枕がズラリ!所狭しと!知る人ぞ知る札幌白石「世界のまくら博物館」

少し前のこと。JR白石駅周辺をウロウロしていたとき、とあるふとん屋さんの入口のドアの横に「世界のまくら博物館」という看板を見かけた。どうみてもその建物は店舗、もしくは会社という感じの建物で、博物館には見えなかったのだ。

どういうことなのか聞いてみたいな~と思ったのだが、ふとんを買う気がないのに入っていくのにはちょっと気が引けたのでその日は帰途についたのであった。

▼「世界のまくら博物館」の看板

気になったことはそのままにしたらダメだねー。もう気になって気になって夜も眠れない始末。っていうのは大げさだけど。とにかく気になったので突撃取材をしてきたのである。

白崎ふとん店の4階にひっそりとある博物館

世界のまくら博物館は白崎ふとん店の4階にある。店舗に入って博物館を見たいというと案内してくれるのだ。ただ、このまくら博物館に関して説明できる人が社長の白崎邦彦氏しかいないので、前もって見に行きたいと連絡しておいた方がいいとのこと。そうすると社長が直々に案内していろいろと説明してくれるのだ。もちろん筆者もいろいろとお話を伺ってきた。

▼白崎ふとん店の4階が世界のまくら博物館になっている

▼社長の白崎邦彦氏

この世界のまくら博物館だが、先代である白崎繁仁氏が趣味で集めていた枕を展示したもの。40歳ぐらいから90歳ぐらいまで、約50年にわたって集められた枕なのだそう。集めた枕を展示しだしたのは30年ほど前だが、「世界の枕博物館」という看板を出したのは7~8年ぐらい前から。最初は店舗に展示していたのだが、場所がなくなってきたことなどもあり、繁仁氏がなくなった5年前に4階に移されたのだとか。

▼所狭しと並べられた枕の数々

枕は種類別、国別に集められていて古そうなものもいっぱい。かなりのお宝もあるのじゃないですか、と聞いてみたところ、枕を研究している人がいないので文献も少なく、調べようがないとのことだ。

▼まくらは種類ごとにわけられて展示してある

枕について、繁仁氏の経歴について、世界の枕博物館の歴史について……など、邦彦氏にいろいろお伺いしたのだが、ここで書いてしまうと実際に行ってみたときの楽しみが半減しそう。なので、興味のある人は行っていろいろと聞いてみるといいだろう。

おもしろい枕8選

さて、この先は見せていただいたおもしろい枕を少しだけ紹介しよう。

▼天保9年(1838年)にお寺で使われた祈祷用の枕

▼象の形をした枕。はっきりと国はわからないが、たぶんタイのものだろうとのこと

▼ケニアのポコイ族の枕。狩猟に出る際に持っていき、土に刺して使用するらしい

▼中国の陶磁器の枕。13世紀~19世紀に作られたであろうとのこと。本物ならかなりのお宝なのだが鑑定する人がいないのだとか

▼江戸時代に使われた入子枕。外側からお父さん、お母さん、子供……と、大きさが小さくなっていく。収納のことが考えられたもの

▼木枕、組木枕。江戸時代ぐらいに使われていた枕

▼くくり枕。そば殻や籾殻を入れたもの。これが現在の枕のルーツになっているとのこと

▼旅枕。持ち運びやすい様に小さく折りたためる。一枚の木から作られているのだ

このようにおもしろそうな枕がいっぱいの世界の枕博物館。行ってみたらタメになること、楽しいこと間違いナシ。

問題はとにかく入りづらいってこと。そりゃそうだよね。お店に入らなきゃいけないんだから。お聞きすると、通りすがりに入ってくる人はほとんどいないとのこと。
でも、ぜひ見に来ていただきたいということなので、ちょっとだけ勇気を出して行ってみよう。先にも説明した通り、説明できる人が社長しかいないので、前もって予約することを忘れずに。

世界のまくら博物館(白崎繊維工業株式会社)
札幌市白石区平和通3丁目南1番4号
TEL:011-861-4146
開館時間:9時~18時
定休日:日・祝