【えりも町】2014年9月14日に襟裳岬の無敵食堂で提供を始めた新メニュー「海豚丼(ゆりかどんぶり)」が好調です。海豚丼は、一見すると普通の豚丼ですが、最近町内で生産を始めた放牧豚肉を贅沢に乗せ、えりも特産品の一つである昆布をたっぷり使った、ありそうでなかったアイデア丼です。
襟裳岬産日高昆布を工夫して使った丼
海豚丼を開発したのは、お刺身旅館さんすいかく店主の田中照彦さん、株式会社藤田昆布加工場社長の藤田靖さん、無敵食堂店主の渋田裕二さん。「青春☆こんぶ」でえりも町を盛り上げる3人が、えりも町産の食材を使った新メニューをと、共同で開発しました。『豚肉+昆布+米』の三拍子そろった海豚丼は、ご飯以外すべてえりも産。安定供給が難しい魚介類ではなく、年中入手可能な豚肉に着目し、昆布と組み合わせた丼です。
丼の名前になっている「海豚」は、「いるか」ではなく「ゆりか」と読みます。「ゆりか」とは、えりも地方で「イルカ」を表す方言。もちろんイルカ肉は一切使っておらず、海藻の「海」、豚肉の「豚」、丼飯の「丼」を掛け合わせた名前です。豚肉と昆布という斬新な組み合わせですが、実際に食べてみるとバランスがとてもよく、ご飯が進みます。
▼店内にあるポスターを見てオーダーする人も多いのだとか
そんな海豚丼の魅力の一つは、藤田昆布加工場の襟裳岬産日高昆布を使っている点です。お米は、この昆布を使った炊き込みご飯。さらに、ご飯と豚肉の間に、上級昆布を使った佃煮を乗せています。佃煮というと一般に味が濃いイメージがありますが、この丼のために開発した、味が薄い佃煮を使っています。監修した田中さん曰く「風味を出すためだけのもの」です。
▼藤田昆布加工場社長・藤田靖さん(青春☆こんぶ神社前にて)と襟裳岬産昆布
▼海豚丼の豚肉の下には昆布の佃煮。お米も昆布の炊き込みご飯
豚肉にも秘密あり!えりも放牧豚とは
ご飯が見えないほど乗る豚肉は、醤油、酒、みりんで味付けした、肉厚で柔らかい豚肉です。その美味しさの秘密は「放牧豚」ということに尽きます。生産しているのは、庶野地区の「えりもなかの牧場合同会社」。2013年の飼育開始以来、えりも町内で唯一の放牧豚生産者です。
同牧場の倉田太郎さんによれば、豚にお米を与えて放牧飼育することで、細かい脂肪が入った、ピンク色の柔らかい肉になるといいます。狭い空間で飼育するのではなく、常に自然の中に放し飼いすることによって、ストレスフリーで、柔らかく美味しい豚肉を生産することができるのです。
その豚肉は今回「海豚丼」で、さらには、庶野地区に最近オープンしたラーメン店などでも使っており、倉田さんは今後も「えりも放牧豚」の生産を拡大していきたいと意気込んでいます。
▼えりもなかの牧場合同会社では取材時点で12頭の子豚を放牧
▼海豚丼の豚肉は、生産者も驚くほどボリューム満点
1か月分を1週間で完売してしまう人気ぶり!女性にも人気
「海豚丼」は現在、襟裳岬にある食堂「無敵食堂」で、破格の1,200円(税込)で通年提供しています。発売以降、1か月分として予定していた材料が1週間で完売してしまうほどの人気ぶりだとか。同食堂では、「天敵カレー」(税込900円)や「えりもラーメン」(税込850円)が人気ですが、海豚丼はそれに並ぶ売れ行きで、早くもトップ3入りの勢いです。肉好きな地元の人や観光客はもちろん、ヘルシーだということで特に女性の支持も得ているそう。
なお、海豚丼を注文し、Twitterで公開されている合言葉を言うと、青春☆こんぶの特製クリアファイルを贈呈しています。なくなり次第終了(残りわずか)なのでお早目に。
▼提供する無敵食堂。えりも岬レストハウス(右)内
▼青春☆こんぶクリアファイルももらえる(数量限定)
▼無敵食堂
所在地:幌泉郡えりも町えりも岬 えりも岬レストハウス内
電話:01466-3-1432
営業時間:9:00~18:00、無休(12月~4月中旬まで冬期休業)
公式Twitterアカウント