各地にご当地グルメが誕生している昨今ですが、離島にもご当地グルメ、いや「ご島地グルメ」が誕生しています。今回紹介するのは羽幌町天売島に誕生したご島地グルメ「天売ガヤ天丼」です。どんな料理なのでしょうか?
そもそもガヤって?
「ガヤ天丼」の「ガヤ」っていったい何なのでしょうか? 正式名称は「エゾメバル」という白身魚。目が大きく見張っているように見えることから名付けられた北方系のメバルです。日本国内では東北以北に生息し、とりわけ北海道ではたくさん獲れることから北海道ではなじみ深い魚の一つです。このエゾメバルは「がやがやたくさん獲れる」ことから、北海道など地域によっては「ガヤ」と呼びます。
北海道においてガヤはたくさん獲れることから比較的安く手に入ります。天売島の地域おこし協力隊によると、島でも通年でよく釣れる魚で、天売港でもバケツ一杯は釣れることもあるのだそう。天売島民の間では家庭で煮つけなどにして食べることが多いようです。
さくっ!ぷりぷりっ!な「天売ガヤ天丼」
そんな天売島でもよく食べられているなじみ深いエゾメバルを天丼にしたのが「天売ガヤ天丼」というわけ。誕生したのは2008年5月18日。「日本海えびタコ餃子カレー丼」などご当地グルメ開発の動きが羽幌町であったタイミングで、焼尻島と天売島でも作ろうと、焼尻島は「焼尻タコ揚げ定食」、天売島は「天売ガヤ天丼」と、各島が独自のご当地グルメを開発しました。焼尻島ご島地グルメはいつしか目立たなくなってしまいましたが、天売島のご島地グルメはいまも健在です。
「天売ガヤ天丼」の食材は、地元産のものを積極的に使用しています。天売島近海で獲れたガヤ、つまりエゾメバル 二切れを開き天ぷらにしたものと、野菜の天ぷらをご飯の上に乗せたどんぶりで、お米も羽幌町産ななつぼし「オロロン米」を使うことが定められています。また特製タレは、昆布と鰹節で作っただし汁と、醤油、みりん、砂糖、鰹節を使います。
提供店舗の一つ、天売島フェリーターミナル裏の食堂「めし処てうり亭」では、汁物や小鉢などがついて1000円の定食で提供しています。そのほか宿泊施設、天売港からは少し離れますが「炭火海鮮番屋」でも提供してきました。
ガヤを揚げた揚げ立ての天ぷらは、一口食べるとサクッとしていて、身はぷりぷりで、あっさりした味付けがガヤの味を引き立てます。天売島はウニもおいしいですが、ランチするなら天売島の名物「ガヤ天丼」もおすすめですよ。