナード・バーンスタインの生誕100年ということもあり、今から楽しみにしているファンも多いのではないでしょうか。記念すべきメモリアルイヤーに向けて、今回はPMFを象徴するピクニックコンサートについてご紹介します。
PMFと共に進化してきた野外ステージ
前回、PMFと札幌芸術の森・野外ステージが深い関係にあることをお伝えしました。PMFの開催地として札幌市が選定され、そこから急きょ突貫工事で建設が進められた野外ステージ。ようやく完成したのは、なんとPMFの開幕前日でした。
ちなみに、今となってはPMFを象徴するほどの人気を誇るピクニックコンサートですが、この名前で始まったのは3年目の開催時からだということをご存じでしたか? 実は、「芝生の上でお弁当を食べながら、ピクニック気分で楽しんでもらおう」と、1992年からスタートしたプログラム。そして、この野外ステージでのカジュアルなコンサートスタイルが、PMFと札幌市民の距離感をぐっと近づけていったのです。
▼野外ステージ横のバーンスタイン・メモリアルプレート
1992年から2002年の間、ピクニックコンサートはPMFの代名詞として人気を博すプログラムでした。しかし、改修工事中だった2003年、野外ステージは使用できず、主に札幌コンサートホールで公演を行い、ピクニックコンサートなどの野外公演は行われませんでした。
15年目となる2004年、野外ステージは改修工事を終え、新たに「バーンスタイン・メモリアル・ステージ」として生まれ変わりました。ステージ横にはバーンスタインの言葉を刻んだメモリアルプレートが設置され、除幕式も行われました。
ちなみにこの年に首席指揮者をつとめたのが、ワレリー・ゲルギエフ。2015年からは6代目PMF芸術監督もつとめており、PMFファンにはすっかりお馴染みの顔となっています。改修工事を終えたばかりの野外ステージで、最終日にゲルギエフが指揮したショスタコーヴィチの交響曲第11番は今なお語り継がれるほどの素晴らしさで、聴衆は熱狂的なスタンディング・オベーションで応えました。
▼PMF2004、ピクニックコンサート時のゲルギエフ
これまでも、これからも、札幌芸術の森・野外ステージはPMFにとって欠かせない舞台。2018年にはどんなドラマが生まれるのか、楽しみに待ちたいところです。
バーンスタインの代表曲について学ぼう・#2『ウエストサイド・ストーリー』
PMFでは、創設者レナード・バーンスタインの楽曲を演奏することが恒例となっています。中でも、『ウエストサイド・ストーリー』のシンフォニック・ダンスはよく演奏されることの多い1曲です。
『ウエストサイド・ストーリー』は、言わずと知れたバーンスタインの代名詞とも言うべき作品。映画やミュージカルで親しんだ人も多いのではないでしょうか? シンフォニック・ダンスは『ウエストサイド・ストーリー』で使われる数ある名曲を1つの作品としてオーケストラ版に作曲された楽曲で、まさに「おいしいとこ取り」な、楽しさ満載の作品です。
初々しい若手音楽家たちの演奏は、アメリカの若者を描いた物語ともオーバーラップします。
いよいよPMF2018始動!第69回さっぽろ雪まつりにバーンスタイン大雪像登場!!
バーンスタイン生誕100年となる2018年。7月に開催するPMF2018に先駆けて、第69回さっぽろ雪まつりに、バーンスタインをモチーフにした大雪像が登場します!
▼バーンスタインの横顔をレリーフ風に表現
開催期間中は毎日PMF関連のイベントも開催されるほか、2月5日(火)14時から行われるPMF2018開催概要発表イベントでは、主なコンサートやアーティスト、観どころ聴きどころもご紹介! 詳細は決定次第発表されますので、雪まつり公式ホームページやPMFの特設ページをご覧ください。
PMF2018、今から楽しみですね!