十勝・浦幌町に「おっぱい神社」という神社があるので行ってきた

「おっぱいの神様―乳神神社」。そんな看板が、十勝管内浦幌町の国道38号線沿いに立っている。「おっぱい神社」? いったいなんのことやら、好奇心が芽生えてしょうがない。ということでこの看板の正体を突き止めることに。

気になる「おっぱい神社」があるのは、浦幌町市街地に近い国道38号線沿い。JR浦幌駅の駅前通りを突き当たったところに近い。赤い看板に書かれていたのが、冒頭の「おっぱいの神様」という文字だ。その横には「浦幌神社」の表記もあり、参道が斜面に続いている。

▼振り返れば浦幌市街を一望

参道を上っていくと、大きな鳥居をくぐり、さらに階段を上る。上りきったところには浦幌神社の社殿がどんと建つ。振り返れば浦幌市街地を一望できる見晴らしの良い場所だ。ちなみに浦幌神社は、1896年8月15日に創始された神社。1973年に現在地に本殿を移設した。

これが「おっぱい神社」なのだろうかと境内を歩くと、向かって右手に別の小さな鳥居を発見。「乳神神社」と書かれており、これこそが目的の「おっぱい神社」の正式名である。

▼おっぱい神社こと乳神神社本殿

乳神神社の由来は、大正時代中期に、浦幌町瀬多来の山奥に一本のナラの大木があり、女性の乳房に似たコブが二つ付いていたという。吉田(名は不詳)という老婆がこれを見つけ、子供を産んだ母親のために乳を授けてほしいと祈願し願いがかなえられたという。

この木は災害などで倒れてしまったが、乳房のコブは残ったため、1955年ころになると地元の神社で祭りを行うようになり、1982年9月12日には現在地に本殿を移築した(社殿は浦幌炭鉱の神社の本殿を移築)。

▼乳石殿。人工ではなく、自然石なのだ

さらに、ちょうど同年、浦幌町厚内箱石の沢では瓢箪にも乳房にも似た自然石(砂岩)の「乳石」が諸沢氏によって偶然発見され、2007年、乳神神社の右に乳石殿を建立した。

現在は、向かって左から、浦幌神社本殿、乳神神社(乳石殿)、水子神社の順に並ぶ。参道入口に駐車場はなく、本殿の近くにあるのでご注意を。