札幌駅前のとあるホテルの朝食ビュッフェがアツい! ということでやってきたのが、センチュリーロイヤルホテル。同ホテルはトリップアドバイザーの「行ってよかった!朝食のおいしいホテル2016」ランキングで全国第10位に入賞しました(2015年もベスト10入り)。なぜこのホテルの朝食がおいしく人気が高いのか――。同ホテル営業企画室支配人 蝦名訓さんに話を伺い、人々を惹きつけてやまない理由に迫りました。
ヘルシーなのが特徴。120品目がずらりと並ぶ朝食ビュッフェ
センチュリーロイヤルホテルの朝食ビュッフェの特徴は、(1)豊富な品数、(2)ヘルシー。札幌市内の一般的なホテルでは40~50品目程度ですが、センチュリーロイヤルホテルは120品目と圧倒。北海道産、そして野菜と玄米にこだわったメニューが目立ち、健康志向の宿泊客に喜ばれています。例えば、オープン以来人気の玄米粥入りパンケーキは、その場で焼いてもらい、各自好きなトッピングすることができます。
▼その場で焼いてもらえる玄米粥入りパンケーキはオープン以来の人気
実は同ホテル、2016年2月末にランチビュッフェをとりやめ、朝食ビュッフェをブラッシュアップしました。それに伴い、6:30~10:00までだった営業時間を11:00までに一時間延長。ブランチ感覚で朝食を楽しむことができるようになりました。
また、和食・洋食に中華を加えたほか、こだわりの北海道産チーズコーナーを新設。またデザートコーナーは申し訳程度にあるのではなく、パティシエが朝食のためにと力を込めて製造、品数とクオリティをアップさせました。
▼チーズコーナー
▼デザートにも注力
▼玄米を中心としたこんな朝食はいかがでしょうか
いながらにして北海道を感じられる朝食ビュッフェ
ランチをやめ朝食に力を入れたのには理由があります。冒頭で挙げたように、近年はホテルの朝食に注目が集まる傾向にあります。朝食はホテルに滞在する最後の食事です。最後の食事は良い思い出を作って帰っていただきたい、そんな思いが同ホテルの朝食ビュッフェに表れています。今では他ホテルに宿泊している人が朝食だけ訪れるという外来のケースも多いのだといいます。
同ホテルが大切にしているのは、「いながらにして北海道を感じられる朝食ビュッフェ」。蝦名支配人はここを「北海道ナチュラルビュッフェ」と呼びます。北海道産食材にこだわり地産地消メニューが多いことは、ビュッフェ内を歩けばすぐにわかります。
お米は「北海道雨竜産玄米ふっくりんこ」「北海道当麻産ほしのゆめ白米」、パンケーキは「北海道産玄米粥入りもちもちパンケーキ」、おかずも「北海道釧路産ハーブエッグを使った手作り厚焼き卵」、トッピングも「函館産ふのり」「ニセコ産大豆のお豆腐」。各メニューには産地が書かれたプレートが立っています。
地元を大切にする姿勢は、例えばハチミツの仕入先にも表れています。ヨーグルトに使うハチミツは廉価なメーカー製ではなく、大通高等学校ミツバチプロジェクトで生徒が実際に採蜜した天然ハチミツを採用。「都会でも採れることを伝えたい」との思いから、ヨーグルトブース前には大通高校産のハチミツがどのようなものなのか、なぜおいしいのかを示すポスターが掲げられています。
▼大通高校産ハチミツも
また、道民に愛される乳酸菌飲料「ソフトカツゲン」を札幌市内のホテルの朝食で初めて提供したのも同ホテルとされています。ソフトカツゲンは、ドリンクにもご当地感を出したいとの思いで提供を始めました。北海道に滞在してもわざわざ買う機会のないソフトカツゲンを朝食でいただけるのはメリットのひとつでしょう。
▼札幌のホテルで最初にカツゲンを導入
このほかにも、野菜に声をかけて育てる取り組みが注目されている洞爺湖の佐々木ファームの野菜を使ったり、別海町とコラボレーションしてミルクフェアを開催したりしており、今後も北海道の食材を発信していく場としても活用していきたい考えです。
1973年の開業以来、地元資本の札幌国際観光株式会社が運営するセンチュリーロイヤルホテル。「ローカル企業として、ローカルらしく、ローカルのことを」とローカリズムにこだわる理念は、朝食ビュッフェに垣間見ることができるのです。
▼センチュリーロイヤルホテル
所在地:札幌市中央区北5条西5
TEL:011-221-2121
公式ウェブサイト
出演:脇田唯