【札幌市】自転車で走っていたら「ん?」と思う建物発見!
通り過ぎたけれど、ぷわ~んと甘ぁい香りが周辺を漂ってきていて見た目と香りが違いすぎる。
気になって気になって気になって……さらに気になったのでUターンして戻ってきてしまった。
2階の窓には頭のないマネキンがちょっとエッチな下着を履いているし。
「レトロスペース・坂会館」!? あぁ気になる。気になりすぎる。
ということで中に入ってお話しを聞かせてもらってきた。
所狭しと並ぶ品々……昭和のニオイに懐かしさがこみ上げる
中に入ってさらにビックリ。めちゃくちゃいっぱいモノがあって、それが所狭しと展示されている。展示されいてるモノはけっこう古くて昭和のニオイがプンプン。まぁ「レトロスペース」ってぐらいだからそりゃそうなんだろうけど。
ん~いったい何なんだココは……!
▼スタッフの中本尚子さん
出迎えてくれたのはスタッフの中本さん。
まずは、このプーンと漂う甘い匂いから聞いてみた。
この香りはお菓子を焼いている匂いだそう。ここは坂栄養食品というお菓子メーカーの敷地で、隣に工場もあり、そこでお菓子が焼かれているのだ。
筆者は最近札幌に引っ越してきたばかりなので、申し訳ないことにこのビスケットを知らなかったが、坂ビスケットの「しおA字フライ」は北海道の人なら必ず食べたことがある……誰もが知っているビスケットなのだそうだ。
▼これが「しおA字フライ」
彼女と話をしていたら、中から館長の坂一敬氏が出てこられたので、さらにいろいろと話を聞かせていただいた。
▼館長の坂一敬氏
ここはオープンして20年ぐらいが経つのだそう。
高価なものは置かず、誰の家にでもあるようなものを展示していて、展示品はほとんどすべて拾ってきたもの。わざわざ買ったりしているわけではない……ということだ。
「30年ぐらい前の札幌は、ゴミの回収が無料だったんです。だからなのか、まだ使えそうなものがそのまま捨てられていたんですよ。いらなくなったからって、使えるものをこんなにカンタンに捨てるような時代になったってことは、この先、人も捨てられるようになるんじゃないか、それってどうなんだろう……なんて思いましてね。使えそうなものは持って帰って再生しようってことで持って帰りはじめたのが原点なんです」と語る館長の坂氏。
今では、置く場所がなくなったけど捨てるにはあまりにも忍びない、と言って自分のコレクションを寄付してくれる人もいるそうで、そうやってここの展示品は増えていったとのことだ。
▼薪ストーブやオガ炭ストーブ、そしてジンギスカン用の鉄鍋など……今では見ることができない品々が所狭しとならんでいる
展示品があり過ぎてとても紹介しきれないこのジレンマ
▼昔の雑誌の切り抜きが壁一面に貼ってある。▼筆箱や色鉛筆、絵の具だってこの通り
とにかく展示されている品々が多すぎて紹介しきれない。何かに特化しているというわけでもなく、とにかくいろいろな種類のものが数多く展示されているのだ。
「今の時代の流れにちょっと疲れてしまった人がここに来ればホッとするみたいですね」と館長の坂氏。
月に1回、古いレコードを聴いて懐かしむミニコンサートもやっていて、頻繁にここに遊びに来る常連さんもいるようだ。
昭和生まれの筆者、以前マッチを集めていたり、切手を収集していたこともあったっけ、あれってどこ行ったんだろう? たぶん引っ越しの時に捨ててしまったんだろうなぁ~、なんて忘れていた懐かしい記憶が蘇ってきた。
時間が経つことを忘れ、さらに取材するって目的も忘れ、この空間に酔いしれてしまった。
この「レトロスペース・坂会館」は、昔を知っている人にはノスタルジー、知らない人にはかえって新鮮……そんな気持ちで楽しめる空間。怪しい雰囲気満載でちょっと入りづらいけど、訪れてみたらいろいろな思いに浸れることマチガイなしだ。
▼レトロスペース・坂会館
札幌市西区二十四軒3条7丁目3-22 北5条手稲通沿い[地図]
TEL:011-632-5656
営業時間:11:00~18:30
定休日:日祝、土曜日不定休