春にはハクチョウがいっぱい!大沼は大沼でも稚内の大沼に行こう

【稚内市】 北海道で大沼といえば、道南・七飯町の大沼公園をイメージするが、最北の地・稚内にも同名の沼が存在する。そこまで有名というわけではないが、稚内の大沼ならではの景観を楽しめるので、是非行っていただきたい。特に春がオススメ!では、その2つのポイントを紹介しよう。

そもそも稚内の大沼とは?

声問大沼とは稚内市北部の宗谷湾に程近い声問地区にある湖沼である。距離にして稚内市街地郊外約6km東部に位置し、稚内市街地から車で20分、バスでは約25分「声問」バス停下車し徒歩20分ほど。稚内空港にも近く、道立宗谷ふれあい公園の南部に位置する。大沼ということが多いが、道南で有名な大沼とは別物で、区別するため「声問大沼」とも呼ぶ。

大沼をアイヌの人たちはシュプントウ(ウグイの沼)と呼んでいた。周囲12km、面積4.88km2の海跡湖で、かつて宗谷湾とつながっていたとされる。最大水深は2.2mしかない。830ヘクタールは道指定大沼鳥獣保護区である。戦時下は水上飛行場としても活用されていたらしい。

ポイント1:春にはハクチョウがいっぱい!


稚内の大沼は、全面凍結した湖面が解け始める春(4月から5月にかけて)、または秋(10月末から11月初め)に行くのがよい。なぜなら、この時期には、シベリアと越冬地を行き来する、コハクチョウ・オオハクチョウといった渡り鳥がたくさん飛来するからだ。特に春はオオハクチョウやオナガガモも見られるので、春がオススメ。シーズンになれば「大沼白鳥まつり」も開催されてきた。

ここに飛来する旅鳥はハクチョウのほか、マガン、オナガガモ、ヨシガモなども多数飛来する。渡り鳥たちはバードハウスのある砂浜側に上陸していたり泳いでいたりするので、近くで観察できる。が、あまり近づきすぎたりびっくりさせないように。また、事前に靴の裏を消毒することが求められているほか、エサやりは禁止されているので、それに従おう。

なお、このように渡り鳥の名所となったのは、漁師の白鳥おじさん(吉田敬直氏・1952年生まれ・稚内大沼白鳥の会会長)によるところが大きい。1988年以来、模型や泣き声の録音などを用いたり、地道な給餌活動を行ってきたことが、今につながっている。

ポイント2:利尻富士も望める沼!

晴れていれば、利尻富士と大沼のコラボレーションも楽しめる。サロベツ原野の沼でも利尻富士と一緒に見られるが、ここ稚内では数少ないスポットの一つ。稚内は風が強いことが多く、波がたってしまうので、逆さ富士を見れないこともあるが、奇麗な山と一緒に大沼を楽しんでみては。

ちなみに、沼全景を見たい場合は、大沼から道立宗谷ふれあい公園前を通って西に進む通称ミルクロードを進んでいくと、丘の上から東側に大沼全体を見ることができる。その大きさにびっくりするはずだ。

稚内市大沼野鳥観察館

通常、1994年建築の1階建てログハウス「稚内市大沼野鳥観察館」から大沼の湖岸に入る。建物内には管理人が常駐し、大沼に関連した展示物も少しある。トイレも駐車場も完備しているので安心だ。

ということで、是非春の渡り鳥の時期に訪れて、岸に群がるハクチョウたちをお楽しみいただきたい。

所在地:稚内市大字声問村字声問原野 [地図]
開館日時:3月25日~11月25日、1月29日~2月末日、9:00~17:00、無料
TEL:0162-26-2965