流氷観光真っ只中の紋別市では今冬、新しい冬のアクティビティが初めて開催され、会場に謎の乗り物「AST-001」が登場して話題となっています。スクリューが2本付いた乗り物で、雪面を自由自在に動き回る乗り物。初めて見るその乗り物にすっかり心を奪われた編集部は、紋別市のアクティビティ会場に足を運びました。
初めて開催される新しいウインターアクティビティ
ウインターアクティビティパーク(Winter Activity Park)と名の付されたイベントは、紋別アクティビティ実行委員会(北紋バス・オホーツク・ガリンコタワーなどで構成)がこの冬初めて開催しています。会場は、流氷砕氷船ガリンコ号Ⅱ乗り場があるガリヤ地区の特設広場。
ガリンコ号Ⅱ、オホーツクとっかりセンターにもう一つ冬の魅力を加えたいとの思いから、2016年11月に実行委員会を設立し急ピッチで準備を進めてきました。
目玉は、海洋公園に展示していた「AST-001」の復活。ほかにも、北紋バスが所有していたスノーモービル・バナナボート、新規購入したATV(四輪バギー)の運転体験もアクティビティメニューに加えました。
「AST-001」って何?
やはり気になるのは「AST-001」。世界で唯一ここにしかないアクティビティです。いったいこの乗り物は何なのでしょうか。「AST-001」に詳しいオホーツク・ガリンコタワー株式会社の加藤公之常務にその正体を伺いました。
「AST-001」は、全長約3.5m、幅約2.5m。胴体の下部に螺旋状のアルキメディアン・スクリュー2本を備えています。左右2つのエンジンがチェーンを動かし、スクリューを回転させて海上や氷上を動きます。
開発されたのは45年ほど前。アラスカ油田開発とその輸送のため、三井造船が砕氷船ガリンコ号の試作艇として最初に製造した1号機です。そのため「元祖ガリンコ号」と呼ばれています。試作艇として実験を繰り返したのち、紋別市の西村組に引き取られ、網走市能取湖で使われたそうです。
それ以降「AST-001」は使われなくなり、平成20年代以降はここ海洋公園に静態保存してきました。加藤常務は「20年以上使われていないのは間違いない」と語ります。
「AST-001」が数十年ぶりの復活!
そんな中、紋別市長でオホーツク・ガリンコタワー株式会社社長でもある宮川良一氏が「何とか動かないのか」と一声。今回初めて実施する冬のアクティビティの目玉にすることを決めました。
数十年ぶりに動かすことになりましたが、エンジン1つだけが動く状態であったため、修理をして走れるようにしました。何しろ何十年も前の機械。使われている部品は手に入りにくいといいます。
展示されていた「AST-001」が数十年ぶりに復活すると聞きつけてやってくるお客さんも少なくないそう。「あれって動くんですね!」と驚かれることもしばしば。
冬は雪面を走りますが、夏には近くの砂浜で動かそうと計画しており、今後も、世界で一台しかない「AST-001」の雄姿を見ることができそうです。
(一部写真提供:紋別市観光交流推進室)
会場:紋別市海洋公園イベント広場特設コース(ガリヤ地区みなとの迎賓館横)
電話:0158-24-2165
日時:2017/1/21~3/14の土日祝(平日は予約のみ受付)10:00~14:00
※なお、2月中で体験終了の可能性あり
体験メニュー:
「AST-001乗車」1乗車10分1,000円
「スノーモービルで牽引するバナナボート体験」1周 大人500円、小人300円
「ATV運転体験」1乗車10分 大型700円、小型300円
「スノースライダー」1チューブ200円
※その他かまくらもあり
公式サイト